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【中村屋贔屓より】二月大歌舞伎の感想とか

先日二月歌舞伎座、三部を観てきました。

最近自分的リバイバルで大好きな中村屋兄弟、足掛け10年ぶりに、ナマの舞台の彼らを見た。

すごく久々の歌舞伎座で、入っただけで、ちょっと感動したほど。


袖萩祭文。

袖萩の母としての情、娘としての情が際立つ。手先のしぐさの美しさ、声音の哀愁。泣きながらの祭文の場面、声がつまるところ。少しでいいから父上様のご様子をうかがいたい、と門にすがって訴えるところ。

こういうの、七之助さんはホントにうまい。(少なくとも、めちゃめちゃわたし好みだ。七さんだいすきだ~!)

うう、わたしも胸がつまる。娘よ、って抱きしめたい。三味線。ああ、いいな三味線。

甲斐甲斐しい長三郎お君ちゃん、かわいらしくいじらしく。「おばば様」と声をかけられたら、そりゃおばば様どうしたらいいの、門から飛び出して抱きしめたいよ。でもできない東蔵浜夕さん、打掛を投げるところでさらに泣けた。

そして後半貞任勘九郎さん登場、お公家様の高貴典雅にしてなんとなく不気味な風情、からのぶっかえって本性出し、なんだ、もう、もう、

か、か、かっこえええ~~!!!(語彙崩壊)

もう、貞任がぜんぶ持ってったね。

特に、赤い旗ひらひら翻してからの、ドーンと見得!

なんかもうカッコいい以外出てこない。七丈贔屓じゃなかったのか私? いいのお兄さんの芝居もだいすきなの!


心のなかで、何度も繰り返した。

中村屋!

中村屋!!

(どのみち女子は大向うかけないから、いつでも心のなかでだけど)

他にもいろいろあるが。省略。


連獅子。

いやあ、勘太郎さんはもうまったき「歌舞伎役者」でありました。

「中村勘太郎、9歳で頑張ってるんだって!」という程度の話ではないのだよ。子供扱いするんじゃあねえ。

ちと遠目の席ゆえお顔表情までしかと拝見できませんでしたが、からだの隅々までの緊張感、凛々しさ、迫力。予想以上でした。

一方で、勘九郎さんの舞姿が美しくてほえ~~(語彙崩壊)てなった。

毛振りのぴたりとシンクロしたところ、ぞわっとしました。こんなにからだの大きさ違うけど、こんな一瞬があるのか。父と子、師と弟子、しっかりと繋がってる。

あと、鶴松さんのことも。

いい声! 溌剌として聞きやすいし、躍りもきびきびとして、かつコミカルでかわいらしかった。

これからも中村屋、ますます大一門になって、歌舞伎界で存在感を増していくことと思う。


スポーツもそうだけど、こちらからエールを送ったら、たくさん感動や勇気をもらって、逆に応援されてる気持ちになる。

みなさん、魂かけて舞台に上がってる。

色々な意味で厳しい状況で、現実には興業打てば打つほど赤字の演劇界。その中で、彼らがずっとずっと、芝居を続けていけるように。100年単位の伝統が、さらに100年単位で続いていくように。

微力ながら、観に行ったり、こうしてことばで書き残したりして、よかったよ、素敵だったよ、と発信していきたい。

…のだけど。ことばにするのはとても苦手で。

どうしたら、伝えていけるかなあ。




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