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「はじめて読んだイラレ本」と再会した|イラレ職人月報2023/08

僕がイラレを使い始めたのは、大学生の時。

デザイン学部なのでイラレの講義も予定にあったけど、さっさと使えるようになりたかった僕は、大学の図書館で入門書を探しました。

何冊かあった候補の中で、とある教本を選びました。可愛らしい動物イラストが表紙の、絵本のような雰囲気だったこと。そして1cmくらいの、教本としてはかなり薄めの本だったことだけは覚えてます。

ともあれ僕はその本に興味を持ち、四苦八苦しながらも独学でイラレを使えるようになりました。僕の大切な原点です。


そして時が経ち、今の僕はイラレの本を書く側になりました。
時折、その本のことが気になって探したりもしたのですが、何せ古い本でタイトルすら覚えていないので、なかなか見つかりませんでした。

ところが先日、ついにそれらしい本を発見しました。ありがとうAmazon!
それがこちらです。

可愛らしい動物イラストの表紙。159ページという薄さ。CS&CS2時代というのも時期的に一致しています。これに間違いありません。

早速購入して、中身を確認してみました。

色鮮やかなイラスト作例がたっぷりと掲載されていて、パラパラと見ているだけで楽しい紙面です。そうそう、自分もこんなのを描きたいという気持ちになったのだなぁと懐かしい気持ちになりました。

どうやらデザイン系の雑誌の連載記事を加筆修正したもののようで、「イラレでイラストを制作するテクニック集」といった内容です。

つまり、「入門書」というにはちょっと難しめの本でした。
一応初心者に配慮した構成や内容にはなっていましたが、やはり結構とびとびな感じは否めません。

ぶっちゃけ当時の自分はよくこれで勉強できたなと思います。いや「難しいな」とは思っていたでしょうけども、ちゃんと読み切ったのだから大したものです。

しかしこれは非常に示唆に富んでいます。

まず内容のレベルやわかりやすさが読者と合っていなくても、読者はそこに気づくことができないこと。

そして難しくてもわかりにくくても、「これなら読めそう・読みたい」という動機はそれらを吹き飛ばすことです。

この本に関しては、その表紙や作例の華やかさがとても興味を引いたこと。そしてイラレ本としてはかなり厚さが薄いことが、これくらいなら読めそうという動機に繋がったのだと思います。

僕もこんな本やチュートリアルを作れるようになりたい。
正しいだけじゃない、ちゃんと心に響くモノを作りたい。
改めてそんな目標を見つけることができました。

ちなみに著者様の名前がわかったので軽く調べてみましたが、残念ながらここ数年は動きがないようです。引退されてしまったのでしょうか。

届かないとは思いますが、大賀 葉子さん。
あなたのおかげで僕はイラレを使えるようになりました。
ありがとうございます。

僕も数年後に、読者さんからそう言っていただけるように頑張りたいと思います。
できればその時まで生き残っていたいですね。
引き続き応援よろしくお願いいたします。

それでは良いイラレライフを。

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