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靴作りの道具#4『釘切り』

今回は、靴作りで使用している『釘切り』について述べたいと思います。

釘切りとは、その名の通り釘を切るための道具です。
持ち手を広げたり閉じたりすることで、釘を切ることができます。

靴作りでは、主に最後の方の工程で使用します。
革を一枚一枚積み上げてヒールを製作し、最後に飾りの意味を持つ真鍮製の化粧釘※を打ちます。
その際、最後まで打ち込むのではなく少し余力を残しておきます。
その余力分の化粧釘を釘切りでカットします。

釘切りでカットする様子

カットした部分にはバリが出るため、その後やすりをかけて綺麗に仕上げます。
そうすることで見た目も綺麗になりかっこよくなると思います。

やすりをかけ終え、靴底を仕上げた様子

また、飾りの意味が強い化粧釘ですが、釘には変わりません。
そのため、トップリフト※2の接着をより強固にしてくれていると思います。

釘切りを長く使用していると、どうしても刃こぼれをしてしまいます。
刃こぼれをしていない部分を確認し釘を切ることが地味ながらも作業の効率アップにつながると考えています。

note : 村上紀之

※1: 「化粧釘」とは、一般的に靴の製造や修理において使われる特殊な釘を指します。
靴底や靴の部品を接合するために使用したり、見た目を美しくするために装飾の一部として使用されることもあります。
例えば、靴のトゥ部分やかかとに配置され、靴のデザインを引き立たせる役割があります。

※2: 「トップリフト」とは、ヒール部分の一番下(実際に地面に触れているところ)の部材のことです。
革とラバーでできているものとオールラバーのタイプがあります。

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