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Fenderのマスビルを買いました

こんにちは。
機材オタク、瀬田コルネです。

過去最高に「やっちまった」って買い物しました。
あーあ、遂に買っちゃった。

これです。

とんでもなくカッコいい。

Fender Custom Shop MBS 1961 Stratocaster HSS Journeyman Relic Bright Sapphire Metallic Masterbuilder Andy Hicks
です。

長いですね。なんかの呪文みたい。覚えられる気がしないですね。

マスビル。
マスタービルダー。
Fenderの現行製品の、紛れもない最高峰ラインです。
普通なら買う選択肢にすら入らないような、そんな代物です。

なんで買ったんや。

自分が以前買ったストラトもカスタムショップでした。あれはチームビルドですが。

これ。勿論、このギターも良いギターです。

とても好きなギターなのですが、1個欠点がありました。
「リアピックアップがハムじゃない」という点です。

持っている濃藍もSSHなのですが、あれはかなりモダン寄りに改造しているため、「Fenderの音」とはかけ離れています。


じゃあ改めて探すか、と思って、いろんな価格帯の、いろんなメーカーのギターを試しましたが、どうもしっくり来ない。

うーん、これはもう、Fender買うしかねえのか。
アメリカンウルトラとかかな。ローン組んでるしあんまり高級なの買えないよなあ。

そんな事を思いながら、デジマートを検索。

ここで悪魔が囁きました。

カスタムショップのSSHのストラト探してみようぜ、と。

あー、確かにね。カスタムショップ気に入ってるもんね。
黒柿と同じ感じの音で、ハムバッカー乗ってたら最高だよね。
買わへんけど見るだけ見てみよ。どうせそんな数あらへんし、そうそう刺さるもんなんか見つからへんて。
ブランドを絞り込んで、ピックアップ構成を選んで。

当然、見た目が好きなやつじゃないとな〜、出来ればオンリーワンでアイコニックなやつ。


で、見つけたのがこれです。
一発で目と脳を焼かれました。


でも福井にあるショップか…………行けなくもないけど、往復の電車賃もったいねえな…………。
でもな〜、たっかいし、いくらマスビルと言えど試さないで買うのはな〜。

と、その日はウォッチリストに入れるだけ入れて閉じ。

いやー、即決は出来ませんよ、やっぱ高いもん。メチャクチャ高い。
して、色々あって、数日後。

あまりにも考えすぎて、日常生活に異常をきたしたので諦めて買いました。
マジで仕事が手につかなかった。ただでさえやる気ないのに。
真面目に、しばらくデジマート封印します。


今回、初めて試奏もせずに、実物も見ずにギター買いました。

これは全く役に立たないライフハックですが、流石にマスビルのレベルまで行くと、試奏せずに買っても「どう考えてもハズレだわ」にはなりませんね。
皆さんはこんな頭のおかしい買い方をしないで、ちゃんと試奏して選んでください。


ただ、実はまるっきりの衝動100%ではなかったんですよね。


このギターを作ったアンディ・ヒックスさんは2022年に就任した、かなり新しいマスタービルダーです。
ジャクソン、グレッチ、ジェームスタイラー、といろんなメーカーで働いてきた経歴の持ち主です。
ちなみに『ゴリゴリのメタラー』という見た目の方ですわ。
以前、ギタマガのカスタムショップ特集でインタビューが載ってました。
ご本人曰く、ネック周りの加工が制作における得意分野だとか。
また、ネックに限らず色んなメーカーを経験してきて、それらの良いとこ取りをして作れる、というのも強みである、というお話が載っていました。


個人的な意見ですが、現在作られている弾きやすいギターって、大体は昔ながらのギターとは違う音がします。先に挙げた濃藍みたいに。
使いやすいのですが、個人的にはちょっと面白みに欠けるよね、という気持ちになります。
そんなに興味ないと思いつつ、私はどうやらヴィンテージ系の音の方が好きらしい。

最近気付いたのですが、手持ちの中で一番「弾いていて楽しいギター」は先程の写真に上げた黒柿です。
Fenderのギターはやっぱり、何故かはよく分からないけど、良い。
馴染む、というのでしょうか。
あと、強弱がちゃんと出る。
「自分が演出として音に出したいもの」が出しやすい、そういう印象を受けます。
そういうところが「楽しさ」に繋がっているのかも。

モダン系は、「ちょっと均して整えときました」みたいな感じがします。
決して、ニュアンスが全く出ない訳ではないし、整ってるのもそれはそれで良いんですけどね。むしろ、聞く方を考えたらそっちのが優しいです。

でもそれはそれとして、楽しいギターの方が持ってて、弾いてて嬉しい。

贅沢なのは分かってるんですけどね。
でも、モダンな演奏性と好きな音。
これが両立出来たら最高じゃないですか。


このギターの商品ページを見てから、改めてカスタムショップの特集記事を読み返すまで、申し訳ないのですが、どんな人だったのか、どんなものを作る人なのかをちゃんと思い出せなかったです。

ですが、これを機に、改めて読んだら思い出しました。
数ヶ月前、最初にこの特集記事を読んだ時、「もし買うならこの人のがいいな」って思った人です。
記事内に書かれていた、これからはモダンなプレイアビリティとヴィンテージ感の両立が求められるようになると思う、という言葉に惹かれました。
こういう、「自分はこう思う」っていう哲学がある製品が好きなんですよね。
当然、他のビルダーさんにもそれぞれに哲学がありますが、自分が求めてるものに近い人が良いよね。

まさに、自分がそういうの欲しい。モダンな演奏性とヴィンテージ感。

リアにもトーンが効く配線、コイルタップも付いているし、ついでにその切替がプッシュ/プッシュ式。個人的に「これ切り替えやすそうでいいな」って思ったやつです。Suhrと同じ。
おまけにデザインセンスも刺さる。

ここまで来たらもう…ね。
これはもう、運命。
買うしか。

メイプルネックにローズ指板。自分が持ってるギターは全部ローズ指板です。良い。
ネックはちょっと薄めに感じますね。程よい。
指板RはMasterbuilder Custom Compound Radiusです。
マスタービルダーのみオーダー出来る仕様で、7.25インチ〜10インチのコンパウンドラジアスらしいです。ローフレットは丸くてもいいけど、ハイフレットは9.5インチ以上欲しいと思ってた。
ピックアップはSSH。フロントとセンターはハンドワウンドのFat60sで、リアはセイモアダンカンのTB-10 Full Shred。初めて聞きましたが、ローがあまり膨らまず、尚且つハムバッカーらしい厚みのある出音ですね。
コイルタップしたらシングルっぽい軽い音になり、さらに、コイルタップしなくとも、ハーフトーンにした時のバランスが良い(音に関しては買って実際に弾いてから分かりましたが)。
おまけに、3.2kg台とかなり軽い。

届いてからは早々に写真を撮って、家で音出し。
上記のようなモダンな仕様にも関わらず、出音は私の好きな「楽しい音」です。
見た目も最高にカッコいい。ブライトサファイアメタリックという色ですね。レギュラー品では見た事ない。
鮮やかで光沢のある青。メチャクチャカッコいい。おまけにマッチングヘッド。コンペティションラインがヘッドにも入ってます。
最高……っ!!!

仕様の悉くが自分に刺さる。理想。
自分がオーダーしたんかと思った。

また、仕様には表れないところですが、指板の端も滑らかに丸くなっていて、握った時に全く違和感がありません。隅々まで行き届いてる配慮……!!

しかもこのギター、何が凄いって、文面でスペックを見て期待したハードルを超えてきたんですよね。
今まで、まあまあいろんなギターを弾いてみて、「うーん、値段の割にそんなに感動しねえな」みたいなものもありましたけど、それらを軽々超えてきた。
ベタ褒め。

いやもう…最高。すごく良い。すっっごく良い。
高えだけある。
もし今後フルオーダーするなら、私はこの人に頼む。他のビルダーの方もいるけど、もう、俺はこの人のファン。

ありがとうアンディ。あなたの作ったギターの1本はこれから私が弾きます。


いやー。
懲りずに機材を買いました。
いや、懲りるも何も反省してない(それはそれで問題)ですけどね。これまでの買い物。

そしてこういう、頭におかしい刺さり方をする機材が見つかるからやめられないんですよね……。
ああ、私のファム・ファタール。

といったところで、本日の記事は以上です。
That's all for today!

それでは、これを読んだ皆様が、より良い機材に出会えますように。

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