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多機能アンシミュDSM&HUMBOLDTのSIMPLIFIERについて

あけましておめでとうございます。
機材オタク、Navy Springsの瀬田コルネです。
今年も機材を生やしてはたまに記事を書いていこうと思います。

さて、年が明けまして、「じゃあ1本目に何を書くか」と考えていました。

新しい気持ちで、という事は……一周回って「何も繋がずに弾く」という事では?と思いまして、今回はアンシミュの話です。

昨今、ペダルタイプのアンシミュっていろいろありますよね。
有名なのはやはりStrymonのIRIDIUMや BOSSのIR-200でしょうか。
これらはボードに組み込んで使うのは勿論、イヤホンを差して弾ける、という便利アイテムです。
更にMIDIでプリセットをいじれる、という高機能。
更に更に、別途IRを読み込んでお気に入りのアンプを追加出来ます。

最早やれる事が多すぎて困りますね。私は困りました。
「使わなくてもよい機能」はあっても構わないのですが、あると触りたくなるので……ギターを弾く時間が減ってしまいます。
もっとシンプルでいい。
沢山あってもどうせ気に入った設定しか使わんし、それを探すのがメチャクチャ手間じゃないか。

そう考えて調べて見つけたのがこれです。

設定は
・プリアンプシミュ
・パワーアンプシミュ
・キャビシミュ
にざっくり分かれております。

プリアンプ(アンプヘッドの部分ですね)はフェンダー系、VOX系、Marshall系の3種類から選べます。
ボリューム、ゲインと3バンドEQで設定出来ます。
プリセット機能なんかはないので、目に見えるツマミの位置が全てです。

パワーアンプシミュの部分はプレゼンスとレゾナンスツマミが付いています。
また、「パワー部の真空管が何か」というのを設定出来ます。
選べるのは6L6、EL34、KT88の3種類です。
本物と比べてどうか、というのは分かりませんが、音の出方が変わるので好きなやつを選びましょう。

キャビシミュは左右で別々に設定出来ます。
左右それぞれに、
マイクポジションの設定
キャビの形の設定
が出来ます。
マイクポジションはいじると ハイが出る⇔ローが出る という違いがあります。
キャビはTWIN、STACK、COMBOで3種類です。
これも音の出方が変わるので、好きなものを選びましょう。
ミックスで出力すると左右から違う音がして楽しいですね。
特に狙いがなければどちらも同じ設定にすればよいかと。

実際に弾いてみた感じですが、「どうあっても変な音にはならない」という印象です。
裏返すと「極端な設定は出来ない」という事ですが、ギターを弾く、という観点で言えば文句なしでしょう。
メンテナンスフリーで真空管っぽさを味わえる、というのはなかなか良いですし、変な音にならないのは「音作りにあまり悩まない」という利点もあります。

あと多彩な入力/出力端子は特筆すべきでしょう。
インプット、センドリターン、ステレオアウト、DI用のステレオアウトに加えて、イヤホン出力とAUX INも付いてます。
それでセンターマイナス9V電源で動き、BOSSのエフェクターの半分ほどの大きさです。
中どうなってんだ。
イヤホン端子があるので、これと電源だけあれば「ギターの練習が出来る」という凄さ。
インプットの前、センドリターン内に別のエフェクターも繋げます。
凄い。

して、ここからは注意点や微妙なところを書きます。

1つ目は「常にオンになる」というところです。
小型化の代償に、フットスイッチがありません。
こればっかりはもう…どうしようもないんですけど、「絶対にこれを通った音」が出力されます。
「本物のアンプも使いたい!」という場合にはスイッチャーとかで避ける必要があります。
家で弾くだけ、とかスタジオやライブでもこれをアンプのリターンに繋ぐぜ!とかなら問題ないんですけどね。

2つ目は「キャビシミュオフ時の挙動」です。
これも「ミキサーに直接出します」とか「オーディオインタフェースに直接繋ぎます」みたいな時には気にしなくていい事なのですが、本物のアンプのリターンに繋ぐ時には注意が必要です。
キャビシミュをオフにするとパワーアンプ部もカットされるようで、接続先のキャビ次第で少々音が変わります。
まあこれは…「ヘッドアンプを持ち歩いている」という気分で解消出来ますかね。
7〜9割くらいは思った音が出る、と思ってくれればよいかと。
「キャビシミュ通った音がアンプから出てるけど別に良い感じじゃん」と思ったのであればオフにしないで使ってもよい訳ですし。
実際の使用環境で色々試して正解を見つけてください。

こちらの商品ですが、サウンドハウスさんで買うのが恐らく一番早いです。
都内の楽器屋さんを色々見ましたが、店舗に出てるのは見た事がないです。
試す機会がないのも欠点ですね……。

また、2チャンネル切り替え可能、歪みをクリーン・クランチ・リードで設定可能、リバーブ機能の追加、という機能が追加されたアップグレード版もあります。
こちらは筐体が2倍ちょっとぐらいの大きさになるので、ボードに組み込む時は注意が必要ですね。

ですが、豊富な入出力端子は変わらずなので、1個あると便利かもしれません。
全体的に「ジェネリックアンプ」「『安定した環境を持ち歩く』という前提として考えるとアリな選択肢」という印象でした。

「家にアンプが置けない」「デカい音出せない」という方への家練習用アンプとしてもアリかと思います。

そんなわけで今年1回目の記事でした。
今年もよろしくお願いします。

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