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初めて尾瀬を歩くなら

夏の終わり、初めて尾瀬を訪ねた。
関東に住んでいると遠くない観光地、だが「国立公園」であること、「マイカー規制」が敷かれ、近くまで車で行かれないなど、他の観光地と違い訪問へのハードルを感じ、長いこと訪れておらず。

今回思い切って出向いたところ、とてもいい思い出になった。行ってみるまでわからないことも多かったので、初めて尾瀬を訪問する方向けに記録を残しておく。

尾瀬に行く前にここを確認

事前のルート決め、必須

とりあえず尾瀬に行ってみたいと思って、困ったのがルート決め。
尾瀬は広く、入り口も複数あるので、初心者は入口を決めてルート決めるだけでも難しく感じる。
一度行ってみたら全体像が見えたので、ここでは初心者の方におすすめのルートを紹介。

尾瀬初心者、特に普段から長距離を歩くことに慣れていない人の場合、こちらのコースがおすすめだ。

日帰りの場合:
「鳩待峠 → 山の鼻 → 牛首分岐 → 竜宮 → ヨッピ吊り橋 →牛首分岐 → 山の鼻 → 鳩待峠」

一泊の場合:
一日目「鳩待峠 → 山の鼻 → 牛首分岐 → 竜宮 → 見晴」
二日目「見晴 → 沼尻 → 三平下  → 三平峠 → 一ノ瀬」

引用:https://www.oze-hiking.com/map/img/ozemap.gif

理由は一つ。尾瀬らしい景観を思いきり楽しめ、かつ高低差が少なく、普段から山歩きをしない人でも歩きやすいから。
尾瀬では平地を「ハイキング」するイメージが強いが、ルートを誤ると「登山」になる。過去には尾瀬の山で遭難も発生しており、登山ルートに出向く場合は相応の準備が必要になる。

夏場でも一枚は長袖を持つ

理由はズバリ、朝や夕方は寒いから。また気温は上がる昼間も、尾瀬湿原の真ん中は陽を遮るものがほぼなく、肌を出しているとかなり日焼けする。
出発前はさすがに半袖でいいと思うくらい暑い時期でも、一枚はそれのあるシャツを持っていきたい。

熊鈴は必携

熊による事故は少ないものの、尾瀬はツキノワグマの生息地。目撃情報は後を絶たない。私は出会わなかったものの、山小屋の人の話だとフツーに出てくるらしいので、尾瀬を歩くときは熊鈴は必ず持っていきたい。
鳩待峠では自動販売機でも鈴を売っていたので、忘れた場合は現地調達も可能。

雨具は必ず

尾瀬の天気はとんでもなく気まぐれ。晴れていても雨が降るし、急に降って急に上がる。
雨ガッパや傘がないと一気に体が冷えて体力を奪われるので、天気予報に関係なくかならず雨具を持っていこう。

尾瀬を歩く

どちらのルートも鳩待峠からの出発になるが、尾瀬のシーズン中、基本的に鳩待峠までの道には「マイカー規制」なるものがかかっており、車で乗りつけることはできない。
鳩待峠までバスで30分ほどの「戸倉第一駐車場」に車を停めて、約一時間毎に出るバスで鳩待峠に向かおう。

鳩待峠。入り口ですでに標高1591m。ここから山の鼻に向かって山道を歩く。途中までは舗装のない山道。途中から木道が整備されている。
山の鼻まではトイレがないので、ここで済ませておきたい。

鳩待峠


鳩待峠 / 尾瀬への入り口

この日は朝八時のバスで遅めの出発。鳩待峠で軽く腹ごしらえをして、九時頃には歩き始めた。

鳩待峠→山の鼻

山の鼻まではゆっくり歩いても一時間はかからない。35分で山の鼻へ。

山の鼻からは一気に景観がひらけて、尾瀬らしい景色が見える
山の鼻→牛首分岐に向かう
夏の終わりで花は少なかったが、リンドウが所々でみられる
進んで行くと沼があちこち現れる
都会は暑いのに、尾瀬はもう秋ばんでいる
ずっと木道が続いていて歩きやすい!
もう秋!

休憩やお昼を挟みながら、二時間くらい歩いて見晴に到達。12時半にはついた。山の鼻から見晴まで、食べ物を買うところはないので、何か持っていくのがおすすめ。

見晴地区。ここはかなり栄えており、複数の山小屋が立っている。
ここだけ都会のおしゃれカフェみたい。。

今回は「尾瀬小屋」に宿泊。宿泊の場合、早めのチェックインがおすすめ。尾瀬では都会と比較して2,3時間前倒しで時間が進む。尾瀬小屋も、入浴が15時-17時。夕食は17時半からで、遅くなると食べられない。
ちなみに消灯は20時。
綺麗で過ごしやすかったが、ここは国立公園のど真ん中。食料は歩荷さんと呼ばれる人が今でも荷物を背負って山小屋へ運搬しているとのことで、風呂では環境への配慮から、石鹸の使用なども禁止事項になっている。
山小屋はとても快適だったがあくまでも山小屋なので、快適性よりも自然への影響を優先する必要があることを承知の上でお世話になりたい。

山を歩いた日に、暖かい風呂に入れるのは本当に嬉しい。夕食も朝食もとても美味しかった。

到着から15時の入浴までは、皆お茶を飲んだり写真を撮ったり、明日に備えてゆっくり過ごす。
小屋の前にいた赤とんぼ
夕暮れの尾瀬小屋。中も綺麗で快適だった。
尾瀬小屋。床がピカピカに磨き上げてある。
9月なのにストーブ。夜は冷える。

天気の良い日は、星が本当に美しい。夜の暗さもしっかり楽しみたい。

朝の尾瀬

そして朝。20時消灯のため、宿泊客は5時前から起き出して各々散策に出る。この日は曇っていたのだが、朝のモヤがかかった湿原は幻想的で美しかった。

2日目は尾瀬沼の方へ向かう
昨日とは変わって山道だが、所々平原が現れる
二時間くらい歩いて沼尻に到着。小休憩。
再び歩く。
有名な長蔵小屋のあるエリア。
長蔵小屋の裏からの尾瀬沼。
終わりかけのアザミ。
三平峠を越えて、一ノ瀬へ。
途中、沢もみられる。
この先の大清水から、戸倉駐車場へ向かうバスが出る。一ノ瀬から大清水も徒歩40分くらいだが、今回は疲れてバスに乗った。
低公害車が大清水まで連れて行ってくれる。

尾瀬沼までは二時間程度でなんなく到着したのだが、そこからの三平峠が思ったよりもきつかった。普段ならなんともないのだが、2日間で20km近く歩いた状態での峠越えは微妙にしんどい。
また峠を越えたあと、一ノ瀬まで一気に降るので、トレッキングポールを持っているなら絶対持っていくことをおすすめする。上りより下の方が膝に来るので、ポールがあるととても助かる。

きちんと計画すれば、尾瀬は楽しい

都心に住んでいても、近場で自然を楽しめるところはある。高尾山などは近年観光地かが進みすぎてもはやテーマパーク化しているが、山道ギリギリまで電車が来ており、リフトやケーブルカーも整備されていて、何も準備せずに出向いても楽しめる。
そこと比較すると尾瀬は基本的に誰でも楽しめるとはいえ、絶対に事前の準備は必要だ。
木道が整備されているとはいえ、木道がない箇所も多々あるし、山歩き用の靴を履いていない人はほとんど見られなかった。
だが都心からもアクセスしやすい距離にあり、尾瀬でしか見られない景色は幻想的で、一回出向く価値は多いにあると感じた。
興味がある人はしっかり準備して、ルールを守って尾瀬を楽しんでほしいと思う。

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