コリオリオ

僕はコリオリオだよ!

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140字小説

長きに渡る雨不足に人々は苦しんでいた。神はそれを気の毒に思い、信者から信者でない者まで救済の対象とした。神は地上に降り立ち、今すぐにとはいかないが、近々雨の恵みを与えると言った。人々は喜び湧いた。一方信者たちは「神を騙るならず者だ」と罵声を浴びせた。神は信者を殺し、雨を降らせた。

    • 研究の成果

      「ついに完成したぞ。」 科学者は、研究室の一角に築かれた大きな装置に手を置いてそう呟いた。 「やりましたね博士!これで時間は止まり、世界は私たちのものとなるわけですね。」 助手が笑みを浮かべ言った。 「うむ。そこで、起動のスイッチはここまで開発に協力してくれたお前に押してもらいたい。」 「なんと、私が押して宜しいのですか!それでは…」 人差し指がスイッチに触れる。装置は大きな音をたて、やがてそれは止んだ。 時が止まった。二人の研究は成功したのだ。 全てが凍りつい

      • 宝物

        「この後ヴァイオリンなんだからボサっとしてんじゃないよ」 「わかってるよそんなこと」 16時。鬱陶しい母の声に中身の無い言葉を返す。 今日も放課後を母の自己満足に使わされることになる。一体いつからこの人の奴隷になったのだろう。 私のスケジュールはいつも埋まっている。おかげで幼稚園から一緒だった幼馴染とも疎遠になった。 月曜日はピアノ、火曜日はヴァイオリン、水曜日は華道、木曜日は英会話、金曜日は書道。土曜日と日曜日は朝から23時まで塾。 まともに休めるのは眠っている間