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2023/3/25 FRONTLINE FESTIVAL ライブレポート


まえがき

現在、シーンで勢い付きまくりのメタルコアバンドSABLE HILLS主催のフェスFRONTLINE FESTIVAL 2023に行って参りました。
自分のメタル愛を再認識させてもらった最高のフェスだったので、熱が冷めない内にライブレポートしたいと思います。
朝一からラストまでぶっ通し&休憩なしで、今も足がグラインドしてますが、本当に素晴らしい一日でした。

これは持論ですが、僕は昔からCLUB CITTA'とメタルバンドの相性がイマイチな気がしています。
というのも会場の作り方はあくまで"クラブ"であり(天井にミラーボールと星の錬成陣もあるし 笑)、昔から毎回バスドラムの低音とベースの低音は膨らんで「ボワッ」している印象です。
その膨らみの弊害としてギターが薄くなり、聴こえないという事がしばしばあります。
レポートする上で、前提として理解しておいて欲しいのが、テンションが無条件でブチアガる完璧な音作りが出来ていたバンドは少なかったという事です。
また、音作りはバンド側だけの責任ではなく、フェス事情(リハが充分でない)や会場の環境に大きく左右されるという事も合わせて理解しておいて欲しいです。※音作りが良くなかったという事を書いていてもバンド側のみを責める意図はないという意味です。
それを踏まえた上で、普段チャンネルを見てくれている方はお気づきだと思いますが、数ある音楽の魅力の中で僕らは音作り・音質に重きを置いています。その点をご留意頂けると幸いです。

それではライブレポートやっていこう!!

1:Take This to Heart

Setlist
1.Celestial
2.Dogmatic Monarch
(feat. 亡無 from kokeshi)
3.Hypernova
4.IGNIS

一発目はTake This to Heart。
実は僕らの動画「国内メタル・ヘヴィミュージック オススメまとめ BEST50」に入れさせてもらうか最後の最後まで迷ったバンドです。
動画制作当時はまだシングル2枚のリリースのみで、判断がつかなかったので泣く泣く削ってしまいました。

1stアルバムHypernovaはもちチェック済みで、メロディックな「あの頃の俺たちのメタルコア」サウンドをブチかましてくれてます。
ライブはまだ粗削りだった印象。特に外音のバランスがですね。
(Vo)A.O.Y.M.さんは良い意味で音源と違う声質で、少ない時間でREC時より成長されている印象を持ちました。
バンド自体の躍進もこれからといったところだと思うので、今後も正統派メタルコアサウンドを至る所で掻き鳴らして欲しいです。

2:Sailing Before The Wind

Setlist
1.RESISTANCE
2.MAVERICK
3.DRIFT APART
4.NORTHERN WINGS
5.RAIN OR SHINE
6.IOLITE

もはやベテランの域といえるメタルコアバンドSailing Before The Wind。
圧倒的でした。うめぇ!!
海外アーティストに通ずるあの謎の無敵感すら出始めていました。
ライブを拝見するのは久しぶり、現体制になってからは初だったかもしれません。
ブレイクダウンにおけるタイトさは凄まじいものがあり、ライブ力の高さに圧倒されました。
特にサポート(Dr)のHirokiさんのキレの良いプレイが最高でした。
僕らの推しドラマーでもあります。バスドラムのヌケ具合でいったらフェス全体でもNo,1だったんじゃないでしょうか。
バチバチにタイトなバスドラムとガリガリなハイゲインなベースのブレイクダウンの絡み方はとても硬かったです。
外音も非常にバランスが取れていました。
スクリームの安定感もハイレベルで、特に地声混じりのミドルスクリームの安定感が高かったです。あまり言及されているの見た事ないですが、(Vo)Ryoichiさんまじでスキルフルだと思っています。

3:Graupel

Setlist
1.Hush
2.Apathy
3.Towpath
4.Empty Vessels
5.Memories
6.Bereavement
7.Departure
8.Fade Away

スピード違反常習突進系メタルコアジャスティス。
今回もかましてくれました。
というか
(Graupelは)レベルの高い合格点を超えるライブをオールウェイズ出してくれる
バンドです。
ギターの音がギンギンに聴こえて来て、自然と血液が沸騰しました。
リフも泣きもリードもクリーンのアルペジオも全部しっかり届いていた印象です。
Graupelと明日の叙景ともにサポート(Gt)であるGenさんがプレイも音作りもお上手過ぎます。音がヌケるヌケる。そしてパワー。

4:明日の叙景

Setlist
1.土踏まず
2.歌姫とそこにあれ
3.遠雷と君
4.キメラ

バンドサウンドを形容すると激情感のあるポストブラックメタル/ブラックゲイズといった感じですかね。
2022年リリースのアルバム アイランド(Island)が各方面で超話題になっています。
もちろんチェックはしていましたが、僕らは個人的にはあまり刺さっていないバンドでした。
ただ!!
ライブは誰の目にも明らかなレベルでフェスNo,1のクオリティーでした。
特に外音のバランスが随一でした。
音源から勝手に想像するにライブバンドではないのかなと思っていましたが、真逆でした。
ライブ力、バンド力、表現力、再現力高すぎ。
"キメラ"の頃には勝手に体が動いていました。
まえがきで前述の通り、ギターが聴こえにくい環境の中でもしっかり聴こえました。わりと多彩なギターのサウンドメイク(クリーンもあり、歪みも独特)だったんですけどね。
ギターは両方完璧な音、バンドとして完璧な音でした。
海外でのライブも決まっているようですが、これだけライブ力が高いとどこで演っても、根こそぎ持っていける(ファン獲得)のポテンシャルしかないと思いました。

ライブが終わって「なんだかL'Arc〜en〜Cielを感じるね」ってカラス先輩とハモリました。笑

5:PROMPTS

Setlist
1.Face Me
2.Mobius
3.Black Pill
4.Tunnel Effect
5.Empty Sandglass
6.Asphyxiate

極悪メタルコア、ニューメタルコア。
特筆すべきは(Vo)PKさんのスクリームの安定感。
伸びやかで歪みの粒感にブレがなく、均一で美しい。
スクリームのバリエーションが非常に豊かで、ライブでも完璧に歌いこなす表現力。
デスいHigh、邪悪なウィスパー系、タフなMiddle、極悪なグロウル・ガテラル、リズミカルなラップ的スクリーム・ラップ…どれもパーフェクトでこの日は特に感動しました。
そして(Ba)PIGURIさんの歌うクリーンが以前よりも良くなっていました。(ピッチが)しっかり当たってる感が増してました。

6:DEXCORE

Setlist
1.THE DARK
2.BLACK PIG
3.REPLACE OUR SOULS
4.DRAGOUT.
5.THE LIGHT
6.Savior

(Vo)kagamiさんのMCでもありましたが「V系とメタルの溝」についてアツく話していました。
僕らも下記の動画で語った事あります。

ライブ終わった後にとあるメディアの方に「本当にV系に対する偏見ってあるんですかね?」と聞かれました。
答えは「確かに、あった(過去形)」だと思います。
リスナーも分けて聴いてる人はほとんどいない、少なくとも若い世代のメタルファンは区別してる人は全然居ないという肌感です。
ようやく「今日という日が来た」って感じです。
The War is Over…
もういいんだ。
僕らもV系以外に対してもさんざん同じ事を言って来ましたが、
もういい加減そういうのやめたいっすよね。

ライブは誰にも有無言わさぬクオリティーだったと思います。
ライブ後のメタルファンとの会話、僕のTwitter調査でもベストアクトに上げてる人がかなりいました。
特にV系らしい歌メロはピッチも完璧で、あのサビがV系たる所以ではあるけど(メタルイベントという事で意図的なのかこの日はサビ無しが多かったが)
「サビもっと聴きたい」と思ったのは僕だけじゃないはず。

7:THOUSAND EYES

Setlist
1.Day Of Salvation
2.Dead Blind Nightfall
3.Everlasting Trail
4.Bleeding Insanity
5.Bloody Empire
6.Garden Of Thorns

慟哭の騎士。メロディックデスメタルのタイラント。
煽りまくるバイオレンスなMCも好きですが、この日の(Vo)道元さんのメタル愛とメタルファンへの信頼と優しさに満ちたMCが良かったです。
要約すると楽しみ方は人それぞれで良いという事だったと思います。
その下りの後に
「お前ら暴れたかったら勝手にやれ」
そんなん言われたら。ねぇ?
と言わんばかりにフロアの熱は最高潮へ…
そして"Everlasting Trail"
イントロから胸を掻きむしってました。
あの瞬間は予定調和もなく、間違いなく真に盛り上がっていたと思います。
そして"Everlasting Trail"が染みてしまった僕は、比喩ではなく泣きました。
ジャンルや世代を超えて音楽が届く・伝わるのは感動します。
そして僕的世界最高峰のドラマー(Dr)YU-TOさんのプレイがヤバかったです。
ブラストビートや手数の多いフィルインはもちろんなのですが、(Dr)YU-TOさんの何がヤバいかって
普通のビートの気持ち良さなんですよね。もうシンプルなビートが気持ち良すぎて。そしてフォームの美しさたるや。例えるなら一流のスポーツ選手のような一糸乱れぬフォーム。
絶対にオーディエンスのノリ方を迷わせないバックビートの強さと安定感。
特にシンコペーションのビートの気持ち良さが際立っていました。

この時点でカラス先輩は店を開けるために帰宅。

8:a crowd of rebellion

Setlist
1.Hydrangea
2.M1917
3.She'll Never Forgive To Be Insulted.
4.If The Sunrise Dye This Room, Let's Drink It
5.Satellitear
6.O.B.M.A

まさかの1stと2nd EPからの初期曲大量選出!!
"M1917"以降の日本語フィーチャー邦ロックの良さがある曲も好きなのですが、初期のカオスクリーモ感もたまらないです。
当時まだ僕がバンドやっていた頃にHydrangeaがリリースされた時の衝撃が蘇りました。
ライブについてはライブ慣れ、というよりフェス慣れしているのをバチバチに感じました。
盛り上げ方がお上手。(vo)大作さんのライブ運びうまし。
同時にファンから愛されてるバンドだなと思いました。

ここらへんで僕は体力の限界に達しました。特に足。
完全に自分が悪いんですけど前日朝まで飲んだ挙句、この日は何も飯食べてないのもあり…栄養はメタルから取っている(つもり)

9:Ailiph Doepa

Setlist
1.My Goblin
2.Machu Picchu
3.Corn Flake
4.Mashed Potatoes
5.Exormantis
6.My right hand thumb is a Kraken

奇天烈でした。
曲を完全に覚えているほど聴き込んでなかったので、展開の多さにノリを掴めないまま終わりました。
a crowd of rebellionから引き続き祭り感のあるライブでした。
サビはエモいとかシブいとも違う不思議な歌心のあるクリーンが特徴的であり良さでもある。
音源は超ヘヴィなのですが、ライブはギター1本という事もあってか、極悪という感じではなかったです。

10:PHINEHAS

Setlist
1.Eternally Apart
2.Fleshkiller
3.Dead Choir
4.The Fire Itself
5.White Livered
6.Crowns
7.Thorns
8.In the Night
9.I Am the Lion

音圧の獣。
特にブレイクダウンの重圧は、体の中心にガツンと来るものがありました。
(Dr)Isaiah Perezさんのグルーヴがオンタイムより気持ち後ノリ・タメるタイプで非常に心地よかったです。モチモチしたグルーヴでしたね。
(Gt)Daniel Gaileyさんのギターもパワフルでした。ピッキングハーモニクスのエグさたるや。ディレイも良い感じに鉄でした。Crownsの泣きヤバかったです。
ギター片方は同期でしたが、全体のバランスとライブパフォーマンスも申し分ない超ハイクオリティーだったと思います。
入念なサウンドチェックの末あってという所ですかね。
これは小話ですが、昔バンドやっていた頃海外アーティストのリハで
Hz(ヘルツ)指定でのサウンドメイクをするバンドが多かったんですよね。
PHINEHASもおそらくそのレベル感でリハをやっていた気配がしました。
いかなる環境でもベストの音を作るプロ意識へリスペクト。
一点、苦言を呈すならクリーンボーカルがあまり良くなかったと思います。
ピッチスクリーム・シングスクリーム風なアツさはあったのですが、肝心のピッチが少し安定してないのがどうも気になってしまいました…

11:Imperial Circus Dead Decadence

Setlist
1.禊祓の神産は宣い、禍祓の贖罪は誓う。
2.邪神の婚礼、儀は愛と知る。
3.分裂した道化と≒発狂の修道女
4.黄泉より聴こゆ、皇国の燈と焔の少女。-殯-
5.天聲。

基本的にあまりネガティブな意見は発信したくないのですが、
ライブに行った人には周知の事実だと思うので率直に書きます。
トラブってました。おそらくリハの時点から。
なんとか開始されたもののボーカル2人とも聴こえず…ほぼインスト状態でした。
このバンドはシンフォニックさと台詞調の語りが重要な要素だと思うので…
トラブルはフェス・ライブにつきものですし、まえがきで前述の通りバンド側だけの責任ではありません。
しかし、レアなライブだけに残念でした。
それでもファンはフロアにたくさん居て、曲のシンガロング箇所にアツく呼応してました。
個人的には10代の頃より敬愛するブラストゴッドこと(Dr)Shuheiさんの高速スーパープレイが見れたので超満足です。ブラストと2beatのキレは1mmも衰えてない、どころか磨きがかかっていました。
ワンマンもやるそうなので消化不良だった方は是非。

12:SABLE HILLS

Setlist
1.CRISIS
2.THE ENVY
3.RECAPTURE
4.ON MY OWN
5.SNAKE IN THE GRASS
6.THE ETERNAL
7.THE PATH
8.EMBERS
9.THE CHOSEN ONE

もはや重鎮の風格。
Wacken Open Airでの快進撃を含めハードスケジュールなツアー後の集大成のようなライブでした。磨かれ、完成に近づいていると思います。
「死ぬ気でやってる」の言葉の説得力よ。
とにかくライブ力が凄まじい。エナジーに溢れたパフォーマンスでした。
外音のバランスも申し分なく、リードもリフもしっかり届いて来ました。
ギターヒーローがフィーチャーされない風潮が浸透して久しいように思いますが、"The Path"で(Gt)Rictさんがスポットライトに照らされてソロを弾き散らかす演出は胸アツでした。
個人的には(Dr)Keitaさんのすごさを再認識した日でもありました。
勢いよく突っ込む所は前ノリでブレイクダウンはタメて後ノリで、自由自在にグルーヴを使いこなす猛者。
鳴りも良くて、何処でライブを見てもめっちゃ音が良いドラマーなんですよね。

あとがき

「メタルの未来」とSABLE HILLSが認知され始めています。
この日感じたファンとバンドの熱がメタルシーンの未来に繋がって行くんだと確信しました。
彼らが言うようにFRONTLINE FESTIVALは一つの始まりに過ぎなく、
SABLE HILLSがこれからも国内外のメタルシーンの中心となり、牽引してくれる事でしょう。
出演アーティストはメタル/ヘヴィミュージックのみといえど、メタルの中でもジャンルレス、バラエティ豊かな音を楽しめる最高の一日でした。 
全世代どんなジャンルが好きなメタルファンも楽しめた祭りだったと思います。
マジでメタルに塗れた。お腹いっぱい。
フェスに冠された名前の通り、最前線のメタル/ヘヴィミュージックのバンドだらけでしたね。
僕らもこのラインのバンドを応援すべくこれからも活動頑張って行きます。モチベーションもらいました。
FRONTLINE FESTIVALで国内シーンのバンドが他にも気になった方は、是非僕らの動画も見てみて下さい。

次はKNOTFESTですね!!
Goodbye!!

written by くろちゃん


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