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023. トレーニングに暑熱セッションを組み込む

すべてのフィットネストレーニングと同様に、暑熱トレーニングは身体にストレスを与えるため、各セッションの後にはそれなりに回復が必要です。言い換えると、皆さんの総トレーニング負荷(総ストレス)に暑熱ストレスによる負荷・疲労も考慮する必要があります。
暑熱ストレスがトレーニングストレスに及ぼす影響について、一般的に同意された測定方法は存在していません。一方でトップコーチやアスリートの間では、暑熱ストレスに対する考え方について典型的なモノがあります。それは、トレーニング計画全体への(ネガティブな)影響・干渉を最小限に抑えながら、暑熱順化は獲得したい、というモノです。

長期に導入する

  • シーズンを通して暑熱順化トレーニングを行う場合、冬は2週間のヒートブロック(12回のヒートセッション)を行うのが一般的だ。ヒートブロック期を導入するメリットは、トレーニング強度は低く抑えつつ、暑熱負荷とリカバリーに集中することができる点にあります。そしてシーズン中は、週2~3回の暑熱セッションを行うだけで、暑熱順化の効果を維持することができます。

  • 暑いレースに向けて暑熱順化を行う場合:レース本番前の2~8週間を「追い込み期間」と設定して、トレーニング負荷が最も高くなる事はよくあります。もし、その期間に暑熱セッションを上乗せすると考えた場合、その分上昇する総ストレスに耐えられるか?を考慮する必要があります。よって、COREユーザーの多くは「追い込み期」の前に暑熱順化を終わらせ、「追い込み期」では単にメンテナンスの暑熱セッションを行う方法を選択しています。

  • 暑いレースに向けて、直前2週間のみ暑熱順化トレーニングを導入する方法もありま。ただ、暑熱順化トレーニングの経験が浅いアスリートにとって、この戦略は少しリスクが伴います。慣れていない暑熱ストレスのせいで、レース当日までに十分なリカバリーが出来ない可能性があるためです。

  • 暑熱順化トレーニングの経験があり、トレーニング量が多いアスリートにとっては、この2週間の取り組みで暑熱レースに対応する事も可能かもしれません。しかし、各個人に合ったやり方を確立するには、経験・試行錯誤が必要かもしれません。

レース前のテーパリング期

  • すでにしっかりと暑熱順化に対応しているアスリートの場合、多くのコーチのアドバイスは、重要なレースの前は週1~2回の暑熱セッションを実施し、最後の暑熱セッションはレースの3~5日前に実施する事を勧めるでしょう。生理学的に暑熱順化は、暑熱曝露(暑熱セッション)を行わないと1日ごとに2.5%の割合で失われる、とも言われています。

暑熱セッションの例

  • 暑熱セッションはたいてい、低負荷トレーニングと組み合わされます。つまりこれは、体温を上げる事が目的なのでパワーを高める(筋肉へのストレスを上げる)必要がない事を意味しています。

  • 1日に2つのワークアウトを行うアスリートには通常、2つ目のワークアウトで暑熱セッションを行うようにアドバイスしています。例えば、午前中に強度の高いインターバルを行い、午後の回復走として暑熱セッションを実施します。

  • 他の工夫として、高強度セッションと暑熱セッションを組み合わせる方法があります。高強度セッションが終わったら、(体温が高い状態を維持する目的で)ウェアを追加し、扇風機を止め、強度を下げて低~中負荷まで下げて持久トレーニングを暑熱セッションとして行います。ただし、ワークアウト全体として高い累積疲労を引き起こす可能性があるので、注意してください。

  • 単純にロングライドやロングランの最後の1時間だけ、ウェアを追加して暑熱セッションに切り替える方法もあります。

  • 暑熱セッション(運動)とサウナを組み合わせる方法もあります。インドアトレーナーやトレッドミルで運動して体温を上げ、その後すぐにサウナや熱めの入浴を行います。この方法では通常のトレーニングより筋力疲労を抑える効果も期待できます。

各暑熱セッションについて

各セッションでは、ちょっとした工夫をすることで、過剰な疲労を引き起こすことなく暑熱順化を行う事が出来ます。

  • 上記の表を参考にHeat Zoneについて、ご自身に適したゾーンを把握してください。

  • 典型的な暑熱セッションでは、Heat Zone 3で45~60分行います。Heat Zone 3で90分を超えると、大きな疲労を引き起こす可能性があるので注意してください。

  • 自身の適正な暑熱トレーニングゾーンを把握仕手いる場合を除き、深部温度39.5℃または暑熱負荷インデックス7.0は超えないようにしてください。

  • 暑熱セッション中および終了後は、十分な水分補給を行って下さい。発汗量を把握する事は水分補給の目安になりますので、自身の発汗量を測定することをお勧めします(セッション前後の体重差とセッション中の水分補給量を合計すると発汗量が計算できます。)

  • 体調不良を感じたら直ぐに運動を中止してください。めまい、吐き気、しびれ、筋肉のけいれん、頭痛、など熱中症に関わる症状が現れた場合は、必要に応じて医療専門家にご相談ください。

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