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☆☆カタールW杯注目選手〜グループG〜☆☆

カタールワールドカップの注目選手シリーズ、今回はグループGを見ていきましょう。

○グループG
・ブラジル(22大会連続22度目)世界ランク1位
・スイス(5大会連続12度目)世界ランク16位
・セルビア(2大会連続13度目)世界ランク25位
・カメルーン(2大会ぶり8度目)世界ランク38位

ブラジル、スイス、セルビアという前回大会でも同じグループに入った3チームが再び同居しています。先のグループDも然り、4チーム中3チームが2大会連続で同じ組み合わせになるのは、史上初だそうです。しかも2グループも。
前回はブラジルとスイスが決勝トーナメントに進出しましたが、今回はどんな展開が待っているんでしょうか。
特にリベンジに燃えるセルビア代表や、2大会ぶりのカメルーンも注目すべき選手が多くいるので、こちらも楽しみです。
グループリーグ突破が有力視されているのは、やはり世界ランク1位のブラジル代表です。全てのポジションに質の高い選手を揃えたサッカー王国に、他の3カ国がどこまで喰らいつけるかが注目ですね。
それでは、グループGの注目選手を見ていきたいと思います。

○ブラジル(22大会連続22度目)世界ランク1位

言わずと知れたサッカー王国であるブラジル代表。これまで開催された全てのワールドカップに出場している唯一の国であり、優勝回数も最多の5回を誇る、まさに王国です。
しかし、ブラジル代表が最後にワールドカップ 優勝を果たしたのは2002年の日韓大会であり、それから20年もの月日が流れています。
ここ4大会は決勝にも進めず、自国開催となった2014年大会は、準決勝でドイツ代表に1-7の記録的大敗を喫するなど、ブラジル代表はなかなか本大会で満足のいく結果を出せませんでした。
ですが、今回のブラジル代表は一味違います。攻撃も守備も、あらゆる面において隙のないチームに作り上げられており、熾烈な南米予選を無敗で通過しています。世界ランクは堂々の1位となり、大きな期待が寄せられています。
予選の段階から様々な選手や戦術を試してきており、有望な若手と経験豊富なベテランを上手く組み合わせたチームのクオリティには、どんどん磨きがかかっています。
20年ぶりのワールドカップ優勝に向けて、「セレソン」がどこまで突き進めるか、とても楽しみですね。
では、ブラジル代表の注目選手を見ていきましょう。

・ネイマール(パリ・サンジェルマン/フランス FW 30歳)

ブラジル代表といえば、ネイマール。ブラジルのみならずサッカー界を代表するスーパースターの一人です。パリ・サンジェルマンでもブラジル代表でも攻撃の絶対的な主力となっています。今年のパリ・サンジェルマンの日本ツアーでは、チームメイトのマルキーニョスらと共に来日して、日本のサッカー界を盛り上げました。
ネイマールについては、以前このnoteでも紹介したように、敬虔なクリスチャンでも知られています。
(下記の記事も併せてご覧ください。)

https://note.com/corea_32914/n/n6d0ba5ea9fbb

ネイマールは、ブラジル人らしく、非常に高いテクニックを持っています。
まずはドリブル。ボディフェイントやダブルタッチを駆使して、相手の逆をつくドリブルは、ネイマールの得意なプレーです。スピードも優れているので、対峙する相手は何もできずにあっという間に抜かれてしまうことが多いです。
また、キックの精度も非常に高いので、フリーキックからの得点も多いですね。パスのセンスにも優れており、センターフォワードだけではなく、1列下がって攻撃的MFを担うことも多いです。トラップの技術も非常に高く、視野が広いため、どこにボールを落とすべきかをしっかりと分かってトラップしています。
非凡なテクニックと得点力を兼ね備えた万能アタッカーであるネイマール。彼のプレーがまたワールドカップで見られることが楽しみですね。

・ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード/スペイン FW 22歳)

ブラジル代表の今後を担う逸材、ヴィニシウス・ジュニオール。
レアル・マドリードの主力として、昨シーズンのリーグ及びチャンピオンズリーグでの優勝に大きく貢献しました。特にチャンピオンズリーグの決勝のリバプール戦では、値千金の決勝ゴールを決めて、レアルの優勝の立役者となりました。
ヴィニシウスの主なポジションは左のウイングやサイドハーフです。彼の特徴は何と言っても、非凡なドリブルテクニックです。
ブラジル人らしく、様々なテクニックを駆使して相手の意表を突くこともできますし、スピードも相当に速いため、彼のドリブルを止めるのは至難の業でしょう。特に初速と加速度が速いため、少しでも対応が遅れたらあっという間に抜かれてしまいます。縦に抜くことも、中にカットインすることもできるため、相手からすれば対応が非常に困難です。そして、シュートの意識も高く、隙あらばゴールを狙ってくるので、相手からすれば恐ろしい存在です。
若くして注目され、それに応える結果も出してきたヴィニシウス。初のワールドカップで更なる飛躍を遂げられるか、注目ですね。

・リシャルリソン(トッテナム/イングランド FW 25歳)

ブラジル代表の主力アタッカーであるリシャルリソン。昨年の東京オリンピックで、ブラジル代表を金メダルに導き、自身も得点王となっています。
イングランドプレミアリーグのエヴァートンで頭角を表し、今シーズンからは強豪トッテナムでプレーしています。
主なポジションはセンターフォワードですが、前線のポジションはどこでもこなすことができます。
リシャルリソンも、非凡なテクニックとスピードが武器のアタッカーです。スピードに乗ったドリブルで相手ディフェンスを崩していき、カットインで相手ゴールに迫ったり、クロスでチャンスを作り出したりします。
更に、プレミアリーグでも十分に通用するフィジカルの強さもあります。相手に当たられてもそう簡単には倒れないです。
身長は184cmと、センターフォワードとしては普通のサイズですが、打点の高いヘディングなどで空中戦にも強く、様々な形でゴールを奪うことができます。
ボールを持てば仕事してくれるリシャルリソン。彼がワールドカップでどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみですね。

・ルーカス・パケタ(ウェストハム/イングランド MF 25歳)

ブラジル代表で不動の中盤に定着したルーカス・パケタ。
母国の名門フラメンゴで注目され、イタリアのミランに移籍したものの、ミランでは活躍できませんでした。その後、フランスの名門リヨン に移籍すると、その才能が開花し、瞬く間に主力に上り詰めました。その実力が認められ、今シーズンからはイングランドのウェストハムにクラブ史上最高額で加入しました。
パケタの主なポジションは攻撃MFですが、セントラルMFやウイングも経験しています。
パケタは非常にテクニックに優れた選手であり、高いボールコントロール能力と、豊富なアイデアで、チームの攻撃を活性化させることができます。スピードで相手を抜くタイプではなく、相手が当たってくる力を利用して、それを受け流して様々なテクニックで抜き去る選手です。そして、視野が広いため、的確なパスを繰り出すこともできます。前線にボールを送るだけでなく、左右に振って相手を揺さぶることもできます。高いテクニックと創造力、視野の広さを併せ持った選手ですね。
ワールドカップでも、そのテクニカルなプレーで観客を魅了してほしいですね。

・フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド MF 29歳)

ウクライナのシャフタール・ドネツクで頭角を表し、現在はマンチェスター・ユナイテッドで活躍するフレッジ。ブラジル代表でも中盤の主力に定着しています。
主なポジションはセントラルMFであり、守備的MFにもよく入ります。
フレッジの大きな特徴は、運動量と献身性です。身長は169cmと、そこまで大きくないですが、それを補う豊富な運動量でピッチを動き回り、攻守に渡ってチームに貢献します。そのプレースタイルから、フランス代表のエンゴロ・カンテとよく比較されます。
特に守備では大きな貢献をしているフレッジですが、パスのセンスもなかなかのものであり、積極的に前に上がるプレーもよく見られます。
ブラジルの中盤の働き者、フレッジの活躍にも期待大ですね。

・カゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド MF 30歳)

ブラジル代表の守備的MFで忘れてはいけないのが、このカゼミーロ。長きに渡りレアル・マドリードのアンカーとして活躍し、様々なタイトル獲得に貢献してきました。今シーズンから、マンチェスター・ユナイテッドに移籍していますが、主力選手の突然の移籍に驚いたレアルのファンもたくさんいました。
カゼミーロは、フィジカルが非常に優れており、スペインリーグでは屈指の強さを誇っていました。球際に強く、相手にガンガン身体を当ててボールを奪い取ります。カゼミーロは、相手との間合いの取り方が上手い選手で、相手が自分のテリトリーに入った瞬間に、一気にボールを掻っ攫うことができます。
更に、空いたスペースのカバーリングも上手い選手であり、相手に攻撃の隙を与えません。味方が危険な時には、ファールでプレーを止めたりするなど、危機察知能力に優れています。
代表でもクラブでも、重要な役割を担うカゼミーロ。その縁の下の力持ちとしてのプレーにも期待が高まりますね。

・チアゴ・シウバ(チェルシー/イングランド  DF 38歳)

ブラジル代表で長くキャプテンを務めていた大ベテランであるチアゴ・シウバ。
ブラジル代表の最終ラインの要であると共に、チームの精神的な柱でもあります。
主なポジションはセンターバックです。
チアゴ・シウバは身長183cmと、センターバックとしては小柄ですが、それを補えるほどの読みの鋭さや身体能力が大きな特徴です。
パスの受け手を潰すことに長けており、試合の中でもたくさんインターセプトをしています。そして、キックの精度も良いため、守備から攻撃への切り替えにも大きな役割を果たしてくれます。自ら得点を決めるのも多く、センターバックながらほぼ毎シーズン得点しています。
守備でも攻撃でも、頼もしい存在です。
年齢的にも、今回が最後のワールドカップとなる可能性も高いため、チアゴ・シウバがどのようなプレーを見せてくれるのか、楽しみですね。

・マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/フランス DF 28歳)

ブラジル代表の不動のセンターバックを務めるマルキーニョス。フランスのスター軍団であるパリ・サンジェルマンでも活躍しています。
センターバックの他に、守備的MFや右サイドバックでもプレー可能であり、かなりユーティリティな選手ですね。
身体能力がかなり高く、スプリント力や跳躍力で空中戦にも強く、対人戦にもめっぽう強いです。更に、足元の技術にも優れているため、味方のビルドアップにも関与し、精度の高いパスを出すこともできます。
万能なDFであるマルキーニョスの活躍にも期待ですね。

・アリソン・ベッカー(リバプール/イングランド GK 30歳)

ブラジル代表の正守護神を務めるアリソン。
世界最高のゴールキーパーの一人とも言われています。
以前このnoteでも紹介したことがありますが、敬虔なクリスチャンであることも知られています。
(下記の記事も併せてご覧ください。)

https://note.com/corea_32914/n/nbc10b59b24b5

こちらの記事にもある通り、アリソンの特徴は冷静沈着な対応です。相手のシュートへの反応はもちろんのこと、ボールを弾き返す場所も適切で、相手や味方の配置をよく見ています。
ポジショニングが非常に優れているため、難しいシュートも難なく止めることができます。いざという時は躊躇なく前に出て、相手のシュートを止めることもあります。足元の技術にも優れており、キックフェイントなども上手いです。
現代のゴールキーパーに必要なあらゆる能力を備えたアリソン。ブラジル代表の守護神として活躍が期待されますね。

・エデルソン・モラレス(マンチェスター・シティ/イングランド GK 29歳)

欧州有数の強豪であるマンチェスター・シティの守護神を務めるエデルソン。
ブラジル代表ではアリソンに守護神の座を奪われていますが、エデルソンも世界トップクラスのゴールキーパーと言われています。
キーパーの中でも、足元の技術にも大変優れているのが特徴です。シュートを止める他にも、パスの精度を高くして味方のビルドアップを助ける現代型ゴールキーパーの代表格でもあります。
エデルソンはキックの精度も非常に高く、中盤の空いたスペースに正確にキックでボールを送ることができます。シティでも、中盤や前線の選手に直接パスを送ることができ、ボールを保持して優位にゲームを進めるのに大きな役割をかっています。
そして、当然シュートストップ力も高いです。
ゴール前で果敢に前に出て、相手のシュートコースを消しますし、ハイボールの処理も申し分なく行なえるので、味方からすればとても安心感のあるキーパーです。
(こんなすごいキーパーが控えなんて、勿体無すぎですね。今からでも日本国籍取って日本代表に来てくれないかな。)
アリソンの壁を超えてワールドカップでピッチに立つのは難しいかもしれませんが、エデルソンのプレーも楽しみにしておきましょう。

○スイス(5大会連続12度目)世界ランク16位

前回大会では、ベスト16に進出したスイス代表。世界的なスター選手は不在であるものの、各ポジションに実力者を備えたチームです。
今回のワールドカップ予選では、EURO王者のイタリア代表を退けてグループを1位で通過するなど、チームとしての実力は十分です。陣容的には過去最高の順位であるベスト8を超える可能性もあります。
やや得点力不足なのが気になるところですが、本大会までにどこまで修正できるかが、上位進出の鍵となりそうです。
それでは、スイス代表の注目選手を見ていきましょう。

・ブレール・エンボロ(ASモナコ/フランス FW 25歳)

現スイス代表の前線の主力として活躍するエンボロ。母国の名門バーゼルからドイツのシャルケ、ボルシアMGを経て、今シーズンからフランスリーグのモナコでプレーしています。
主なポジションはセンターフォワードであり、一列下がった攻撃的MFや右ウイングもこなすことができます。
エンボロは高さと速さを兼ね備えたフォワードです。身長187cmの高さとガッチリした体格を生かしたフィジカルコンタクトの強さが特徴です。そして、この体格でスピードも相当に速いので、相手ディフェンスの背後を取る動きが得意です。味方からのボールへの反応も早く、確実にボールに合わせてシュートを打つことができます。当然身長が高いので、浮き球にも上手く合わせられます。ポストプレーも得意であり、前線でボールを収めて攻撃の起点になれます。
スイス代表のエースとして、ワールドカップでも活躍できることに期待ですね。

・グラニト・ジャカ(アーセナル/イングランド MF 30歳)

スイス代表で長く活躍してきており、チームのキャプテンを務めるグラニト・ジャカ。
プレミアリーグの強豪アーセナルでも主力として活躍しています。
主なポジションは中盤の底である守備的MFですが、たまに左サイドバックなど最終ラインの選手として出場します。
ジャカの大きな武器は、左足からのキックの精度です。長短のパスはもちろん、セットプレーでも高精度なキックをすることができます。
そのパスセンスでゲームメイクを担い、時には強烈なミドルシュートでゴールを決めることもできるなど、まさにスイス代表の大黒柱として活躍しています。
また、チームのために献身的に動くことができ、守備でもチームに貢献できます。
スイス代表の要であるジャカのプレーが、今から楽しみですね。

・ジェルダン・シャキリ(シカゴ・ファイアーFC/アメリカ MF 31歳)

スイス代表の攻撃に欠かせない選手であるシャキリ。これまでバイエルン・ミュンヘンやインテル、リバプール、リヨンなどの名門を渡り歩き、昨シーズン途中からアメリカのシカゴ・ファイアーに加入しています。
クラブでは欧州から離れてしまったシャキリですが、スイス代表では中盤と前線を繋ぐ重要な役割を担い、主力として活躍しています。
シャキリは身長は169cmと小柄ながら、抜群に強いフィジカルを持っています。鍛え上げた肉体は、ラグビー選手としても通用しそうです。そのガタイとは裏腹に、柔らかいボールタッチと良いコントロールで、華麗なドリブルを見せてくれます。小柄な身体を生かした、重心が低く相手の逆を上手くつくドリブルが得意です。裏への飛び出しも非常に上手く、相手からしたらすごく嫌なタイミングで飛び出してきます。キックの精度も良いため、コースを突いた技アリなシュートも放つことができます。
今大会も、スイス代表の主力として活躍してくれたら嬉しいですね。

・レモ・フロイラー(ノッティンガム・フォレスト/イングランド MF 30歳)

イタリアの強豪アタランタで台頭し、今シーズンからプレミアリーグの昇格組であるノッティンガム・フォレストに加入したフロイラー。
フロイラーは主にセントラルMFを務める選手であり、ピッチ上をとにかく動き回り、タックルで相手のチャンスを潰したり、ボールを動かしてチームの攻撃を活性化させたりと、多くの役割をこなす選手です。戦術理解度も高く、その場に応じて的確なプレーを選択できます。
先に紹介したジャカと同じく、スイス代表の中盤の要となっています。
彼の出来がスイス代表の出来を左右することもあるので、フロイラーの活躍にも注目ですね。

・マヌエル・アカンジ(マンチェスター・シティ/イングランド DF 27歳)

スイス代表の最終ラインに欠かせない存在であるアカンジ。
ドイツのドルトムントで頭角を表し、今シーズンからマンチェスター・シティに加入しています。
主なポジションはセンターバックです。身長187cmと、センターバックとしては十分なサイズであり、身体能力も高いため、空中戦にも長けています。
彼の特徴は、俊敏性を生かしたディフェンスです。対峙する相手に負けないスプリント能力で、たとえ抜かれたとしても追いつくことができます。タックルでボールを奪うのも得意であり、一対一にはかなり強いDFです。
また、危険察知能力も高いため、相手が攻める前にポジションに入っていることも多いです。カバーエリアも広いため、相手からすればかなり厄介なDFでしょう。
今回のワールドカップでも、スイス代表の最終ラインを支えてくれることに期待ですね。

・ヤン・ゾマー(ボルシアMG/ドイツ GK 33歳)

スイス代表の絶対的守護神を務めるゾマー。
優秀なGKが数多くいるドイツのブンデスリーガでも屈指のキーパーと言われています。
昨年のEUROでは、スイス代表がフランス代表相手に大金星を上げた時の立役者となり、その評価を更に高めました。
ゾマーは身長183cmと、欧州のキーパーの中では小柄な選手です。しかし、それを補って余りある身体能力と、最適なポジションを調整できる優れた敏捷性で、抜群のシュートストップ力を発揮します。
更に、キーパーとしては足元の技術もかなり高く、現代のゴールキーパーに求められるビルドアップへの参加も問題なくこなしており、味方への的確なパスや、ロングボールでのチャンス創出などにも関わります。
セービングも足元の技術にも優れたゾマーのプレーにも、注目ですね。

○セルビア(2大会連続13度目)世界ランク25位

2大会連続のワールドカップ出場を勝ち取った、東欧の強豪セルビア。しかし、前回大会ではグループリーグ敗退を喫し、昨年のEUROでは予選敗退に終わり本大会出場を逃すなど、なかなか国際大会で結果を出せずにいます。
それでも、選手の質に関してはかなりのものであり、前回のリベンジというモチベーションもあると思うので、今大会では躍進する可能性もあります。
そして、監督はもと名古屋グランパスで選手も監督も務めた「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチ氏。日本とも縁の深い監督が率いるチームです。
ピクシー率いるセルビアは、果たして今大会の台風の目となれるか、期待大ですね。
それでは、セルビア代表の注目選手を見ていきましょう。

・ドゥシャン・ヴラホビッチ(ユヴェントス/イタリア FW 22歳)

今のセルビア代表で最も注目されている選手が、ドゥシャン・ヴラホビッチです。
母国の名門パルチザンでデビューし、イタリアのフィオレンティーナで一気に注目されるようになり、今シーズンからイタリアの強豪ユヴェントスに加入しました。
主なポジションはセンターフォワードであり、身長190cmの長身とパワーを併せ持つストライカーです。懐の深いボールキープやポストプレーが得意であり、前線で攻撃の起点となります。また、サイドからのドリブル突破もできるため、相手ディフェンスからすれば非常に厄介な選手です。利き足である左足からの強烈なシュートや、高さを生かしたヘディングなど、様々なゴールパターンを持っており、シュートも正確であるため、クラブでも代表でもゴールを量産しています。
その高さやプレースタイルから、スウェーデン代表のレジェンドであるズラタン・イブラヒモビッチに例えられています。
「セルビアのイブラヒモビッチ」が、初のワールドカップでどこまで活躍できるか、とても楽しみですね。

・アレクサンダル・ミトロビッチ(フラムFC/イングランド FW 28歳)

セルビア代表で40得点以上をマークしており、同国史上最多得点記録を保持しているミトロビッチ。昨シーズンはイングランド2部のフラムで44得点という驚異的なゴール数を記録し、2部の得点王に輝き、チームの1部昇格の立役者になりました。
ミトロビッチの主なポジションはセンターフォワードです。身長187cmの体格を生かしたポストプレーが強みであり、ヘディングもトラップも上手く、ボールの落とし所も良いため、ポストプレーヤーとしては完璧と言えます。
フィジカルの強い選手が多いイングランドでも、そのフィジカルの強さはかなりのものであり、実際今シーズンはイングランド1部でも十分通用しています。
代表ではヴラホビッチと競合する形になるかもしれませんが、イングランドで強烈な活躍をしているミトロビッチがカタールの地でも輝かしいゴールを決められるか、期待大ですね。

・ドゥシャン・タディッチ(アヤックス・アムステルダム/オランダ FW 33歳)

オランダの名門アヤックスで活躍を続けるベテランフォワードであるタディッチ。
セルビア代表でもコンスタントに活躍してきたアタッカーです。
主なポジションは左右のウイングですが、トップ下もこなせるので、攻撃的なポジションは一通り可能です。
タディッチはアタッカーとして必要なあらゆる能力を兼ね備えたオールラウンダーです。まず彼の特徴は、テクニカルなドリブルです。ボールタッチやトラップが非常に上手く、細かいタッチのドリブルで相手を翻弄して抜くのが得意です。そして、視野がとても広く、的確な場所にパスを出すセンスに優れています。攻めのアイデアも豊富なので、攻撃に違いを生み出すことができます。
ベテランになってもまだまだ衰えを知らないタディッチ、ワールドカップでの活躍も楽しみですね。

・セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ(ラツィオ/イタリア MF 27歳)

イタリアの強豪ラツィオで活躍しているセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ。セルビア代表の中盤には欠かせない選手の一人です。
主なポジションはセントラルMFであり、攻撃的MFもこなすことができます。
身長191cmと、中盤の選手としてはかなりの長身であり、それを生かしたポストプレーも得意です。高さと強さがあるので、ボールを受けて攻撃の起点になることができます。そして、キックの精度も良いため、パスをうまく捌くことができる選手です。相手の守備の後ろにロングボールを繰り出すこともできます。まさに、大っきくて上手い選手ですね。
更に、オフザボールでも良い動きをすることができ、味方の動きに合わせて前線に飛び出してロングボールを頭で味方に落とすこともできます。攻撃において強みがたくさんある選手ですね。
そして、得点力もかなり高く、2017-18シーズンはセリエAで2桁得点を達成するなど、中盤の選手としては十分な得点力を持っています。
ミリンコビッチ=サビッチの中盤での活躍に期待ですね。

・フィリップ・コスティッチ(ユヴェントス/イタリア MF 29歳)

ドイツのフランクフルトで、日本代表の鎌田大地や長谷部誠らと共に、ヨーロッパリーグ優勝の立役者となったコスティッチ。その活躍が認められ、今シーズンからはユヴェントスへとステップアップを果たしています。クラブでも代表でも欠かせない選手として活躍しています。
主なポジションは左サイドハーフやウイングです。コスティッチは卓越したテクニックと敏捷性、創造性を武器にして、左サイドから数多くのチャンスを作り出す選手です。
特に細かいステップのドリブルはかなりの速さであり、一気にサイドをドリブル突破できます。相手のプレスを剥がすのが上手く、ワンタッチで相手を抜くタイミングが抜群です。
更に、パスも長短使い分けることができるので、味方のゴールを多数アシストしています。
そして、運動量も豊富であり、1試合通してピッチを上下することができます。
スピードもテクニックもスタミナも優れた万能MFであるコスティッチの活躍にも期待ですね。

・ニコラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ/イタリア DF 25歳)

セルビア代表の期待の若手DFであるミレンコビッチ。イタリアの名門フィオレンティーナで活躍を続けています。
主なポジションはセンターバックであり、右サイドバックもこなすこともあります。
ミレンコビッチは195cmの恵まれた体格を持っており、空中戦にも強い選手です。
その体格とは裏腹に、ガツガツとボールを奪うタイプではなく、相手との駆け引きに長けたタイプです。相手の動きを見極め、最適なタイミングでボールを刈り取ることができます。身体の強さに加えて、賢さまで備える選手ですね。
様々なビッグクラブが獲得を狙っていると言われているミレンコビッチ。カタールの地でさらにその評価を高められるか、要注目ですね。

○カメルーン(2大会ぶり8度目)世界ランク38位

アフリカ予選では、強豪コートジボワールやナイジェリアを退けて、2大会ぶりの本大会出場を果たしたカメルーン代表。
欧州主要リーグで活躍するタレントも多いですが、チームには家族のような一体感があるのも強みです。特に守備はかなり固く、強豪との試合でも大崩れする可能性は低いと見られています。
前線にもシュポ・モティングのようなタレントがいるので、守備だけでなく攻撃にも注目ですね。
それでは、カメルーン代表の注目選手を見ていきましょう。

・マキシモ・シュポ・モティング(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ FW 33歳)

カメルーン代表のエースとして活躍するシュポ・モティング。
ドイツのハンブルガー生まれであり、ドイツ、イングランド、フランスのクラブを経て、現在はドイツ王者のバイエルン・ミュンヘンで活躍しています。
主なポジションはセンターフォワードですが、ウイングでもプレーできます。
身長191cmという長身を生かしたキープ力が持ち味です。体格だけでなく、足元の技術にも優れているため、前線でボールを収めて味方の攻撃の起点となることもできます。そして、ウイングとしてもプレーしていたので、ドリブルの推進力もあります。
スピードは並ですが、後ろから走り込んで味方のクロスに合わせるのが上手いので、カウンターやセットプレーでも力を発揮できます。
フォワードとしては万能型とも言えますね。
ワールドカップでもカメルーン代表の攻撃を牽引して活躍してくれるのが楽しみです。

・カール・トコ・エカンビ(オリンピック・リヨン/フランス FW 30歳)

フランスの名門リヨンで主力として活躍するトコ・エカンビ。こちらもカメルーン代表には欠かせないアタッカーです。
フランスのパリ生まれであり、フランス国内のクラブやスペインを経て、現在はリヨンに所属しています。
主なポジションはセンターフォワードや左ウイングです。スピードや豊富な運動量が持ち味の選手であり、185cmと大柄な体格にも関わらず、かなり俊敏に動き回ることができます。
そのスピードを生かして、相手ディフェンスの背後を取る動きが得意です。ボールを奪ってからのカウンターはかなり強力です。
味方のボールにワンタッチで合わせてゴールを決めるのが得意であり、長い脚と身体能力によるリーチの長さは大きな強みです。
ワールドカップでも前線で活躍してくれることに期待ですね。

・ヴァンサン・アブバカル(アル・ナスル/サウジアラビア FW 30歳)

18歳からカメルーン代表として活躍しているアブバカル。同国代表では、キャプテンも務めています。フランスやポルトガルのクラブで活躍しており、現在はサウジアラビアのアル・ナスルに所属しています。
アフリカ系らしいフィジカルの強さが持ち味であり、なおかつ足元のテクニックもあります。そのパワーをフル活用したドリブルでボールを持ち上がり、足元のテクニックを生かしてゴールを決める重戦車のような選手です。身長も184cmと高く、空中戦にも強いです。
自身3度目のワールドカップとなる今大会では、どのようなプレーを見せてくれるのか、今から楽しみですね。

・アンドレ・フランク・ザンボ・アンギサ(ナポリ/イタリア MF 26歳)

カメルーン代表の中盤の主力であるザンボ・アンギサ。所属するイタリアの強豪ナポリでも、欠かせない選手として活躍しています。
主なポジションは守備的MFです。
アフリカ系らしく、屈強なフィジカルが持ち味であり、ボール奪取力やキープ力に長けています。また、足元の技術も高く、推進力のあるドリブルやロングフィードでの展開力にも優れています。
おまけにパスも上手く、味方の攻撃の組み立てにも関与しています。
フィジカルもテクニックにも優れたザンボ・アンギサの活躍が楽しみですね。

・アンドレ・オナナ(インテル/イタリア GK 26歳)

カメルーン代表の守護神を務めるオナナ。オランダの名門アヤックスで長くゴールを守り続け、チームのチャンピオンズリーグベスト4進出にも貢献し、一気に評価を高めてきました。
身長187cmと、キーパーとして十分なサイズもあり、身体能力にも優れています。特に反射神経はとても良く、果敢な飛び出しでチームを救うセーブを見せてくれます。運動量もあり、守備範囲もかなり広い選手です。
そして、オナナはキックの精度も高いです。アヤックスの前はスペインのバルセロナの下部組織にいたので、足元の技術もかなり磨かれてます。チームのビルドアップに多大な貢献をしており、味方の攻撃の組み立てにも関わります。ロングキックの精度も良いので、相手を一気に押し込むロングフィードでも違いを作れる選手です。
オナナのワールドカップでの活躍が楽しみですね。

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