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【成長戦略立案フレームワーク】アンゾフの成長マトリクスの解説と適用例

プロローグ

このまま既存事業を続けていても、飛躍的な成長は望めない、とはいえ既存事業の改善や新しい事業を企画するには、どのように考えていけばいいかわからない、ということはあるでしょう。

このようなときに、使い古されてはいても、まずは定番のフレームワークを活用することで、議論の出発点・たたき台の案を創り出すことが容易になります。

使い古されたフレームワークであっても、活用価値が有ることは、下記にも記載しました。


アンゾフの成長マトリクスの解説

アンゾフの成長マトリクスは、企業の成長戦略を検討する際に活用できる有用なフレームワークです。古くから使われているので、当フレームワークを用いた検討案を提示すれば、「あぁ、またアンゾフの成長マトリクスか、相変わらず芸がないねぇ。でも、議論の出発点としては抑えておくべき視点だよね。」ぐらいには相手に思ってもらえます。

当フレームワークは、2軸のマトリクスで考えます。

1軸目:
1.市場
1-1.既存市場
1-2.新規市場

2軸目:
2.自社の製品・サービス
2-1.既存製品・サービス
2-2.新規製品・サービス

レストラン経営に例示して図解すると下記になります。

アンゾフの成長マトリクス概念
レストラン経営での例示


アンゾフの成長マトリクスをどのように活用するか?

ここまでは、フレームワークを使うと、自社の成長戦略を検討する視点が容易に導出できる、という話でした。では、実際にどのような方向性を取ればいいのでしょうか?

「市場浸透」「市場開拓」「製品開発」「多角化」それぞれの戦略を取る上での注意点を図解したものが下記です。

アンゾフの成長マトリクス
自社にとって最適な戦略は?


1.市場浸透
他社との競争が激しく、かつ付加価値をつけての差別化が難しいケースは、市場浸透は難しいでしょう。この部分は、やれることはすでにやっているよ、というケースが多いでしょう。

2.新市場開拓
新しい顧客層が開拓できるなら、製品・サービスは既存のままでいいため、低リスクでの成長が見込めます。下記フレームワークも活用して、既存製品・サービスのままで、新規顧客・市場開拓できるか検討するのがいいでしょう。



3.新製品・サービス開発
新製品・サービス開発には時間とコストを要します。市場ニーズや競合状況を十分に調査してリスク低減するだけでなく、開発プロセスを効率化し、短期間で市場投入できるようにすることも重要です。

基本となる機能は必要最小限に絞り込み(Base)、他の機能はオプションとする、カスタマイズは受けない、という戦略で、新規製品・サービス企画戦略を検討するフレームワークは、下記です。

当戦略は、既存顧客への流通チャネルを活用できるという利点もあります。


4.多角化
市場もサービスも両方新規であるため、失敗するリスク大です。野球であれば、一発逆転ホームランを狙って、大振り三振する感じでしょう。
まずは、2.新市場開拓3.新製品・サービス開発の内、難易度が低い方を選択するのが、筋が良い初期仮説になると考えます。

サマリ

アンゾフの成長マトリクスを使えば、自社の成長戦略を考える視点を得ることができます。使い古されたフレームワークでも、議論の出発点にはなります。

1.市場浸透はすでに施策をやり尽くしているでしょうし、4.多角化はロマンがありますがリスク大のため、まずは2.新市場開拓か3.新製品・サービス開発の内、難易度が低い方を選択するのが、筋が良い初期仮説になるでしょう。


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企業の成長戦略でイメージ


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