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【トリニティ】コンサルタントが活用する戦略立案フレームワーク

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コンサルタントが活用する戦略立案フレームワークの説明記事をまとめます。
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記事一覧

「キーエンス解剖」に学ぶ”最強の営業”

プロローグ国内トップ3の時価総額(14.5兆円)、上場企業で屈指の高賃金(社員平均年収2183万円)、メーカーとして脅威の利益率(売上高営業利益率:55.4%)のキーエンスは、なぜ最強企業として君臨できているのでしょうか? 下記参考文献よりベンチマーキングしたので、記載します。 ※参考文献 攻めの文化と価値を生む仕組み自社の工場に設置してある設備・機械が故障したら、修理対応を依頼する相手は、当然購入元のメーカーになるでしょう。しかし、購入元メーカーよりも先に、キーエンスの

【成長戦略立案フレームワーク】アンゾフの成長マトリクスの解説と適用例

プロローグこのまま既存事業を続けていても、飛躍的な成長は望めない、とはいえ既存事業の改善や新しい事業を企画するには、どのように考えていけばいいかわからない、ということはあるでしょう。 このようなときに、使い古されてはいても、まずは定番のフレームワークを活用することで、議論の出発点・たたき台の案を創り出すことが容易になります。 使い古されたフレームワークであっても、活用価値が有ることは、下記にも記載しました。 アンゾフの成長マトリクスの解説アンゾフの成長マトリクスは、企業

【自社の競争優位性分析フレームワーク】VRIO分析解説

プロローグ戦略立案のためのフレームワークは、SWOT/3C+3S/STP+4P/5Force等数多くあります。真実に至る道は一つではありませんし、分析対象が同じであっても、異なる分析手法を用いるほうが、検証を行える仮説が増えるので、より早く正解にたどり着けるでしょう。 この意味で、使える分析フレームワークの数を増やしておくことは有用です。仮説立案力を高めるためには、自分が使える料理道具を増やしておくことが有効であることは、下記にも記載しました。 戦略立案フレームワークの一

【自社の競争優位性分析フレームワーク】ファイブフォース分析解説

プロローグファイブフォース分析は、マイケル・ポーター教授によって開発された競争戦略分析フレームワークです。これは、業界の競争状況を理解し、企業の競争力を高めるための戦略を立案する際に役立ちます。 本フレームワークも使い古されたフレームワークであり、戦略立案プロジェクトや事業計画立案時等のビジネスの現場でファイブフォース分析結果を示すと、「未だにファイブフォース分析なんかやるのか、芸がないねぇ。でも、出発点として最低限やっておく必要はあるよね」という反応なり、ビジネス意思決定

【外部環境分析フレームワーク】PEST分析解説と使い古されたフレームワークを利用する意味

プロローグ経営企画部が自社の戦略立案する時以外でも、新規事業の企画や既存事業のマーケティングプロモーション方法を検討する際などで、「外部環境の分析結果を踏まえて検討してね」と言われます。 では、外部環境分析はどのように実施すればいいのでしょうか?ありきたりで誰でも知っているPEST分析や3C分析を実施するのでいいのでしょうか? フレームワークを使う意味1.ビジネス上意思決定の共通言語であるため 上司から、新規企画の提出を依頼された時、人と変わった視点・独自性を出して、自分

継続的に稼ぎ続けられるビジネスモデルを構築する方法

プロローグ皆さんが推進する事業は、強固なビジネスモデルと保持していますでしょうか?それとも、継続的に課題への対応やリソースの追加投資を行い、相当の労力をかけて維持メンテナンスをしないと成り立たないビジネスモデルモデルでしょうか? 楽に勝ち続けられる仕組みを作る① - Amazonのビジネスモデル(基本形)下記はAmazon創業者ジェフ・ベゾスが紙ナプキンに描いたAmazonのビジネスモデルです。 ジェフ・ベゾスのビジネスモデルは、2つの稼ぐループ構造を持ちます。1つ目のル

新規事業・新規サービス開発を成功させるフレームワーク:Base/Option/Cutomizeの明確化

プロローグ(イシュー)新しい事業・サービスを企画・開発する際、需要があると想定されるすべての要望に対応できるように準備するのがいいのでしょうか?最小限度のニーズを満たす機能だけを準備し、新規事業/サービスリリース後に顧客から要望された、その都度対応していけばいいのでしょうか? 従来の新規事業・新規サービス企画の課題:ベースが大きすぎる新規事業・新規サービスの想定ターゲット顧客の潜在ニーズをもれなく洗い出し、ニーズに対応する機能をすべて備える戦略はうまくいくでしょうか?下記は

利益率が低くても知恵のなる木を持とう:競合他社に対して競争優位性を築く方法

プロローグ歴史は繰り返しますので、過去の発生事象から現代にも適用できる世の中の因果関係を説明するフレームワークを導き出し、応用することは有用です。 「大国の興亡」という、500年間の国家の繁栄・没落・滅亡要因を分析した名著があります。 ヨーロッパ地域は、地形が複雑で山や谷が多い地方が多いため、軍事的な侵攻の難易度が高く、広大な領域を支配する強力な中央集権国家ができにくかった、という分析があります。確かに、古くはフランク王国時代、婚姻政策で反映したハプスブルク家、ナポレオン

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仮説立案力を高める3ステップ(料理に例えると、1.料理道具準備→2.レシピ/料理動画の大量インプット→3.料理の実践)

プロローグ問題解決のためには、闇雲に情報収集などをせず、まずは解決策の仮説を持とう、その方が早く正解にたどり着ける、とよく言われます。では、仮説立案力自体を高めるためにはどうすればいいのでしょうか? 下記の3ステップで取り組むのがお勧めです。 ステップ1:問題を分析するフレームワークを覚える【料理に例えると、料理道具を用意する】 ステップ2:問題の定義、解決事例のケーススタディを頭に入れる【料理に例えると、料理のレシピ・料理動画を大量に見る】 ステップ3:問題解決の実

なぜプロジェクトの当初予算・納期は守れないのか:魔王軍に見る失敗要因の研究

プロローグここは、魔王率いる悪魔族と、人間族・エルフ・ドワーフ等の妖精種族が800年間も戦争を続けているイリオス大陸。 魔王ディアブロ配下の魔神将アスタロトが支配するログレス地方は、魔王国の最東端に位置し、西側に位置する人間族のトリニティ王国との戦闘では、最前線となっている。3年前の魔王軍による侵攻作戦の大失敗の後、近年はトリニティ王国側の反撃によって、当地方の魔王軍は各地で撃破され後退し、ログレス西部の要所である要塞都市アストランに立て籠もっている。 プロジェクトの概要

競合他社と激しい競争するのではなく、楽に勝てる新しい市場を見つける方法:ブルーオーシャン戦略

論点(イシュー)新規事業の企画をする際、すでに競争が激しい市場=レッドオーシャンで成功するのは難易度が高いため、誰も手を付けていないブルーオーシャン(未開拓な新規市場)を狙いなさい、とよく言われます。とはいえ、ブルーオーシャンをどのように見つければ良いのでしょうか? 既存の競争軸(レッドオーシャン)での勝負は厳しい例示として、架空の恋愛市場を例に取ってみます。現在、下記のようにレッド君とグリーン君がいて、激しく競争しています。現在の競争軸は、外見(イケメン度)と財力(車・年

自分が一生をかけて取り組む論点をどう選ぶべきか? ー 社会的に評価されるためには

評価される論点を選ぶためのフレームワーク社会には様々な課題があるため、自分が取り組むべき課題・論点は何にするかは、大いに悩む事だと考えます。 皆さんは、下記図のうち、どの領域に存在する論点を、自分の取り組むべきテーマとして設定しますか?

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事業戦略立案に使えるフレームワーク:プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

コングロマリット・ディスカウントを避けるためには?日本的経営が世界を席巻していた時代、多角化経営・コングロマリット経営が流行していました。しかし、企業が保有するリソース(資金・人材・設備などの物的資源等)は有限であり、GAFAMやイーロン・マスク氏・サウジアラビアの大富豪でない限り、注力するべき事業の「選択と集中」を行わないと、他社に競争に勝つことは難しいです。 近年、市場でトップもしくはせめて2位は取れないと、生き残れないケースも増えています。とはいえ、日本企業は過去の多

戦略立案フレームワーク:ポジショニングを決めてからマーケティングの4Pを検討しよう

無意味なマーケティング戦略 マーケティングの教科書には、下記4Pを考えましょうと記載されています。 1.Product:商品 2.Price:価格 3.Promotion:プロモーション/広告宣伝方法 4.Place:流通チャネル・販路 しかし、自社の大方針・戦略無しにマーケティングの4Pを考えると、下記のような無意味な戦略になりがちです。 1.Product:商品 →すべての想定ユーザーの要望に答える機能をすべて盛り込もう! 2.Price:価格 →業界最安値! 3