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私のコーチング哲学③エゴグラムに基づくタイプ論

私のコーチング・アプローチはいくつかの哲学に基づいて行われている。その中でも重要な哲学を順次紹介していく。3つ目は「エゴグラムに基づくタイプ論的視点」。

エゴグラムはアメリカの精神科医のエリック・バーンが考え出した交流分析をもとに、その弟子であるジョン・M・デュセイが考案した性格診断法である。

エゴグラムは、人の心を5つに分類し、その5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフにして診断結果が提示される

バーンの交流分析では、親らしさの P(Parent)、大人らしさの A(Adult)、子供らしさの C(Child)の3要素が用いられた。デュセイはこれを、P の部分を、厳しい親である CP(Critical Parent)と、優しい親である NP(Nurturing Parent)に、C の部分を、自由奔放な子供である FC(Free Child)と、従順な子供である AC(Adapted Child)に分類し、これら5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフ化する方法を考案した。

端的には以下の意味合いとなる(以下は私の解釈)
CP:厳しい心。正義感が強く理想に燃える心。
NP:愛性の心。優しく保護する心。
A:冷静な心。冷静に分析する理知的な心。
FC=自由な心。天真爛漫で無邪気な心。
AC=順応する心。いい子を演じようとする心。

CP・NPは対極的概念であり、個人の社会的な価値観を二軸で表していると思う。個人の社会的な振る舞いに影響する。

FC・ACは対極的概念であり、個人の情動を二軸で表している。刺激に対する感情の反応の傾向に影響する。

Aは制御系。価値観、情動の発動を、自らの状況判断によってコントロールする自己規制度として表出される。

ちなみにこれが私自身のスコアである。

高NP・高Aであるため、第一に人の多様な価値観を受け入れ、それらに対して柔軟なスタンスを取り、第二に合理的で定量的なものの考え方を好むタイプと言える。どちらかといえば社会的な自己を維持することに長け、情動的な部分は前面に出てこないようなタイプだと考えられる。

注意すべきは、全く同じスコアの者同士が、外部からの刺激に対して全く同じ反応をするわけではないということである。つまり、タイプのみならず、タイプを司る因子毎の発達レベルを考慮に入れないと、意味ある形で人格の傾向は見えてこない。

例えば、優しい親である NP(Nurturing Parent)の傾向を持つ場合、人格的に未熟な段階においてはそれは八方美人な性格傾向としてしか発現しない。あくまでも自己中心的な表れ方しかしないのである。成熟した段階においてはじめて、養育的なスタンスであったり、他者に対する貢献を心から望み、その実現のためであれば自らの損失も厭わない態度として発現するのである。

上述した高NP・高Aのタイプであれば、左記2つの発達レベルの違いにより、外部からの刺激に対する反応は大きくことなることになる。

1つ目は発達レベルの高い方

2つ目は発達レベルの低い方

だから、タイプ論を用いる際には同時に意識の発達段階を考慮に入れる必要がある。私はこのモデルをコーチングと組織コンサルティングに活用しつつあるが、実のところ勉強中、開発中の枠組みでなので、今後より研究を深めていく予定である。

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