垂水 隆幸

ベンチャー、スタートアップへの組織コンサルティング、事業開発支援を手掛ける傍ら、プロコ…

垂水 隆幸

ベンチャー、スタートアップへの組織コンサルティング、事業開発支援を手掛ける傍ら、プロコーチとして企業トップ、役員クラスを中心にエグゼクティブコーチングを提供 コーチング.com㈱ 代表取締役 元レバレジーズ㈱ 取締役 経営企画室長 元㈱経営共創基盤(IGPI)ディレクター

最近の記事

”私”の解体 - 自由意志なき自由へ

解体された「あなたは~しなさい」というストーリー コーチングは一般にクライアントの目標達成に焦点を合わせ、内省を手助けしながら気づきを促し、達成に向けた効果性の高い主体的行動を促進するための手段と位置付けられている。 いや、「位置づけられていた」というべきだろうか。上記のようなコーチング観が変容してきていることは多くの人が感じるところだろう。 今日において、コーチングが扱うテーマは「クライアントの目標達成」という枠に収まりきらなくなっている。「クライアントの目標達成」

    • 創発の意図的な運用 ー 境界の創造と固定観念からの脱出

      まえがきこの記事を含む一連の投稿で、私は誰もが創発を意図的に運用できるような道しるべを示したいと思う。創発は、そのプロセスを解像度深く理解できれば、再現性ある形で実践可能になるからだ。 前回の記事では創発のメカニズムについてその大まかな全体像を捉えた。今回はその全体像の要素の一つである「差異の発見」というプロセスを掘り下げて解説していく。前回の記事を読んでいない方は是非ご一読のうえで今回の記事を読んでいただきたい。 さて、前回の記事では創発のプロセスを以下のように大まか

      • 創発の意図的な運用 ー 解明された創発のメカニズム

        まえがき 近年の企業活動において、構成員個々人の創造性の開発、チームで創発を生み出し合う関係性が重要なものだという認知は進んでいる。 ところが、創発というプロセスがいかなるものなのか、どうすれば創発を促すことができるのかについての探求は社会で十分に行われていない。 そのような半ば神秘的なプロセスとも見做されている創発というプロセスを解明して誰でも扱えるようにするというのがこの記事の主眼である。 数回に分けて私は創発とは何かについて掘り下げて、皆さんが創発を意図的に運用

        • GPT-4と作る韓非子のコーチング(スタートアップCEO向け)

          GPT-4と対話しながら韓非子がコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、韓非子の思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。例によってコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。今後、別のメソッドも試してみます。質問を工夫することで私が手を入れる余地が少なくなってきています。 韓非子との対話 韓非子(コーチ): こんにちは、CEOさん。本日もあなたが抱えて

        ”私”の解体 - 自由意志なき自由へ

          GPT-4と作る「カントよるコーチング」

          GPT-4と対話しながらカントがコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。結果的にはかなり手を入れてしまったので、大半は私自身の文章になっていますが、コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、カントの思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。ちなみにコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。 カントのコーチング クライアント: こんにちは、カント先生。最近、仕事に対してやる気が出なくて、転職を考

          GPT-4と作る「カントよるコーチング」

          GPT-4と作る「ソクラテスによるコーチング」

          GPT-4と対話しながらソクラテスがコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。結果的にはかなり手を入れてしまったので、大半は私自身の文章になっていますが、コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、ソクラテスの思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。ちなみにコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。 ソクラテスのコーチング ソクラテス:こんにちは、今日はどういうテーマでお話ししましょうか? ク

          GPT-4と作る「ソクラテスによるコーチング」

          「人は成長すべきでしょうか?」ーフィロソフィカル・シンキングで回答する

          「人は成長すべきでしょうか?」という問いに対して、フィロソフィカルシンキングで回答してみたいと思います。フィロソフィカルシンキングは、物事を多面的に見るための思考法で、4つの立場から回答します。 正の回答:この問いは正しい。 反の回答:この問いは間違っている。 否の回答:正の回答も反の回答も正しいとは言えない。 合の回答:正、反の回答を総合すると~だと言える。 という感じの回答になります。概要はこちらの図で示します。 正の回答:正しい、なぜなら 人は成長すべきです。そ

          「人は成長すべきでしょうか?」ーフィロソフィカル・シンキングで回答する

          機能と構造を示せば、コーチングにおいてティーチングはあり

          「それってあなたの感想ですよね?」と相手から言われてしまうアドバイスには機能は示されているけれど構造が欠けている。 機能とは効用・メリットと言い換えてもいい。「これこれをすればうまく行くよ」という言葉が、機能を示す言葉だ。 構造とは、ある機能を主張している人の、その機能の仕組みや裏付けのことを言う。その機能の有効性、確からしさを担保してくれる仕組みのことだ。 例えば「人間は生まれついて悪である」という性悪説がある。この「人間は生まれついて悪である」という構造に基づいて、

          機能と構造を示せば、コーチングにおいてティーチングはあり

          ベルクソンの思想(の私の理解)

          まったくニーズがないような気がするのですが、ベルクソンの思想について私が理解していることをメモで残しておきます。太字の用語はWikipediaなどで意味を検索していただければと思います。 とにかくベルクソンの思想は秀逸ですし、真理に迫っていると思いますね。 (ベルクソンの思想の私の理解概要) 我々人間は、”程度の差異”で占められた空間・時間を世界と認識し、その中にひしめく”現勢的多様体”を真と錯覚している。”現勢的多様体”の差異を吟味することで真なる世界に迫ろうとする間

          ベルクソンの思想(の私の理解)

          【心の在り方から見る経営③】チームにおける建設的な合意は機能しているか?

          経営課題の源泉は経営者の心の在り方にある 組織課題の源泉は構成員の心の在り方にある ゆえに課題への根本的な解消は常に内面の変容を伴う これは10年近く経営戦略コンサルタントを勤めてきた私が確信したことです。これは私がコーチングをやっていることの大きな理由の一つです。私がなぜこのようなことを考えるに至ったのか、あるいは、コーチとして経営というものをどう観察しているのかの一端をnoteで連続してお伝えしたいと思います。第3回は意思決定の質を担保するための合意プロセスを形成しよう

          【心の在り方から見る経営③】チームにおける建設的な合意は機能しているか?

          【心の在り方から見る経営②】意思決定の根底にある「動機」を制御できているか?

          経営課題の源泉は経営者の心の在り方にある 組織課題の源泉は構成員の心の在り方にある ゆえに課題への根本的な解消は常に内面の変容を伴う これは10年近く経営戦略コンサルタントを勤めてきた私が確信したことです。これは私がコーチングをやっていることの大きな理由の一つです。私がなぜこのようなことを考えるに至ったのか、あるいは、コーチとして経営というものをどう観察しているのかの一端をnoteで連続してお伝えしたいと思います。第2回は意思決定自体の質のみならず、意思決定の根底にある「動

          【心の在り方から見る経営②】意思決定の根底にある「動機」を制御できているか?

          【心の在り方から見る経営①】プロダクトの同質化競争を超える経営

          経営課題の源泉は経営者の心の在り方にある 組織課題の源泉は構成員の心の在り方にある ゆえに課題への根本的な解消は常に内面の変容を伴う これは10年近く経営戦略コンサルタントを勤めてきた私が確信したことです。これは私がコーチングをやっていることの大きな理由の一つです。私がなぜこのようなことを考えるに至ったのか、あるいは、コーチとして経営というものをどう観察しているのかの一端をnoteで連続してお伝えしたいと思います。第1回はプロダクトの同質化競争を超える経営というテーマです。

          【心の在り方から見る経営①】プロダクトの同質化競争を超える経営

          【創造性の開花を目指して④】強欲自由主義から深層自由主義へ移行する方法

          「創造性の開花を目指して」という表題で思いついたことを連続で記事にしていきたい。今回は第4回目の記事だ。第1回目の記事から続けて読んでいただくことを想定しているの。第3回目の記事はこちら。 さて、第1回の記事で、流動的視点が可能とする豊かな創造性について紹介した。そして、これは誰の中にもある普遍的な人間の才能であると述べた。 しかし我々は、我々が日常使っているサバイバル脳(勝たなくてはならない、優秀さを示さなければならないという常なる強迫観念)によってその才能の開花を妨げ

          【創造性の開花を目指して④】強欲自由主義から深層自由主義へ移行する方法

          【創造性の開花を目指して③】深層自由主義(Deep Liberalism)を目指そう。

          「創造性の開花を目指して」という表題で思いついたことを連続で記事にしていきたい。今回は第3回目の記事だ。第1回目の記事をご理解いただいていることが前提になるので是非目を通していただきたい。 さて、第1回目の記事で述べた流動的視点が可能とする豊かな創造性、これは誰の中にもあるものと述べた。第2回目の記事では、我々が日常使っているサバイバル脳、また、サバイバル脳を活性化する社会の仕組みが創造性を妨げているという現状認識も示した。これを簡単に振り返っておく。 人間の創発の原理(

          【創造性の開花を目指して③】深層自由主義(Deep Liberalism)を目指そう。

          【創造性の開花を目指して②】サバイバル脳が創造性を妨げる

          「創造性の開花を目指して」という表題で思いついたことを連続で記事にしていきたい。今回は第2回目の記事だ。第1回目の記事をご理解いただいていることが前提になるので是非目を通していただきたい。 さて、第1回目の記事で述べた流動的視点が可能とする豊かな創造性、これは誰の中にもあるものでありながら、実際には社会でほとんど活用されていない。では何が創造性の発揮を妨げるのだろうか?何が流動的視点を妨げるのだろうか?今回はそれを記事にしたい。結論を先に述べると、答えは”自我の機能”と”自

          【創造性の開花を目指して②】サバイバル脳が創造性を妨げる

          【創造性の開花を目指して①】流動的視点が可能にする驚くべき創造性とその仕組み

          我々の行為は視点に規定されている私がコーチングを実践する上で大事にしている概念の中に、視点というものがある。視点とは、人が物事を評価判断する上で半ば無意識に前提としている視座を指す。視点は半ば無意識下にある。だから、視点は考えた上で設定されるものではない。視点は人々の直観としてあらわれるものだ。 あなたが高圧的で抑圧的な上司の元で働いているとしよう。上司が仕事上で明らかに間違った意思決定をしようとしている。あなたは、上司の間違った意思決定は組織全体に危機を招くので、正さなく

          【創造性の開花を目指して①】流動的視点が可能にする驚くべき創造性とその仕組み