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アトムとまる子

今朝教室に入ったら、二人が黒板の縁に立っていた。誰かの工作で後でとりに来るだろうなと思っていたが、一日中同じ空間でいられた。

二人と出会ったのは小学生低学年の時だったと思う。学校から帰ってきて弟と一緒に見ていた記憶がある。

まる子は日本に来てもよくYouTubeで見ているから、子どもの頃に見ていた時と変わらなくて、ああいう家族ほしいなと見るたびに憧れている。そして、子どもの頃にまる子を見ていたからかな、留学先を日本に決めるのにあまり時間がかからなかった。日本に来てから、さくらももこさんの死を経験して、自分の中ではある意味区切りをつける事件になるだろうなと思っていたが、今でも相変わらずによく見ているから、子どもの頃とはあまり変わらないなというのが実感。これからも見続けるだろう。

一方、アトムは小学生以来見ていないので、今思い出せないのは、大きい鼻を持つ博士と、妹思いのアトムぐらいだ。しかし、初めて日本にきて、空港から宿泊先まで電車で移動している途中、高田馬場駅で流れてくるアトムのメロディを耳にしたときに、体に生じた感覚は忘れられない。「ああ、本当に日本に来たんだ」、「ここは日本だ」、「だれもどこも知らない異国だ」というリアリティと、「子どもの頃に聴いていた」という懐かしさに翻弄されたあの感覚。それから8年、高田馬場駅を通りかかってそのメロディを耳にするたびにその感覚が蘇ってきている。

今日は子供の頃の自分と再会する日だ。誰かが二人を教室に残してくれたおかげで。


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