過ぎ去った一日へ
こんなに美しい一日を過ごしたことがなかった。まるでこれまでの日々はこの日のために過ごしてきたように。
伝えたいことを伝えたい人に伝えられた。保留せずに、損得を考えずに。ただ良くなってほしいという思いを込めて、思い切って。
それが巡り巡って、自分にも巡ってきたように、面識のない方から優しさをいただいた。その優しさは杜甫に好かれた春夜の雨のように、すっと、そっと、心を潤した。
これ以外の縁は何か、これ以上の幸せは何か、と考えさせられるほど唯一無二の一日だった。
思い出の箱に珍蔵されたその一瞬一瞬は、私の人生の旅を彩る。しっかりとした足どりと明るい気持ちとともに。
旅の途上にまた茨に出会ってもそれらを取り出して噛み締めながら乗り越える。
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