私の昭和歌謡6 恋のフーガ
イントロの奇抜斬新才能に驚きながら聞き直す令和(いま)
ふたたび、ザ・ピーナッツ。「恋するフーガ」のイントロ。
作詞なかにし礼、作曲すぎやまこういち、編曲宮川泰。この編曲が当時も斬新だったけれど、今聞くとさらに驚く。
ティンパニなんですよ!1967年の歌謡曲にティンパニ。
小学生の私は、思わず「このボコボコって音、何?何?」と家族に聞いた。でも、誰も知らなかったww
しばらくして、中学校になった時に「運命」を聞いた時に、オーケストラの楽器にティンパニがあることを知って、ずいぶん響く太鼓だなと思った。
音楽大学へ進んで、このティンパニに音程があることを知ってびっくりした。だって私の耳には音程が聞こえなかったから。
私は中学校の音楽の先生になって定年まで教えた。最後の10年は吹奏楽部の顧問になった。これは私の耳を目覚めさせた。
私は「恋のフーガ」のイントロを正しく聴ける耳になったんだ!
さて、この曲のカバーは数人聴いた。歌唱力のある人ばかり。でも、心ときめかなかった。なんでだろう?
そして、見つけたんだ。Wというデュオを。私はアイドルの歌は好きじゃなかった。モーニング娘なんか(吹奏楽部ではたくさん指揮しましたけどね)ちょっとごめんだねっていう人。
このW=ダブルユーの歌は、私の耳にピタッとハマった。
それで思ったのは、ピーナッツの歌声は、アイドルなんだ!ってこと。
アイドルの声の響きは特別だ。歌声のそこここに、はなやぎや明るさや可愛らしさが混じっている。そういう声の質じゃないとピーナッツのカバーを満足できない私。
ピーナッツが昭和のアイドル声なら、Wは平成のアイドル声で、同じとはいえない。でも、どちらも、そういう声なんだ。
小柳ゆきちゃんのも聴いた。でも、かっこよすぎて、いけない。違う曲になってしまう。
カバーはこんなにも雰囲気をかえてびっくりさせるのも一つなんだけど、あまりにも私の昭和歌謡愛が強いから、その要素は重要なんです。
宮川さん。あなたのイントロを60歳にしてようやく正しく聴けるようになりました。小学生でも感動し、今ももっと感動してます。
昭和歌謡を支えた才能や発想や工夫に乾杯!
【参考資料】
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