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私の昭和歌謡23 初恋の人 1969

恋人の死も売り物にする世界知らずに聞いた少女の私


私のダンナが珍しく覚えているのは小川知子である。
地声でパワフルに歌っているところだと言う。

私はきれいな歯を思い出す。歯なんてヘンかもしれないけど、実際私は知子さんの歯のファンだった。

米国は真っ白の歯のスマイルがタレントの条件だけど、知子さんのはそれとは違う。画面いっぱいに顔が映ればわかる。黒目の大きさ、肌の美しさ、そして歯。

インプラントとか入れ歯とか矯正したものじゃなく、これぞ真珠の輝きなんだ!全部の歯が丸みがあって不揃い。でも全体として標本にしたいくらいの美しさがある。

虫歯だらけの中学生の私は、知子さんがテレビで歌うと、うっとりと歯を眺めていた。

さて「初恋の人」が売り出されたとき、知子さんは婚約していた。その婚約者が事故で亡くなった。もう、この曲を歌うストーリー、話題性ができてしまった。

そして歌番組で、思わず泣き出すシーンもあり、当時は「かわいそう」「頑張って歌って」「応援するわ」とヒットしたのだ。

「初恋の人」は、ラジオでもテレビでも流れていたから、カラオケでもすぐ歌える。でも、私は、当時のたくさんの歌と比べて、ありきたりかな、と思うし、人が歌った時、裏で🎵のばらをいつも🎵とか🎵りょうてにだいてー🎵とか追いかけるパートをやるのはいいけど、マジにソロで歌うのはちょっとな、と思う。

きっと、真珠の歯の知子さんが歌うのを見る方が好きだから。

以前に、知子さんが和田アキ子をものすごーくイビったというスキャンダルなんかが出ても、そんなことはどっちが良い悪いなんか全く興味がなかった。

私には、画面の中で歌う知子さんの、燦然と輝く真珠の歯しかww興味がなかったんだ。




【参考資料】



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