学び続ける先生のための「日々の振り返り」のヒント

学び続ける先生のための「自身の振り返り」を考えた時、その重要さはなんとなくわかるものの、どのような形で日々を振り返るのがよいかを悩んでいる方は多いと思います。
こちらでは、振り返りをスタートするにあたっての
「振り返りのためのヒント」 を共有させていただきたいと思います。
あくまでも「ヒント」ですので、このようにしなければならない、ということではございませんのでご了承ください。

日々の振り返りについては「継続する」ということが効果を生み出しますので、ご自身に合った方法で続けていただくのが一番だと考えております。その上で、以下のヒントをご活用いただければ幸いです。


◎「日々の振り返り」について

振り返りを積み重ねることで、
1 :自分自身と対話をする
2 :第三者と共有することで客観的な視点を得る
ことができると考えます。
主に、「思い出す」「書きとめる(記録にとる)」「対話する」などを通して行うことができ、人によって継続できる方法や頻度が違ってよいとも考えます。


◎日々の振り返りをスタートする前に

振り返りを始める前に以下のようなことを書き出して整理をしてみましょう。
・ クラスや担当授業の状況(担当学年、クラス人数、男女比、他の教員やクラスへの関わり方、など)
・ どのようなことを学ぶことのできる教室にしたいと思ってきたか
・ その上で、どのような取り組みをし、環境をつくってきたか
・ 現在感じている「課題」

新年度がスタートする時には、前年度のことを思い出しながら書いても良いですし、希望や目標を整理しても構いません。


◎日々の振り返りを書くときのヒント

・1日の流れや起きた出来事がわかるように書く
後で読み直した時や、第三者と共有する時に、「1日の流れ」がわかるように、時間割順に朝の会から帰りの会までを細かく書き出す、というやり方をお勧めしますが、時間がかかってしまう、というデメリットもあります。ですので、1日の出来事を思い出した時に、自分が気になった、または印象的な時間や出来事についてだけ振り返る、というやり方でも良いと思います。
ただし、その場合は、ポジティブに感じたことと、ネガティブに感じたことの両方の視点を思い出して書き出すようにしましょう。(どちらか一方に偏ると、振り返りの質が高まらなかったり、落ち込み過ぎてしまうことにつながりますので要注意です。)

・起きた出来事に対して、自分が感じたことや、発言したことを書く
1日を思い出しながら、
1:実際に起きたこと
2:その時に自分自身が感じたこと
3:その時に子ども達が発した言葉
4:その時に自分自身が発した言葉
などを書き留めるようにします。

・次につながる視点をメモしておく
振り返りを続けていると、ふと「あ、そうか」とか、「よし、次こうしてみよう」と思える瞬間があります。それは、次に「つながるヒント」ですので、必ず書き残しておきましょう。同時に、ずっとモヤモヤと解消できない引っ掛かりなども書き残して日々頭の片隅に置いておくと、そのふとした瞬間に必ずつながります。

・子どもや同僚の名前は、後で読み直しても自分がわかるように書く
振り返りとして記録したものを、第三者とやりとりする時には、個人情報の保護のことを考え、子どもや同僚の名前はフルネームを書かずにカタカナなどで表記すると良いですが、基本的に、数年後に振り返りを読み直した時でも、顔が思い出せるような表記で記録することをお勧めします。

・可能な限りで良いので、写真や動画を残すようにする
カメラを教室で常に用意しておくことが可能ならば、できる限り子どもたちの様子を写真や動画で記録しておくことは、振り返るためにとても重要です。子ども達の表情、誰と誰が一緒に過ごしていたか、どんな言葉を発していたか、などを瞬時に思い出すことができるだけでなく、「自分自身が何を見ようとしていたか」ということも振り返ることができるからです。(時々、「あー!もうちょっと近寄って記録すればよかった!」「どうしてここで動画が切れてるの?!」などということも起きるでしょう。)
また、写真や動画の記録は、子ども達や保護者にとっても価値あるものですので、できる限り共有できると良いと思います。そして、写真や動画で記録するということは、その旨を子ども達はもちろん、管理職や保護者の方々にも先に共有しておきましょう。

・格好つけず、素直に書く
実はこれが一番大事な点だと考えています。
振り返りが「自分自身との対話」だと考えた時に、「格好つけ」や「良いところだけを残したい」という気持ちは、振り返りによって成長していくためには「邪魔」になります。人が 「成長する」ということは「変化を受け入れる」ということであり、「今の自分を認めてほしい」という感情に強く縛られてしまうと、「変化」することが「恐怖」となるからです。
しかし、思い出してください。私たちは、子ども達の成長の場に関わる大人として存在しています。であれば、「成長しようとする大人の姿」を子ども達にも見せてあげてください。 自分自身の行動や言動をメタ認知できるように、まず教師自身がチャレンジすることこそが、 第一歩となるのではないでしょうか。

・誰かと振り返りを共有する
ひとりで振り返りを続けていると、煮詰まる時がきます。日々の変化を感じられなかった り、自分の成長ポイントが見えなくなったり、このまま続けていて意味があるのだろうか... と思ったり。
そういう時には、信頼できる同僚や仲間に是非「振り返り」の記録を共有してください。 そして、感想やフィードバック、質問をもらってください。第三者の視点によって、新しい視点を得ることが必ずできます。

・振り返りを書くためにかける時間が1時間を超えないようにする
振り返りを毎日続けるためには、「無理をしない」ということも大切です。
1日のことを思い出して書くにはある程度の時間が必要になりますが、授業中に記録しておきたい出来事などがあったら付箋やノートにメモをしておくなどして、振り返りを書くための時間を極力短く済ませられるようにしましょう。なぜなら、健康第一!だからです。 無理せず、「毎日やるんだ!」と意地になることはありません。

◎日々の振り返りを支える仕組みについて

アソビジでは、リフレクションサポートシステム「echo」
オンラインで振り返りの伴走をする「振り返り書簡」
2つのサービスを提供しています。(リンク先に詳細がございます)

振り返りをしてみて悩まれた際にはいつでも弊社までお問い合わせください。
みなさまの振り返りが充実し、自身を客観視しながら前向きに変化していくお手伝いができることを、心より祈っております!