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Vecstar150 2023#19 エンジン換装 前編

これは一週では終らないので、そのつもりでタイトルをつけた。
前編は主に旧エンジンについて記録しておく。

アイドリング時にカタカタと異音が出始めたのは、ふた月ほど前のことである。
さいしょはプーリーナットが緩んで、ベルトがケースに当たっているのかと考えた。
この場合、カバーを開けて見ればすぐに判る。
しかも、このヴェクスターは外装の一部が外されたままになっており、さらにボルトをいくつか省略しているので、クランクケースのカバーを開けるのは造作ない。
けれど、ベルトに異常はなく、ナットはちゃんと締まっていて、原因がここではないことがすぐに判明した。

ではなんだろう?と考えると、行きつくのはピストンがバルブを叩いている状態である。
このエンジンは、エンジンオイルが減っていく傾向にあったので、燃焼室で燃やしていることを想像した。
じっさいに以前、シリンダヘッドを外したときは、ピストンに付着した大量のスラッジを削り落とすように掃除した。

いや困ったな、エンジンをオーバーホールするにしても、その間乗れなくなるのはなにかと不便だ。
ほぼ毎日乗っていて、移動手段の大半を占める車両だからな。
そういう訳で、今から載せ替え用のエンジンを探しはじめて、見つかったら換装するか、始動できなくなるまでは乗ってみよう。

と、方針は固めたものの、なにしろ古い、しかも不人気車とあってなかなか手ごろなエンジンが見つからない。
換装用エンジンが見つからないからには、そのまま乗る。
不思議なことに異音が大きくなることもなければ、始動不能になることもない。
カムチェーンが伸びてシリンダに当たっているのだろうか?

ピストンがバルブに当たっているのなら、バルブが曲がるか折れるかして、使用不能になるはず。
あれよあれよと、異音が出だしてから200kmくらい走らせた、とある日曜日の夕暮れどき。
スターターボタンを押したところ、カァンと金属的な音がして、始動できなくなった。

ついに、バルブが曲がったか、と思いながら、恐るおそるキックで始動を試みたところ、意外にも始動して普通に走れた。
そして降りて、再びセルスタートさせようとすると、セルモーターがカラ回りしている音がする。
うーむ、セルモーターの不調で、カタカタと音が出るとは考えづらいけどな。

いちおう、新品のセルモーターも用意したうえて、エンジンからモーターを外してみた。
残念なことに、モーター自体に問題はなさそうだった。

ということは、スターターギアがクランクシャフトから外れているな、これは。
クランクケースを割る前に、原因が判ってきたのはよいけれど、これは本気で換装用エンジンを見つけないとならないな。

続く

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