見出し画像

マグザム 2023#55 配線点検

車両はたぶんこれだろう、との場所に到着しても、なかなかオーナーが現れない。
時間にすると20分くらい待ったかな?
その間、触らずに観察していた。

事前に聞いた話だと、ある朝、セルモーターが回らなくなったと言う。
ブレーキランプも点かないので、電装を見てほしい、と。

おそらくヒューズが切れてますね。
ただ、切れたヒューズを替えても、その原因を突き止めないと、繰り返し切れるだけで走行はできないでしょうね。
こちらの一報である。

ビッグスクーターは、たいていオーナーが電装をいじる。
スマホの充電系であったり、グリップヒーターであったり。
車体にサービス電源コネクタが標準装備されているものも多く、マグザムにもついている。
この電源コネクタは出力が何ワットか?と調べたことはないけれど、ちゃんと調べて使わないと、過電流が流れて最悪は火災になる。

到着してから観察したところ、予想は外れていないと思った。
ステップのところに直径20cmほどのスピーカーが見えたからだ。
スピーカーを鳴らすにはアンプが要る。
アンプには電源が必要で、その配線がなにか悪さをしているのであろう。

ただ、マグザム、配線点検はめんどくさい。
一般的なスクーターの場合、シート下のボックスを外せば電装品があらかた見える。
ところが、マグザム、配線はフロントホイールの真上あたりで集約されている。
フロントのパネルを外すとバッテリが覗けるが、その他の「具」は直接触れない。
「セルモータが回らない」場合、前側のカウルをごっそり外さないと、スタータリレーとそのヒューズが点検できない。
アプローチの面でいえば、セルモータ交換のほうがよほど簡単である。
だから、セルモーターが回らないので、という理由で安易にモーターを交換して、効果がなくてガッカリする人がいたりする。

と、そこへようやくオーナーが現れて事情がわかった。
中古車を購入したが、オーディオやらボディのLED装飾やら要らない電装品があったので片っ端から配線を切った、と言う。

なるほど、解りました。

おそらく、メインスイッチを通らずに電源を取っていた配線を、切った瞬間にショートしてヒューズが切れましたね。
え、それだけで?
それだけで電気は流れちゃうんです、理論上は光の速さと同じスピードなので。

ただ、もともとついていた電装品が、どこから電源をとって、どこに線をまわしているのか皆目わからない。
とりあえずヒューズを見てみましょう、と開けてみると切れているものがある。
交換してエンジンを始動させようとすると、やはり切れる、正確にはブレーカだけど。
どこかショートしているところがある、ってことなんだけど、さてどこだ?

と、状況を説明しつつ、どう対処するか相談したところ、アンプ・スピーカ・電飾LEDは撤去しない方針とした。
で、あれば、まず電源を断ってしまえばよいので、例のサービスコネクタを外し、バッテリはメインハーネスの接続のみにしてみた。

・・・ほかに変なところから電源を分岐させていなければよいのだけれど。
懸念は残るので、配線を切った箇所を教えてもらい、いちいち電気が流れていないことを確認して、終了。

配線は撤去したほうがよいですよ、めんどうだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?