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Vecstar150 2023#19 エンジン換装 後編

自分の車両用にパーツを探すのは、ネット時代になってかなりラクになった。
雑誌の投稿欄をくまなく探したり、足を伸ばせる限り解体屋を巡ってみたり電話をかけたり、などという話は全く聞かなくなってきた。
けれども、メルカリやヤフオクは、予想以上に酷い状態であったり、やたらと送料が高くなったりで、よほどの好条件が揃わないと手を出したくない。

待つだけではなくて、こちらからモーションをかけてみよう。
ただ、この場合は金額設定が相手主導になるので、やや高めになる。

と、ぜいたくは言っていられない、ベクスターのエンジンはあまり出回らないし。
が、とあるSNS上でエンジンが欲しいと書き込んだところ、2日と経たずに連絡がきた。
150ccシリンダーで不具合なし、だと言う。
送ってもらった画像をみたところ、不具合はどうかわからないが、セルモーターやセンタースタンドもない状態だった。
圧縮値がいくら、とも言っていたがセルモーターがついていない状態で言われても説得力がない。
それでもネット上の個人売買よりかは信頼度が高いか、と期待をもって受け取ってきた。

スクーターのエンジンを車体から切り離すのは、それほど大変なことではない。
シャフト一本とサスペンション、ケーブルが二本、あとは配線ケーブルと燃料ホースを外してやるだけでよい。
と、文章にすると、いよいよ簡単に見えるがじっさいにやってみると半日がかりである。
車体をリフトで持ち上げて、二人がかりでやる作業なんだろう、本来は。
とはいえ、エンジンが車体とつながっているときは、前輪とエンジンについているスタンドで支えているが、エンジンがない状態で車体を保持するのは、なかなかにむつかしい。
吊り上げるのが正当だろうけど、設備のないところで作業するには、下から支える手段をとるしかない。

装着のほうは、エンジンハンガーにシャフトを刺すのがヤマ場で、車体とエンジンの位置関係を決めるのがむつかしい。
車体は不安定な立ち方をしているし、エンジン側は移動させるのが困難である。
150ccエンジンは、オイルが抜いてあっても40kgくらいの重さがあるので、簡単には動いてくれない。
少しでも楽に動かす目的で、先にホイールを取り付けてやると少しは楽になる。
ホイールがついていれば、前後には片手でも動かしやすい、バランスをとって転がさないようにしないとならないが。
車体側のリンケージと、エンジンのシャフトの入口が合致すれば、あとはシャフトがまっすぐに入っていこうとする力で微妙な位置調整ができるが、入口を合わせるまでは車体を上下させたり、エンジンを移動させたりする。
少しでもシャフトが入ってしまえば突っ込むだけなんだけどな。

あとはケーブル・ホース・配線を戻していくだけなので簡単だな。

が、キャブレタが収まらない。
用意してあったインテークマニホールドが、CG41A用のものらしく、CG42用キャブレタとはサイズが違っていることを、そのときになって初めて知った。
ちゃんとパーツリストを見ておけば判ったはずだけど、たまたま手元にあったので使おうとしたのが手間の元だった。
やむなく、元のエンジンから取り外して移植したが、かなりヒビ割れがあるので近いうちに購入しないとなるまい。

そんな事件もありつつ、マフラーを装着後、ガソリンホースをつないで始動。
うむ、悪くはない。
軽くカタカタといっているようにも思う。
やはり、スターターギアが外れかかっているのか?

しかも、ドレンボルトからオイルが滴ってくるな。
まあ、いいか、入れたエンジンオイルは洗浄用と割りきっているので、10kmくらい走ったら抜いてしまうので、ついでにボルトも替えてやろう。

外したほうのエンジンはどうしよう?
セルスタートができない状態では、欲しがる人は少ないだろうし、オーバーホールするには大変だし。
と、家の中が倉庫になっていく。

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