見出し画像

Y.A.B(ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)「漂着」 / アルバム一部試聴

いよいよ来週月曜日、BEGINの比嘉栄昇率いるY.A.Bが仙台にやってくる!探求する八重山流「上げ拍子」をご堪能あれ!



Y.A.B(ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)とは

Vo. / Wash Board / AG:比嘉栄昇(BEGIN)、Vo. / Wash Board / AG :比嘉ケンジロウ、
EG:石垣ゆうま、Ba:メリーアラキ、Dr:安間ゼンタロウ

BEGINのボーカル比嘉栄昇が故郷石垣島で活動するために結成されたバンド。固定メンバーという形態ではなく島で暮らし、 仕事の都合が付くメンバーが集まってライブを続けて行くという「ゆる〜く」確かな信頼関係で結ばれた音楽集団。 島の先人達が残してくれた「うた」から土地の音楽を学び受け継いで行きながら今の「うた」を新たに生み出す事が自分達の使命だと考えている。特に八重山独自のリズムの感じ方を「上げ拍子」と名付け探求中である。 地元に誇りを持ち、その土地に似合う暮らしの中の「うた」を作り続ける事で、いつか日本中に同じ志を持った仲間が出来ると 信じている。「万世館」という閉館した石垣島の映画館で月に1度のペースでライブを開催中! 8月後半には1stオリジナルアルバムが全国発売予定。

(株式会社アミューズ資料より)


「漂着」を聴いた/クールマイン的見聞録

栄昇えいしょうさんを中心に年齢や音楽的キャリアも違う面々ではあるが、メンバー共通で生活の基盤となっているのが「石垣島」。その島での日々の暮らしの中に豊かな「うた」が息づいている。心のり所のように伝承でんしょうされて来た音楽と新たなアプローチを織り交ぜてつむいだデビュー作品。あらゆる人々が楽しめるよう探求した「上げ拍子」を一足先に数曲拝聴はいちょう出来たので早速さっそくここで紹介させていただきたい。

※アルバムは全11曲収録予定。今回は6曲を試聴。


オープニング曲は『風の馬車』。カントリーフォーク調の爽快な風を全身に感じながら、美しい情景に想いを馳せる。八重山やえやま諸島と聞いてイメージする、水牛車すいぎゅうしゃのようにゆったりとした景色の流れではなく、風を切って進む力強さ。ソウルフルなツインヴォーカルがグングンと手綱たづなを引いて、前向きで明るい気持ちにさせてくれる魅力が詰まっている。

2曲目は『底地ビーチの若大将』。”すくじビーチ”は西表いりおもて・石垣国立公園内にある遠浅で一年中波穏やかなビーチらしく、モクマオウとテリハボクの木陰を抜けると、約1キロにも渡って真っ白な砂浜が広がり、日本一のマンタポイントである石崎半島の緑の山並みと青い空、エメラルドグリーンに輝くサンゴ礁の海との美しいコントラストが広がっているらしい。夕方から夜にかけては真っ赤な夕陽が創出する絵画のような美しさに時を忘れ、夜は満天の星空が訪れる人々の身も心もいやしてくれるそうだ。そんなとびきりロマンティックなビーチを舞台にした、ちょっと切なくてチャーミングなアコースティックラブソング。加山雄三さんのオマージュも飛び出し、思わずクスリとさせられる。

続く3曲目『Ishigaki my love』ではメリーアラキさんがリードを取り、大切な人、大切な故郷を歌う。ハワイアンとラテンミュージックを極上ブレンドしたかのような楽曲に心いやされた。聴いている間、まるで避暑地ひしょちのように快適な時間をシェアしてもらえるのだ。ご自身のルーツでもあるペルーの公用語の一つ、スペイン語で歌われる「Te quiero(愛してる)」の語感も雰囲気に合っていて大変に心地良い。


4曲目に飛び出したヤンチャ全開、『ゲンキクールロックンロール』。ブルージーで少し高めのハスキーボイスなケンジロウさんが、歌いながらドンドン熱を帯びて行く感じが最高に痛快!正に”名は体を表す”といった感じの曲名だ。ある種パンクロック的なハッチャケと、BEGINの名曲『オジー自慢のオリオンビール』リスペクトな歌詞の雰囲気も相まって、お祭り感溢れるナンバー。アルバムに良いスパイスを添えていた。

5曲目は『節祭支度』。その歴史は500年以上とも600年以上ともいわれるはるか昔から伝承でんしょうされ、今も尚残る国指定の重要無形民俗文化財、「西表島いりおもてじま節祭しち」をテーマに作られた曲である。

節祭(しち)とは年の節目を意味し、海の彼方より幸を迎え入れる行事です。毎年旧暦10月前後の己亥(つちのとい)の日から3日間、八重山諸島の西表島の祖納(そない)・干立(ほしだて)地区で行われ、豊作への感謝と五穀豊穣、健康と繁栄を祈願します。

「たびらい」沖縄観光情報より引用

沖縄民謡をモチーフに、のどかな雰囲気と高揚感が同居したオリジナリティあふれる一曲。祭りの日は多くの地元出身者が里帰りをして祭りを盛り上げるらしく、カチャーシーで集落の民衆が、ひいてはライブの現場が一体化している様子が自然と脳裏のうりに浮かぶ!

試聴ラストの6曲目の『漂着』は、祭りの喧騒けんそうの後の静けさが味わい深い、グッと引き込まれる落ち着いたソウル・ブルース。栄昇さんの磁力の強い声が染み込んでくる。希望と郷愁きょうしゅうの波間に揺れて、寄せては返す波のよう。上京時代をうれいに満ちた声で回想しながら故郷を思う。深い余韻よいんを残し、重ねた年輪ねんりんしびれっぱなしなのであった。


【漂着雑感】

非常にバラエティに富んだ全6曲。音楽ジャンルの垣根かきね自由奔放じゆうほんぽうな発想で飛び越えて、完全にポピュラーソングに変換出来る力量は流石さすがという感想を持った。これでアルバム全容の約半分だというのだから、いかに充実した作品かが分かったし、早く全曲聴きたい!という気持ちにさせられる。先人から受け継いだ「うた」に愛と誇りを持ち、次へと繋いでいくというコンセプトを有言実行で体現しており、力の抜きどころ・入れどころを自然と熟知しているかのようなウチナーンチュのグルーヴを多くの方にぜひご視聴いただきたいのであった。

残暑厳しい折、しばらくはY.A.Bのアルバム『漂着』からかなでられる”八重山の上げ調子” を愛聴する事となりそうだ。


* * *



今回ご紹介させていただきましたY.A.B (ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)前述ぜんじゅつさせていただきました通り、今月8/28(月)に仙台でライブを行います!初見しょけんでも楽しめるY.A.Bのライブで素敵な晩夏ばんかのひとときを過ごしませんか?

し・か・も!!

順当に行けば予定通り会場にて日本全国他のどこよりもいち早くアルバム『漂着』をライブ会場で入手出来るチャンスです!

余談にはなりますが、いつもホールクラスで見ている”BEGINの比嘉栄昇”というアーティストのパフォーマンスをこんなに間近まぢかで鑑賞出来るというのはラッキーであり、これまたそうそう無いチャンスでは無いでしょうか?小さなお子さんは保護者同伴で入場無料、皆様お誘い合わせの上ぜひ会場へお越しください!

◆詳細は下記【ライブ情報にて】


【作品情報】

アーティスト: Y.A.B (ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)

作品名:漂流

発売日:8月下旬予定

フォーマット:CD

価格:未定


【ライブ情報】

Y.A.B (ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)
2023年8月28日(月)
OPEN 18:00 / START 18:30
@
仙台LIVE HOUSE enn 3rd
全自由 ¥3,500(税込)

※1ドリンク代別途必要
※未就学児童は保護者同伴で入場無料

▼公演詳細



【アーティスト情報】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?