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【インタビュー記事】アジアで出会った起業家たち(5)

東南アジアには、日本人がつかみきれないカルチャーがある。その架け橋ができるのが強みですーInsymo-Michael Yip (CEO)

*この記事はCoolmeが編集を務めているintroduStarからのリライト記事です。

こんにちは、Michael。 ビジネスは順調そうですね。

Michael (以下MY): おかげさまで!2018年はITイベントなどに出展したりと、何かと忙しい年でしたが、2019年も多くの依頼が入っていて、更に忙しい年になっています。

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簡単に貴社の紹介をしてもらえませんか?

MY: InsymoはIT全般のサービス、デジタルマーケティングのワン・ストップサービスを提供しています。聞こえはシンプルに聞こえるかもしれませんが、内容はかなり細かいことまで行っています。コンサルティングから始まって、ITにおけるインフラ(ネットワーク、マイグレーション、データマイグレーション、サービス関連)、プロジェクトマネジメント、アプリ開発、デジタルマーケティング、CRMなど、幅広く行っていますが、クライアントの要件によって、かなり掘り下げたサービスも行っています。

かなり幅広く行っていますね・・

MY :はい、例えばですが、ウェブサイトを作ったとしましょう。ウェブサイトは構築するだけではなく、実はサーバーをホストしなくてはいけない、ホストしようと思ったら、意外にコストがかかってしまい、どうしたらいいか・・とか、または、かなりのコンテンツや展開を持ったサイトであれば、どのようなバックエンドを設計したらいいか、セキュリティはどうするかなど、ソフトとハードは常にセットなんです。そこをワンストップで行うのがInsymoなんです。

東南アジアには、日本人がつかみきれないカルチャーがある

なるほど、ソフトとハードを組み合わせたサービス提供は、需要が多そうですね。でも、デジタルマーケティングに関しては、アジア圏内にもそれは多くのデジタルエージェンシーが存在します。Insymoは、どのようなUSP(Unique Selling Point:独自の売り)があるのでしょうか。

MY: 我々の強みは、数多くの経験から、アジア・パシフィック地域(日本も含む)のビジネスカルチャーを熟知しているので、アジア・パシフィックに即したコンテンツを作れること、そしてIT 関連のネットワークを、アジア人として幅広く持っていることです。様々な日本の企業がアジアに進出し、ローカルスタッフを含めてビジネスを行っているとは思いますが、あくまでも日本人の視点で、日本人の上司の最終決心で、そして日本人のサービス形態をクライアントに受容してもらっているケースが多く目立ちます。しかしアジア圏内のアジア人を対象にしたビジネスを行っていくとなると、日本人の視点だけで広げていくのは難しい面もたくさんあります。

その難しい面というのは、どういうところなんでしょうか。

MY : やはり言葉のバリアや、生活習慣の違いなどもあると思います。アジア圏内であれば近距離にある国々ですから、我々が子供のころから馴染みがあり、文化もそれほど大きく違うわけでもありません。またこの圏内は民族構成も似ているし、何が民族内でタブーかも熟知している、そして中華系の人達が多いエリアですから、中国語で会話をすれば距離が近づきます。いくら日本人の英語が通じても、やはりそういったバリアというのは存在するわけで・・日本人が、ローカルのクライアントの要求を理解するスピードも徹底的に違うわけです。

それはかなり大きい違いですね。我々は、クライアントの希望しているものが理解ができている、と思っていても、バックグラウンドが違うだけに、理解度が浅かったりするわけですね。

MY :はい。具体例をあげてみましょう。例えば日本のウェブサイトは、コンテンツも細かくて、内容も盛りだくさんだったりします。それを良しとして、アジアで展開されているウェブサイトを、「シンプル過ぎて、まだまだ」という日本人の声をよく聞きます。でもアジア人にとっては、「それでいい」という人たちも多いのです。逆にそれでなくては、良しとしないクライアントもいます。その点を知っている日本人は、意外と少ないんです。

その点は意外と盲点な気がします!日本人がクライアントを理解する頃には、insymoはすでに多くの内容をクライアントと話している・・徹底的な差になりますね。

でも僕たちは日本のカルチャーも知っている

日系のクライアントの案件も多くこなしていると聞きました。

MY : はい、主に金融、ロジスティックス、そして印刷関連の日系企業のクライアント案件を担当させていただきました。

どのような案件を行ったのでしょうか。簡単に教えてもらえますか?

MY:日系のロジスティックス企業に、インフラをバーチャル化にするマイグレーションを行いました。プロジェクトのスコープを立てるところから、プラン、実行そしてエンディングまで約2カ月間のプロジェクトでした。勿論、現場でのトレーニングや、ライセンス関連やハードウェアの調達まで行っています。

日系の企業は、かなり要望が高いと聞きます。その辺は難しくありませんでしたか?

MY :日系企業の要望はかなり高いものがあります。しかし、我々のコンサルタントメンバーは日本での業務経験もありますし、実は私自身も、90年代に東京で日本の広告企業で働いた経験があります。会社組織は今よりももっとヒエラルキーがあり、お客様は神様、と呼ばれた時代です。このような日本の経験は、日系クライアントの要望を理解するときに、とても役に立っています。逆に私が、日系企業のローカルスタッフに、彼らの上司の要望やその意味合いをくみ取って説明することもあります。

アジア人が、日本との架け橋を行うパターンもある

そうですか、日本での勤務経験があるのですね。日本のビジネス流儀を経験していることは、アジアに進出してくる日本の起業家や、日系企業にはパートナーとして頼りがいがありますよね。

MY :はい、そういった意味では、昨今日本企業が進出している現在、弊社の販路が拡大しているんですよ。できればアジア人の私が、アジア圏内を中心に、日本との架け橋ができれば・・・と思っています。アジア地域をターゲットにビジネスを検討している企業やスタートアップに、アジアにフィットしたサービスを提案、提供したり、また要望があれば日本での案件に、チームを日本に送り込むことも将来的には考えたいと思っています。

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アジア人が担う日本との架け橋・・日本人が担う位置づけとはまた違った角度で、これから需要が出てくるのではないでしょうか。Insymoの今後の活躍が楽しみです。今日はどうもありがとうございました。


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