見出し画像

面白くって仕方のないクリスティ×ワイルダーの「情婦」。またノックアウトされてしまった。

ビリー・ワイルダーの「情婦」(Witness for the Prosecution)を久々に。これは相変わらずの傑作で、63年も前の映画なのに、困っちゃうくらい今でも面白い。
アガサ・クリスティの短編「検察側の証人」を戯曲化したものが映画の原作だ。戯曲は何度か日本でも上演されていて、昔観た記憶がある(誰が演じたのか忘れちゃった)。
映画「情婦」はチャールズ・ロートン、マレーネ・ディートリヒ、タイロン・パワー、エルザ・ランチェスターというきら星キャストの演技合戦。膨大な台詞がところてんのように物語を押し出し、2時間近くがあっという間に過ぎてしまう。
弁護士のロートンとお付き看護婦のランチェスターは、実生活でも夫婦で、この二人の掛け合い漫才には終始爆笑だ。
タイロン・パワーは本作で二枚目スターから演技派への脱却を評価されたが、次作撮影中に逝去した。なので本作が遺作となった。
そして何よりもディートリヒ。この世のものとは思えない存在感に、わかっちゃいるけど、また騙されてしまった。
なんでしょうね、鑑賞後の豊かさ気持ちは。最近の映画に欠けているものが、ここにはあると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?