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「何かいいことないか仔猫チャン」に表れるウディ・アレンの願望にピンとくる。

ウディ・アレン案件はいまだ消化しきれていないので、ちょっと気持ちを立て直そうと、「何かいいことないか仔猫チャン」を再見。再見ったって、若い頃にレンタルビデオで観た記憶がうっすらあるだけで、バタ臭いドタバタが笑えなかったなーくらいの記憶しかござんせんが。
で、これがU-NEXTに置いてあったのですね。やるな、U-NEXT。

本編より有名なのがバート・バカラックが作りトム・ジョーンズが歌った主題歌で、What's New,Pussycat?を自然と覚えてしまったものである。
映画は1965年に製作公開されたもので、英仏米の合作。いまはなきUAが配給した。

スタンダップコメディアンとして人気のあった若きウディに、「ピンクパンサー」のプロデューサーが新作の脚本を依頼した。初の映画脚本で何度もダメ出しをくらい、主演の2人(ピーター・オトゥールとピーター・セラーズ)に改変された。仕上がりはウディが満足のいくものではなかったそうだが、結果的に大ヒットしてしまう。

僕も若い時の感想とあまり変わらなかったのだが、今回驚いたのは、「物語はウディの願望そのもの」なのではないか、と感じたことだ。
主人公のファッション誌編集長(ピーター・オトゥール)は女にモテモテ。本命の学校教師(ロミー・シュナイダー)をはじめ、知り合った女性がみんなラブラブ光線を送ってくる。当の本人も基本的にスケベなので、夜ごとに美女をとっかえひっかえする。こりゃ大変だと精神科医(ピーター・セラーズ)にカウンセリングを依頼するものの…という話。ここにもう一人、ウディ扮する非モテ青年もからんできて、ただひたすら「女、女、女~」と登場人物が走り回るコメディだ。

「女大好きでモテまくりたい」男の願望が、まさにウディ・アレン創作の源流だったんではないか、ということだ。まぁ件のプロデューサーも彼女だったキャプシーヌをむりやり出演させようとして、当初主演の予定だったウォーレン・ベイティが怒って降板したなんてエピソードもあるくらいだから、まぁどいつもこいつも、なのである。そういった艶っぽい逸話も映画のテーマとピタッとはまってた。

後半で突然現れるグラマー美人(登場方法が斬新)にウルスラ・アンドレス。最高ですね。あと、ラストシーンのみ登場のフランソワーズ・アルディ(沿線地図の主題歌ね)にはメロメロです。60年代美女図鑑でもある本作、ウディをとがめようと思ったら、僕がハニトラに引っかかってしまいました。

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