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「最後のサムライ ザ・チャレンジ」と邂逅。フランケンハイマーが楽しそうに見えるのは…

超珍品「最後のサムライ ザ・チャレンジ」がスターチャンネルでやってた。これはラッキー。
1982年のアメリカ映画で日本はビデオスルー。2016年にカナザワ映画祭でイベント上映されたらしい。
ソフトはVHSどまりでDVDは出ていないため、普段は観る術がなかったのである。
監督はジョン・フランケンハイマー。脚本にジョン・セイルズが入っている。「プロフェシー」以降のフランケンハイマーは、とち狂った仕事選びをすることがあり、本作はその極めつけの1本だ。
LAのボクサーがひょんなことから車椅子の日本人と知り合い、伝説の刀を京都に密輸してほしいと頼まれる。刀はある武道家兄弟の因縁の品で、兄は古風な武術道場師範、弟はわりと極道な実業家であった。
日本に着くや否や、ボクサーは襲撃されるが、なんやかやで武術家の門下になり、争いに巻き込まれていく…なんて話はまるでどうでもいいくらい、主人公ボクサーは身勝手な行動で周りに迷惑をかけていくだけだ。
突込み上等のおかしな日本観にあきれるが、82年にしてはまぁましな方なのかも。フランケンハイマーは「RONIN」でも日本文化好きを表明していたわけで、本作で三船敏郎、宮口精二、稲葉義男の「侍」起用は、きっと嬉しかったのでしょうな。

三船敏郎は60歳超えての立ち回りアクションを披露。三船プロも参加の“ハリウッド映画”だったのだが、さすがにこの内容では…ね。弟役は中村敦夫で、人物的には意味不明な悪役となっていた。
最大の問題は主人公のボクサー=スコット・グレン。キャリア的には「ライトスタッフ」あたりから注目されるので、その直前の本作(「ザ・キープ」もね)は、せっかくの主演なのにあまり得していない。とりわけ本作に於けるマッシュルームカットでマッチョ体形の彼が、ドジョウ酒一気飲み、ドブネズミ顔面ギリギリ、カナブン捕食など、キワモノを断らないのはすごいね。俳優って大変だ。

見せ場の立ち回りは、ゴア表現が高く、近年の「ランボー」みたいだ…ということはけっこう楽しめちゃったんだよね。
ヒロインのドナ・ケイ・ベンズはハワイのアメリカ人。なんか顔が怖い。そして道場で修行する7歳の少年が深作健太くん。スコット・グレンと普通に会話してます。

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