AIが演奏のアイディアを拡張する"Session Player" で自分の曲をアレンジしてみた
AppleのDAWソフト Logic Pro 11の目玉機能のひとつ "Session Player"を使って、自分のオリジナル曲 "Parallax"の新たなアレンジを試してみました。
ドラム、エレクトリック・ベース、アコースティック・ピアノの基本3リズムに関しては、すべて "Session Player" のみをを使って構築しました。
まともに弾ける楽器がギターだけという自分にとって、これらはいずれも自分自身では普段演奏しない楽器です。
従来の方法では、自分の頭の中にある「ここで鳴っていてほしい音のイメージ」をMIDIデータとしてひとつずつ配置していくか、既存のループ素材の中からイメージに近いものを探してそれを編集するという方法で制作をしています。
しかし、今回 Logic Pro 11 で導入された "Session Player" を使うことで、「自分の発想の外」にある要素をフレキシブルに取り入れることができるようになりました。
あたかもスタジオにミュージシャンを呼び、コード進行だけを記したリード・シートをもとに演奏してもらいながら、「ここはもっと抑えた感じで」「ここは細かいフィルインを加えながら音数多く」などどリクエストするような感じで制作を進めることができます。
例えば、Aメロを2回繰り返してからBメロやサビに進むような曲構成の場合、同じバッキングパターンを2回繰り返すだけではなく、やはりちょっと変化をつけたいと考えるものですし、1コーラス目と2コーラス目で違うフィルインを入れたいといった考えも浮かびます。
そのような場合に、あらかじめ用意されたパラメーターをスライダーで調整するだけで、どんどん演奏の内容が変わっていくので、気に入ったものを残しておけば良いというわけです。
これは非常にありがたい機能です。
あと、俗に「落ちサビ」などと呼ばれるようなパートでは、リズム・セクションがなくなる(もしくは音数を抑える)ことによって、ピアノだけがクローズアップされ、より抒情的なプレイが求められるといったことがあります。
しかし、このような場面では、私のようなピアノが弾けない人間が思いつく展開ではとても間が持ちません。
そこで、今回の曲では、フィルインの「量」と「複雑さ」を Maxに、右手のレンジは「最小」から小、中、大まで4段階あるうちの「大」に設定して、ドラマティックな演奏を披露してもらいました。
芥見下々先生の「呪術廻戦」において、羂索が語った「私から生まれるモノは私の可能性の域を出ない」という限界を、いとも簡単に打ち破ることができるというわけです。
今後もこの "Session Player"の機能を使って、よりよい作品づくりに役立てていきたいと考えています。
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