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ジャンプ的な人との再会が抜群に面白い

早いもので、12年間務めた金融機関を退職して、スタートアップで働くという働き方のスタイルで1ヶ月が経過しようとしています。そして、この1ヶ月は良い意味でいろいろ想定外なことがあって、新たな出会いが多いことを始め、日々刺激的です。そして、その中でも、想像もしていなかった気づきがあります。それは「ジャンプ的な人との再会が抜群に面白い」ということです。

ジャンプ的な再会とは

ここで「ジャンプ的な人との再会」とは、具体的には、昔戦った人や仲間たちと時間を経て再会し、お互いの成長を知りながら、そして新たなことに取り組むようなイメージです。具体例としては以下が挙げられます。

・キン肉マン・・・個人的には王道ジャンプストーリーの原点。超人オリンピックで戦った超人達で一緒に悪魔超人と戦ったと思ったら、次は超人タッグトーナメントで再び敵となって戦う。個人的に一番ツボだったのは、王位争奪編でキン肉マンソルジャーのチームに、バッファローマン、ブロッケンジュニア、そしてザ・ニンジャが加わったところです。きちんと読んでないですが、今連載されているキン肉マンが一番面白いという噂です。
・ドラゴンボール・・・天下一武道会以降、大会を開いたり、敵と戦う度に結果的に、戦った敵が仲間になっていく代表的な漫画。戦ってきた仲間達が最初に「共闘」するのが対ベジータ&ナッパです。アニメではフリーザが復活した上に、パワーアップして再度闘い、その後には、仲間になった。また、セル編で天津飯が出てきたときには、あまりに意外すぎて、そして新気功法が強すぎて感動さえ覚えました(悟空は決して、新気功法とは呼ばず、「気功法をやめろ」と連呼していましたが)。
・魁男塾・・・男塾1号生が4対4で関東豪学連と戦い、次は闘った4人を仲間にして、8人対8人で3号生と戦い、さらに天挑五輪大武會では3号生8人を仲間に加えて、16対16でトーナメントで戦うという倍々ゲームで仲間が増えていくストーリー。その後には、天挑五輪大武會で闘ったチームのボスクラスを仲間にして、新たな戦いに挑むという伝統的なジャンプの流れ。
・幽遊白書・・・魔界統一トーナメントが始まるきっかけとなった際に、陣や酎といった過去に幽助らと闘った懐かしい仲間が出てくる(妻はこの例でしっくりきてくれました)。
・ジョジョの奇妙な冒険・・・たくさんのジョジョが出てくる。特に第5部でポルナレフが出てきたときには、高校時代のデビルというあだ名の友人がとてもテンションが上がっていました。
・ワンピース・・・マリンフォードの頂上決戦では、過去に戦った王下七武海のメンバーや大将、白ひげ海賊団が出てきたりと、当時かなり盛り上がっていたと記憶しています。ワの国でも新たな再会が多そう。
・ナルト・・・最後の第四次忍界大戦では、過去に闘った敵や仲間が一時的に生き返って、戦う。私がギリギリジャンプを買って読んでいた時、ナルトと戦っていたハクが第四次忍界大戦に出てきたのは個人的には懐かしかったです。
等。

すみません、具体例が具体的すぎました。ちなみに久々に出てくるキャラクターが全く別のところでパワーアップしているとさらに燃えます。

現実でのジャンプ的な再会が楽しい

9月以降、スタートアップでCFOとして働きながら、フリーランス的な動きをしていると、過去に出会った人との再会が多いことに加えて、一緒に新しいことに取り組むということも増えてきます。この感覚がとても楽しいですし、この「楽しい」という感覚は前職を辞めるときは全く予期していませんでした。そして、なぜ楽しいと感じるかは、おそらく上記のような「ジャンプ的な人との再会」によるワクワクがあるからなんですよね。

AさんとBさんが新しいことをしようとしているとします。Aさんは私も10年近く前から知っているし、Bさんとは私も一緒に仕事をしたことがある。そのAさんとBさんがつながっているのが意外だった上でに、それだけでなく、さらにAさんとBさんとで一緒に新たなこともできそう。すると、全然違うところで、私が一方的に知っているCさんも巻き込んで新たなことをしようみたいな話にもなる。
ここで、Dさんというジャンプでいう(私にとって)新キャラが出てくるのですが、その人がまためちゃくちゃ面白い人だったりするわけです。さらにDさんとBさんは昔からとても仲が良くて、話すもすぐにスムーズに動くみたいな感じです。

ジョブズのいうconnecting the dotsを人と人のつながりでも日々感じていますし、さらにアップルの元日本代表の前刀さんがいうように、過去の点と点が多い方で、connectしやすいことを肌で実感しています。

ドワンゴの川上さんが「残念ながら日本の教養の原点はジャンプ」と発言し、賛否両論となりましたが、9月以降の働き方の楽しさを言語化した際に一番しっくりくる表現が「ジャンプ的な人との再会」なんですよね。

Weak tiesと知の探索

一方でもう少し学術的に言うと、このような現象はグラノベッターのいうweak tiesの賜物だと思いますし、イノベーションに必要な要素としてよく指摘される、マーチのいう「知の探索」と「知の深化」で言うところの「知の探索」が日々起こっているという感じです。もちろん、イノベーションには、「知の深化」や実務の実行力も重要になってくるところですが、この点は過去の金融機関やFEDでの経験を発揮して、サクサク進めていきたいです。

そして、このような「ジャンプ的な人との再会」を楽しんだり、そして新たな取り組みがしづらかったりするのが、一部の日本の企業の課題かもしれません。なぜならば、私は8月31日までは金融機関に所属して、9月1日にスタートアップの所属になった以外、私自身は全く何も変わっていないのですが、動き方が変わっただけで、バンバン面白いことが思い浮かびますし、実行に移せているからです。もちろん、金融機関にいてもできたのかもしれないのですが、平野啓一郎さんのいうところの「分人論」に基づけば、金融機関の分人の自分ではどう頑張っても9月1日以降の動きは金融機関にいたままだとできないわけです。他方、今の働き方は「FED」の分人をベースにしているので、思考や行動が自由になっています。

上記のような動きづらさを取り払うことができれば、兼業や副業といった世の中の流れは企業のイノベーションとかは関係なく、個々人がもっと生き生きとして生きることができるのではないかと思っておりますし、その結果として、イノベーションが起これば一石二鳥だと思います。私は金融機関を飛び出しましたが、皆がこのようなことはできなくても、「自分が最もいきいきできる分人」を兼業や副業で発揮出来れば、世の中はもっと面白くなるのではないかと感じています。

人間関係と幸せ

今週に友人からハーバード大学の「700人を75年間追跡した研究からわかった「幸せな人生を送る秘訣」という記事を教えてもらったのですが、この記事では「75年間におよぶこの研究が明確に示しているポイントは、良い人間関係が私たちの幸福と健康を高めてくれるということです。これが結論です」と書かれています。

前職でも人間関係は悪くはなかったのですが、職場ではFEDの分人を出せなかったので、無意識に窮屈さを感じていたことを会社をやめて気づきました。今は、FEDの分人をベースに仕事ができていますし、この自分で「ジャンプ的な人との再会」や新たな出会いを通じて、新しいことが出来れば、私も人生をもっと充実させることができると感じています。

FEDとかやったりはしていますが、実は大人数の飲み会はあまり得意ではなく、基本一人が好きで、学生時代はずっと一人で図書館にこもっていたりした私が「ジャンプ的な人との再会が抜群に面白い」と感じているからこそ、このことは私以外の人でも当てはまる人もいるのではないかと思っております。

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