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薬局の棚卸の重要性と薬学生と (ビックの棚卸)

はじめに
ビックアイランド株式会社、代表の岡村信二と申します。

 当社は、私が20年以上調剤薬局チェーンの本部業務に携わってきた経験を活かして、調剤薬局の経営支援業務(システム支援、経営改善支援、店舗引退相談、店舗展開支援)を行っている会社です。

 こちらの投稿でわからないことや、詳細を伺いたいことがございましたら、Xや当社のホームページからお気軽にご相談ください。

 ビックアイランド株式会社では、薬局支援事業の中に、棚卸の代行サービスといったものがあります。

薬局の棚卸業務を代行で行うといったサービスですが、他社様とは違い、棚卸研修をした薬学生とともに作業を行います。
本日はその中で感じた事や、この事業の可能性について書いてみようと思います。

■調剤薬局棚卸の注意点
多くの調剤薬局では、定期的な薬剤の棚卸が行われていないところも多く、出庫データに基づく効率的かつ戦略的な発注ができない、高額薬剤の不動在庫化、品質不良や期限切れによる在庫ロスなどが日常的に発生しています。

自社薬剤師様での棚卸は注意点が必要
 ほとんどの薬局で棚卸を行う際は、閉店後の業務終わりに、薬局管理者や薬剤師による手作業で行われており、疲弊した状態での棚卸作業のスタートを伴っています。
弊社が数えた場合との誤差も多く、数え間違え等のリスクも散見されました。

■調剤薬局の棚卸の理想の頻度・回数
 施設在宅調剤を強みとする薬局様より発注をいただいておりますが、3か月ごとに年に4回の棚卸の依頼をいただいております。
 理由としては、取り扱いの薬品数が他の薬局様よりも多いため、棚卸がおざなりになり、在庫ロスが数%上がるだけで利益が圧迫されるためだそうです。

 こちらの薬局様は他の薬局様と比べ、本部のご指導もあり従業員様のコスト意識も高く、在庫数の誤差率も格段に低い傾向にあります。今後施設在宅獲得ならびに、在宅訪問患者数の維持と無駄なコスト削減が調剤薬局の利益確保において重要なタクトになることが想像できます。
 患者様の思いに寄り添えることの大切さと同じように、1錠の薬品も無駄にできないといった従業員様のコスト意識は、『生き残っていける薬局、患者様に必要とされる薬局』を作り上げていくうえで重要なことではないかとビックアイランドは考えています。

四半期に一度の棚卸をお勧めします
 在庫ロス等を考えず、決算資料作成の為だけのことを考えれば、年1回の実施でも構わないかもしれませんが、上記に記載をさせていただいた内容を踏まえると、やはり年2回以上、理想は四半期に一度の年間4回の実施を提案いたします。

事故防止にもつながる棚卸
 現在棚卸の依頼を多くいただいており、様々な薬局様へお伺いしております。
店舗のレイアウト確認と、店舗への学生誘導の導線確認として、作業日の事前に打ち合わせ日を設けております。
その際に、当日の作業時間等打ち合わせをいたしますが、誤薬事故等のお話や改善策のアドバイスを求められることがあります。
 事故が起こりにくい、薬品配置案や、棚色の変更等の改善案をお話させていただくこともあります。
 今後も棚卸の専門性だけではなく、薬局様から必要とされる棚卸を通して学ばせていただいた、知識や知恵を蓄積していき、薬局運営の手助けのひとつになれることが理想と考えます。

■ビックの棚卸が選ばれている2つの理由
①調剤薬局特化の機器を使用した専門性の高い作業内容
 使用機器の「Bi-Counter」は、グローバルで多くの実績をもつ医療向けデータプラットフォームInterSystems IRIS for Health(TM) Data Platformを基盤に開発され、AWS(Amazon Web Service)上のDocker環境で運用されている調剤薬局向け棚卸支援サービスで、バーコードリーダーを接続したiPhone端末で薬品のGS1コードを読み取り、クラウド上に格納した薬剤情報を照合する方法を取っています。
 薬品を数えた後の、集計作業に多くのお時間を費やしていたといわれる薬局様もございますが、弊社の環境であれば、作業後5分程度で数量と薬価ベースでの在庫金額の報告が可能です。

②薬学生参加の作業体制
 棚卸と少し話はそれますが、薬局経営において利益確保と同じ重要度に、薬剤師の確保というミッションがあります。薬剤師確保に多くのコストがかかっていませんか?
薬局への道へと進む薬学生の多くは卒業後、病院薬剤師の他に大手調剤チェーンや大手ドラッグストアへ進むのが薬学生の現在の既定路線となっています。
数でいうとほんの1割にも満たない薬学生が、地域の中小薬局へ進んでいるケースをたまに拝見します。その地域の中小薬局に進む薬学生の8割が実習でその薬局で研修を行い、その薬局を就活前から知っていたということが分かりました。
『知っていた。』ビックアイランドはここに注目しています。
薬学生時代に自分の薬局を知ってもらう。そうすることで、新卒時もしくは初就職から3年後あたりから始まるライフチェンジのタイミングで自分の薬局を思いだしてもらう。
 薬剤師にとっても知らない薬局に面接に行くのではなく、棚卸で一度訪れたことがある薬局、お会いしたことがある経営者様との面接です。
 現在は紹介会社へ支払っている採用費用が無くなり、薬剤師確保にコストがかからないとなれば、薬局経営で重要な他の事に投資という選択肢も増えるのではないでしょうか。
 在宅に力を入れるための新設備への投資もいいでしょうし、患者様の満足度を上げるために内装備品の入れ替えや、事務さんの増員でも面白いと思います、新しい投資先の選択肢が増えることで、薬局業界周辺を含めて業界自体が盛り上がると思っています。

■薬学生の就職時の現状(個人の見解)
 薬学生の進路はもちろん個人の自由ですが、6年間の学費を払うため、奨学金を借りているケースがあります。その際に親御様のお気持ちとして安定の指標が企業の総店舗数になっており、せめて奨学金を返すまでは安定した企業へ就職してほしいといった意見があると思います。その意見を覆すほどの材料が薬学生様にはなく、大手へ進んでいるケースもあるのでは?と考えています。
 ただ、研修先の薬局へ就職を叶えていく薬学生はそこの親御さんへの説得材料がそろっているのではないでしょうか。『あの薬局だったら大手にも負けない経験ができる』『自分の目指す薬剤師像の方に教えてもらえた。』『あの薬局で経験を積みたい。』6年間頑張って国家資格を取得することができた頑張ったお子様の本気の目を見て親御さんは反対できないのじゃないでしょうか。

『棚卸のバイトで参加したあの薬局にいく!』そんなチャンスを『ビックの棚卸』をとおして薬局様に創造していただけたらと考えています。

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