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オトナの定義~コンビビアルなマネジメント㉚

 こどもとは、目の前にあることを曇りなき眼で観察し、素直な疑問を抱き、衒いなく質問しながら経験と知識を積み重ねていく素晴らしい、無限の可能性を秘めた存在です。まさしく希望に満ち溢れた未来そのものです。

 それがいつしか、目の前にあることから目を背け、疑問をもたず、答えを探すことはできても課題そのものをみつけることができなくなる存在「大人」になってしまうのです。「大人」に囲まれていれば、無限の可能性を秘めた「こども」も「小人」になり、やがて「大人」になってしまいます。「オトナ」、それもステキな「オトナ」に囲まれていれば、「コドモ」も当然ステキな「オトナ」になるはずです。

 今、変わるべき、学ぶべき、考えるべきは、「こども」ではありません。「大人」です。

 「大人」が「オトナ」になるためには、それぞれが「オトナの定義」を明確にすることが必要です。それがコンビビアルな社会への確かな一歩に繋がるとわたしは考えています。定義はそれぞれが感じるままでよいのです。感じたことをそのまま情緒的に表現すればよいのです。そして、更新し続けていくのです。イノベーションすれば、定義は変化していくものだからです。

 最後にわたしの現時点での「オトナの定義」を記して本書の終わりとしたいと思います。

オトナの定義

□ 穏やかだが、媚びることはしない
□ 一歩ずつ愚直に、当事者意識をもって前進し、信頼を積み上げることができる
□ 自信に満ちているが、畏れを知っている
□ 考え抜くだけでなく、それを自分の言葉に昇華し、行動する
□ 自分の想いを自分の言葉で発信するが、他人の想いや言葉もしっかり受信する
□ 見つめ合うことよりも、同じ方向をみることに価値を感じる
□ 細やかな気遣いもできるが、放っておく心遣いもできる
□ 肩書ではなく、その人が積み上げてきた本質的な経験や知識に価値を置く
□ 論理的な思考もするが、インスピレーションや情緒的な価値を大事にする
□ 可能性は無限であることを信じ、時は有限であることを知っている
□ 場の空気を感じることはできるが、それに流されることはない
□ 自分の見ている世界と同じ世界を見ている人はいないことを知っている
□ 尊敬はするが、崇拝することはしない
□ ひとりでは何もできないこと、人は孤高であること、その両方を理解している
□ 自由人だが、守るべきルールは守る
□ 良質な関係性を引き寄せ、暗黙知を刺激し、絶えず変化し続ける
□ 昨日の自分とは比較するが、他人と比較することはしない
□ 自分のなかの弱さや偽善、臆病さから目を背けず理解し、それらから逃げない
□ ブレない価値観をもつが、固定観念は持たない
□ 自然と関わり、感受性を深め、未来を創ることができる
□ 美しいかどうかの決断基準を決して忘れない

(順不同)


コンビビアルな社会の礎の欠片を次世代に残したいと思っています。
同質の志をもった方々と緩やかに連帯しながら。

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