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乳がん一年目にしてつらつら思うこと

たまにツイッターのがんアカウントを覗いて見るんだけど、見るとやっぱり落ちこんじゃうことが多い。つらい思いをしている方が大勢見えて。
あ、フォロワーの○○さん、余命宣告されたとおっしゃってる……とか。
あの方も、骨転移したというご報告が……とか。
もちろん、闘病しながらも元気な方のほうが多いけど、どんなに治療をがんばっても悪くなってしまわれる方もいる。がんになるのも、その予後も、運の要素が強いと感じる。
なんで何にも悪いことしていなくて、普通に暮らしているだけの人々が、ある日いきなり「がん患者」になって、さらには転移などして、痛みや苦しみや死の恐怖に耐えねばならないんだろう。

他人事ではないのでとても怖くて辛い。私もいずれは……?と想像してしまう。

そんな告知を受けた時の辛さは、到底、人間が耐えられる辛さではないと思うのだけど、それでも耐えて、毎日の生活を送らなきゃいけないのですよね。がんの告知を受けた時も辛かったけど、転移の告知はもっとショックだろうなあ。

早く、早く、転移したがんを抑え込める治療法が見つかりますように。

そして、がんを早く発見することの大事さを痛切に感じます。
統計をとったわけではないから確かではないけど、なんだか、がんばり屋で健康で働き者な人、病院に行くことがあまりない人ほど、がんが見つかった時にはもう末期で「余命〇ヶ月」みたいなケースが多い気がするの……。

私が20代の頃、当時まだ24歳くらいのお友達を大腸がんで亡くしたときも、見つかった時にはもう手の施しようがなかったらしい。
とてもがんばり屋で個展を開きつつ絵の先生をしていたお知り合いも、33歳で卵巣がんになった時はⅣ期だった。
二人とも、職場で体調不良で搬送されて、検査でがんが見つかったって。それまで不調を押して働いてたんでしょうね。

乳がん、卵巣がん、子宮がんといった女性のがんは(乳がんは少数ですが男性もかかります)発症年齢が若いのですよね。
他の多くのがんはもっと年をとってから増えるらしい。男性は50代以降にがんになる方がぐっと増えると聞きました。

比較的若い患者さんが多いので、乳がん仲間のフォロワーさんでも、小さい子供や赤ちゃんたちを抱えていながら、いきなりがんが見つかりステージⅣだったとか。そういうお話もとてもレアなケースというわけではないです。
出産の際には普段健康な方も入院するため、出産直後にがんが見つかるケースも散見します。

同じ病気の方がつらそうなのってすごくつらいのですが、もうどうしようもなくて、なにもできないのがもどかしくて。
せめて今がんにかかっている人、これから見つかる人は早く見つかって欲しいと願うくらいしか。

乳がんも、ステージⅠで標準治療を受ければ10年生存率99%です。
ですが、ステージⅣになると16%です。
ステージⅡが90%。ステージⅢが68%。

私はステージⅡですが、時間を巻き戻せるならそりゃあステージⅠの間に見つけたかった……。生存率が9%も上がるんだもの。
今後10年間の間に死ぬ確率が10%か1%か。この差は大きすぎる。
でもそれは無理なので、せめてこれからがんが見つかる人が、早く見つけて欲しいなあと祈るばかりです。

ちなみに、私が検診に行かなかった理由は「怖すぎたから」です。
祖母も乳がん、祖父は大腸がんという家系なので、自分もいずれはがんになるのではと怖かった。でも「がん宣告されるシーン」を想像すると怖すぎて検査から足が遠のいていました。
もしがんと言われたらショックに耐えられない、でも言われそうな気がする、でも行かなきゃ余計怖いことになる、でも怖い、そのうち……来年にはきっと……。
とずるずる悩んでいるうちに、何年も検診に行かずじまいでした。虫歯に気づいてそのうちに行こう行こうと思ってても、怖くてなかなか行かない時のような気持ちで。
そのくせにがんがめっちゃ怖くて、20代の頃から何度もア〇ラックに入ろうとしては審査で落とされていた(持病がいろいろあるため)
あれが通っていたらなあ~。大抵の治療は費用を心配しなくてよかったのに。

もし、今とても元気で一年以上病院に行っていない成人の方がいたら、(金銭的事情が適うならですけど)がん検診に行ってほしいな。
特に乳がん、婦人科のがん。
ステージ0~Ⅰで見つかった方の予後は大方とても良いのを見ているので(がんの性質にもよりますので絶対ではないのですが、予後が良い確率がかなり高いと感じています)、ぜひ早いうちに。

私も逃げた、はぐれメタルのようにいつも逃げ回ってた人間なので、あんまり言えませんが。

「こういう人はがんになりやすい」「なりにくい」というデータがありますが、あれは個人のなりやすさを推定するほどのデータではないようです。
例えば食生活とがんのなりやすさの違いなど、一万人くらい調べてようやくうっすらと傾向が見える程度のものなのでしょう。野菜食べてようが肉食わなかろうがなるときはなる。うちの祖母も和食や野菜や魚が好きで、肉や乳製品や洋食が嫌いで食べなかったのに乳がんになった。
あと例えば「出産、母乳育児は乳がんの確率を下げる」と言いますが、フォロワーさんにはお子さんの2~3人いる方とか、さらに母乳で育てた方、すごく多い。タバコやお酒とも縁がない方もいる(私もどちらも嗜まない)
このあたり、なんというか「ストレスがあると風邪をひきやすい」くらいの関係性だと思う。まったく関係ないわけではないけど、ストレスがないから風邪をひかないというわけではない。

もうがんはいつ誰が罹ってもおかしくない病気なのだと。

そう実感するのは、大抵、自分が罹ってからですが……。

消化器系のがんは、若い世代ほど見つかった時に進行しているケースが多いとも聞きました。


あ、あと怖かったのが。
がんは背骨に転移しやすいものが多いらしくて、「なんか背中が痛くて整骨院やマッサージに行っても治らない」→そのうちに激痛になって来て大学病院で精密検査→ステⅣがん発見

というケースも何度か聞きました。

乳がんはまだ見つけやすいから、自分でしこりを見つけられて救われた部分もあります。
がんによっては、転移して痛みが出るまで気づかなくてもおかしくないので、すごく怖い。

こないだ、健康な友達がマンモ・エコー検診に行ってて、えらい!と抱きしめたくなりました。
乳がんは女性の9人に1人がかかるという数の多さに加え、自分でも触って見つけられる稀ながんなので、もっと早期のうちに見つかる人が増えて欲しいな。

ちなみに、私がしこりを見つけた時には、ネットで「胸の悪性と良性の腫瘍の違い」みたいな記事を読みまくりましたが、あとで考えると時間の無駄でした。
専門医でも触診だけで白黒判断するのは困難などころか、エコーとマンモを受けて良性と言われたものが悪性だったりするそうです。
最も確実なのが細胞を採って検査することらしい。
即、病院に駆け込むべきでしたなー。

恐怖で逃げた私が言うのもおこがましいのですけど、できれば成人女性は乳がん検診を受けて、早期発見してほしい。
乳がんになった芸能人が、早期発見の啓もう活動を始める気持ちがわかったよ。もう自分を早期発見にすることは無理だから、せめて誰かの役に立つことで、あの辛い体験も無駄ではなかったって、学んだこともあったってなりたい。

乳がんは全身病と呼ばれるくらい転移しやすいがん、進行が遅いものが多いので、5年後10年後やそれ以降に転移する可能性もある。

転移なんてしないんだ、80歳まで生きるんだ! 10年生存率90%ぞ!
という前向きな気持ちと、
もし転移してもその頃にはもっと良い治療法が出来ていることに期待する。
という気持ち、両方あります。

悩んでも未来はわからない。FF4のアーリマンの「しのせんこく」くらい予想がつかないものだと思おう。
くよくよしないで、やりたいことをやろう。
たくさん文章を書いて本も読もう。
先月から始めたウォーキングも続けよう。

がんになった人、みんな治る時代が早く来てほしい。もしくは完治できなくても、抑え込んで痛みや苦しみもなく共存して穏やかに長生きできる時代が。

もうすぐ、術後一年の検査なので、少しだけナイーブ日記でした。

カワラバトの首の美しい緑紫色に惚れ惚れする。ハト可愛い綺麗。ハトもっと自信もっていい


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