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河童の夢

母方の祖母は岩手出身。
今は愛知県に住んでいて、家に泊まりに行った時の話しです。
小学生だった私はある夢を見た。
河童がすごい形相で追いかけて来た。
田んぼや山、池がある場所で私だけが追いかけられる夢。
徐々に河童との距離が縮まり、目が覚めた。
(夢か…怖かった〜。)
時計を見るとまだ朝の5時。
もう少し寝ようと思い、眠りについたその時。
またさっきの河童が追いかけて来た。
場所も同じだった。
私は夢の中で思った。
(またあの河童だ!)
後ろも振り返らずに無我夢中で走った。
そして怖さのあまり飛び起きた。
(また同じ夢だ。)
すごく怖かったが、眠気に負けてまたすぐに寝てしまった。
でも待っていたのは、また同じ場所で河童に追いかけられる夢の続きだった。
しかも、河童はもう私に追いつく寸前で、手を伸ばしてくる。
私は何とか捕まらないように、逃げながら走り続けた。
そして目が覚めた。
(3度も同じ夢…同じ夢の続きだ…次寝てまたあの夢の続きなら、確実に河童に捕まる…)
私は眠るのをやめた。
ふらふらしながら立ち上がると、まるで現実で全力疾走したかのように足が疲れて息切れしていた。
(あれは、夢じゃなかったのか。)
しばらく動けなかった。
河童の夢が強烈すぎて、ずっと記憶に残っていた私は、20代で岩手県遠野のカッパ淵に行ってみた。
たどり着いた時愕然とした。
そこには、あの時見た夢と同じ風景が広がっていた。
あの夢を見た時は、遠野の河童の伝説も遠野の風景もまったく知らなかったはずなのに。
それなのに…
時が止まったように穏やかで静かなその場所で、しばらく立ち尽くしていた。
それから十数年が経ち最近、河童の正体をまた夢で見た。
色々な可能性を考えた。あやふやな想像は確信に変わった。

小学生の頃、あの夢を見てから私は予知夢や悪夢を頻繁に見るようになった。



#私だけかもしれないレア体験

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