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「写真」で繋がる、本当にあった感動の物語。

2020/10/18 映画記録no.10「浅田家!」

今日の朝、テレビをつけたら嬉しいニュースが飛び込んできました。
「浅田家!」ワルシャワ国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞と。
邦画では初の快挙だそう。

私は、つい4日前この映画を観に行ったばかりでした。
だから、なんだか余計嬉しさが込み上げてきましたね。

この映画を見て私が感じたこと、
今日はそのことについてまとめていきたいと思います。


あらすじ。(公式ホームページより)

幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志(二宮和也)は、昔から写真を撮るのが大好きだった。
そんな彼が、家族全員を巻き込んで、
消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。
それぞれが“なりたかった職業”“やってみたかったこと”をテーマに
コスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》が、
なんと写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞!
受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、
写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる―― 。
かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、
政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。
「家族ってなんだろう?」
「写真家の自分にできることは何だろう?」
シャッターを切ることができず、自問自答をくり返す政志だったが、
ある時、津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗って、
家族の元に返すボランティア活動に励む人々と出会う。
彼らと共に《写真洗浄》を続け、
そこで写真を見つけ嬉しそうに帰っていく人々の笑顔に触れることで、
次第に《写真の持つチカラ》を信じられるようになる。
そんな時、一人の少女が現れる。「私も家族写真を撮って欲しい!」
それは、津波で父親を失った
少女の願いだった―― 。


映画を見終わって。

私たちにとって忘れてはいけない出来事だけど、
いざとなると目を逸らしたくなる、東日本大震災が起こったあの日。

現実に起こった悲惨な出来事を舞台に、
そんな中で家族や自分自身と闘う人たちが丁寧に描かれていて、
涙なしでは見られない、本当に素晴らしい映画でした。

私が泣いてしまった箇所は、
病を患って余命短い男の子と、
最後の写真を撮ってほしい、そうお願いした家族の話です。
その男の子は「虹」がすごく好きで、
”ずっと消えない虹を作ろう!”ということで、
白のTシャツに自分たちで虹を描き、それを着て、
写真を撮ろうと提案した、主人公・政志。

虹を書いている間、
その男の子は自宅にいることが嬉しいのか、
お母さんの背中に乗って、たくさんたくさん甘えるんです。
お母さんは重いと言いながらも、「大きくなったね」と言葉にします。

その光景がすごく温かくて、
でも、もうすぐ命が終わる男の子を見ていると胸が苦しくなって、
さらに、その家族写真を撮る政志(二宮)が、
レンズ越しに見つめて、涙を一粒流すんです。

その涙で、私も泣いてしまいました。
これが、一番心に残っているシーンです。


俳優・二宮和也。

これまでもたくさんの賞を受賞してきて、
様々な演技を評価されてきたニノですが、
私は、この映画でのその演技はまた輝いているな、と感じました。

まず、10代の青年時代から30・40代のおじさんを演じきってる。
成長過程を表現する、その幅に、本当に驚きました。
全然、違和感がないんです。むしろ普通。それがすごい。

そして、表情が豊か。
上記に書いた涙の演技もそうですが、
セリフはないのに、表情や仕草で何を思っているのか伝わってくる。
これはニノだけではなく、
兄を演じた妻夫木くんや、震災地で活動する学生を演じた菅田くん、
本当に役者さんってすごいと改めて思いました。

そして、舞台挨拶では、
「大切な人は、いつかいなくなります」と言ったそう。
この言葉が、すごく響きました。
「大切な人も、大切な時間も、いなくなるし、過ぎていく」
本当にその通りだと思ったし、
本当に”いま”という瞬間をしっかり大切に生きようと思いました。


好きな言葉。

政志を拾ってくれた、出版社の編集長・姫野希美。
この方が言ったセリフ。

良いモノは良い。そこは今でも私、自信持ってるから。

そう言い切れるのがすごくカッコいいし、
何より自分を信じていることがよく伝わってくる。
私もそうなりたい。

続いて、菅田くん演じる小野くんの言葉。

偶然、知り合いの写真を拾って、届けたらとても喜ばれて。
それが写真返却を始めたきっかけなんです。

親友を探しに、故郷に戻ってきた。
でも、親友は見つからない。
そんな情緒不安定な状態で、人のために動ける小野くんの姿は、
すごく心打たれるものがありました。
果たして私は、そういう状態になった時どう動けるのだろう。

そして、父親・章の言葉。

政志は、なりたい自分になれたらいいなぁ。

この一言から、政志のカメラマン人生が動き始めます。
この言葉がなかったら、何も生まれなかった。
なりたい自分、私もなれたらいいなぁ。


まとめ。

幸せな写真というのは映っている人だけではなく、
その写真を撮影した人の想いも、そこに込められているから、
多分、心が余計動かされるんだと思います。

きっと、これは映画も同じで。

映像として残るのは役者さんですが、
レンズ越しには監督の中野さんがずっと見つめていて。
その中野さんの想いも込められていて、
よりこの映画に対する「愛」が伝わってきた気がします。

日本中、○○家で溢れていて、
それぞれに家族の形があって、それぞれに家族写真が撮られていて、
そんな当たり前のことを改めて気づかされました。

温かさがじんわり伝わってくる、本当に素晴らしい映画です。

なんだか、とても家族に会いたくなりました。


おりょう☺︎


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