何で、どのように、つながるのか。

最近よく聞く、「あの方とはつながってます」「つながりをつくりたくて参加しました」という場合の「つながる」は、”知り合い”とか、”知り合う”の代わりに使われているように思います。何気なく使っている言葉こそ、シビアに取らえていくと面白いです。

以前、記事でも触れたつながりを科学する「地域コミュニティブランド」の考え方では、「つながる」というと、必ず「どのレイヤーで?」と返ってきます。そうすると最初は「え?」となりますが、これがわかると世の中が実に興味深くなります。「つながり」を色々と分析してみたくなります。

地域コミュニティブランドでは、「つながりのレイヤー」を4つと定義しました。これが画期的だと思います。

概念・理念・コンセプト
 「世界の貧困を無くしたい」のように、「こんな社会を目指したい」みたいな大きな目標や目的などビジョンがこれにあたります。

活動
 理想を実現するために必要なのが活動です。ビジョンを実現するための活動は複数あります。自分が行う活動もあれば、どこか別の場所で行われている活動もあるかもしれません。企業であったり、団体であったり、個人であったり。主語も様々です。

オブジェクト(モノ)
 活動から生まれるのがモノです。と同時に、活動を背景に生まれた製品もいくつあっても構いません。

機能
 モノに付帯するのが機能です。

具体例を示しますと、「世界の色々な人と人種や国を超えて繋がりたい・繋げたい」みたいなビジョンがあるとしましょう。すると、企業であれば、“どのような場所でも簡単に繋がれるための製品作り”をしたり、“リアルなイベントを通して、色々な国でつながれるような仕組みを作ったり”するかもしれません。この“企業を運営して製品を作るプロセス、“イベントを行うための準備段階”、これらを「ビジョンを実現するための活動」と捉えることができます。活動があれば、製品がアウトプットされます。ガラケーやスマホというプロダクトであったり、または、国連が主催するイベントということも考えられます。これが「オブジェクト(=モノ)」です。そして、最後に、ガラケーのiモードスマホのアプリイベントの中のコンテンツそのものなど、これらが「機能」ということになります。

地域コミュニティブランドの中で、もっとも着目しているのが「活動」です。

製品作りのプロセス(物語)がプロジェクトXのようなドラマを産み、作り手の思いやメーカーの覚悟に触れて、実際に製品を購入したり、苦難を乗り越えたのちに世界に送り出されたプロダクトを同じ日本人として誇りに感じたりすることがあります。活動がドラマに可視化されるたためです。活動は「共感」が起きやすく、この共感こそがつながりの源だとしています。

活動を物語として可視化することで、それを見た人に共感が生まれ、共感の結果、賛同してコミュニティにジョインしたり、新しい活動が興たりするのです。

4つのレイヤーの違いを知ると、至るところで起きていることに気づきます。会社の会議でも、レイヤーの違うことが同時に語られていたり、レイヤーが違うまま議論していた結果、矛盾が生まれ、それにも気づかなかったり、そのような状況に陥った時は、議論を整理してレイヤーごとに話をしていくか、それが許されない場合は、参加しないのも一つの選択肢です。

「何」で「どのように」つながるのか?の「何」とは4つのレイヤーのことです。「どのように」とはつながりのトポロジーのお話ですが、それは別の機会に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?