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古民家に住んでいる話 12

ここ最近は応接間の事ばかり考えていた為、前回の記事に引き続き応接間の進展について書く事にする。

前記事で触れた床板の軋みについてだが、これは安易に合板を買って床の上に置く事にした。重さの分散にも補強にもなるのでしばらくはこれで大丈夫だろうと思う。床板を弄るような大幅なDIYは少なくとも今はしたくないしな。

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ただしこのままではダサいというレベルではないので、上に絨毯を敷いて誤魔化す事にした。見栄えも良くなる分一石二鳥である。

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前記事では喫茶店に必要なものとしてBGMを挙げたが、これからの時期は涼しさというのも確実に必要になってくる。冷房を付ける気もないので、インテリア要素を兼ねて古い扇風機を買った。

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ほぼ全パーツが金属製で、かなり重い。首の角度を変えられないものかと力任せに曲げてみたところ・・・・・・

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折れた。金属でもへし折ってしまうとはパワープレイが過ぎたか。

液体ハンダで固めたので、首が回りはしないが一応使えるようになった。風量も存外あり、使用には十分堪え得るものだった。

コードをどう伸ばすかについては、応接間の入口にカーペットを敷きその下に隠す事にした。入口っぽさも増してよい。

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都合の悪い物は見た目の良い物で隠す。基本である。

あとは先日買ったアイリスオーヤマの除湿機を時折使うようにすれば問題ないだろう。1日で数ℓ水が溜まる様を見ると水取りぞうさんを買う気が失せてくる。


ところで、俺は間違ったものが大好きだ。昔信じられていたもの、と言ってもいい。武器軟膏、トレパネーション、骨相学、反地球・・・・・・そして、当時は正しかったもの、例えば世界地図。

古代ギリシャの賢人達は考えた。

「地球は丸い。円周まで計算した。それはいい。しかし、我々が知っている大陸はあまりに北半球に偏っている。南にもなんかデカいの無いとバランス悪くね?」

というわけで生まれた概念がテラ・アウストラリス・インコグニタ、即ち未知の南方大陸「メガラニカ」である。メガラニカという名称は大航海時代にマゼランが南米のフエゴ島をこの南方大陸と勘違いして名付けたもので、以降ニューギニア島やオーストラリア、ニュージーランド等で「これメガラニカじゃね」が繰り返され、18世紀に英王立協会から発見を頼まれたクック船長が南極を発見するまでその存在は信じられていた。メルカトル図法で有名なゲラルドゥス・メルカトルが描いた世界地図にもかなり広大なメガラニカが描かれている。

このメガラニカが描かれた世界地図が欲しかった。ので買ってみた。

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ポスターである。1626年、イギリスのジョン・スピードという人物が作成したものだという。ご覧の通り南極周辺に広大な土地が広がり、メガラニカと記載されている。

折角なので装飾ゴリゴリの金色の額縁に入れたいと思ったのだが、絵に合わせて作られたポスターなので少し困ったサイズだった。546×約420mm、A2が594×420なので横が少し余る。まあ入ればいいか、と骨董品屋に行ってみたところ546×450mm前後というよくわからんサイズ比のそれっぽい額縁が安く売っていた為買ってきた。上下の余りならばやりようはある。

まず、やはりそれっぽいフォントで「1626 John Speed」と印刷する。次にそのコピー用紙を適当なサイズに破り、紅茶に漬けて放置する。取り敢えず1晩寝かせてみる。

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紅茶染めと呼ばれる衣類用の手法だが、古紙っぽい紙を作りたい時にも使える。後で気付いたのだが、漬ける前の段階でシワクチャにしておかないとムラができないらしい。

綺麗に染まってしまった。綺麗じゃダメなのでこの場合はちょっとした失敗。

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次に少し汚す、若しくは焦がす作業。煙草の火を押し付けてそれっぽい痕をつけた例を同人誌即売会で見た事があったので試してみたが、炎上しないよう紙が少し湿気った状態で作業したところ煙草の火が負けてしまった。近くにあった蚊取り線香で試したところ大変上手くいった為、縁を焼きつつ所々焦げ目をつけた。その後破れないよう気をつけながらシワをつければ、こうなる。中々悪くない。

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そしてこれをポスターの下の余白に入れる。

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後ろの木の板が見えているのもダサいので、100均で茶色のフェルトを買って切って合わせてみた。

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完成。中々洒落たものが出来上がったじゃないか。一緒に買ってきたマリア像も飾る。

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うむ、存在感も申し分ない。

他に黒電話等も買ってみた。電話線を繋げれば使えるだろうが、現状繋げようがないのでただの飾りである。

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他にも買ったものが幾つかあるが、来訪時のお楽しみという事で。


・・・・・・あとは時計か。これが中々の難問で、振り子時計が欲しいのだがどうしたって高い。しかし数ある骨董品の中で最も繊細なものの1つであり、安物を買うと長期間動かせるか危うい。時計さえ買えば後はマキシマリストとして満足できるまで置物や飾りを買い続ける段階に入れる。次の来客は今月下旬の四連休、それまでには欲しいところである。

然らば。


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