YAMAP PRマンガコンテストで"どうすれば勝てるか"を考えたこと
いまマンガ編集者の佐渡島庸平さんが主催するコルクラボマンガ専科に通っていて、そこで実際に企業を巻き込んでのPRマンガコンテストがあったんですが……
なんと大賞をいただきました…!!(賞金よっしゃーーーー(本音))
企業は登山アプリYAMAPさんで、「山登りっていいな!」と思えるマンガを1~4Pで描く!…という課題でした。それで自分が描いた漫画はこちら↓
YAMAPの公式でも掲載されていますので、こちらもぜひ。
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前置きが長くなりましたが、自分がどのようにして「このコンテストに勝とうと打算的に考えていったかの思考」を紹介したいと思います。(あくまでも結果論です)
というのも自分は本業はCMプランナーで、絵コンテなどでまぁまぁ絵は描いてきてますが、漫画歴は今年の4月から(マンガ専科の選考課題で)というビギナーでした。普通に挑んでしまうと経験値ある同期に負けてしまう…。
課題は(ある意味本業の)広告だけど、表現方法は慣れていない漫画。でも広告プランナーとして自分はまだ若手だよーーー。。。
と当時は思いつつ、これからの自分の仕事にも活かせそうだったので、広告の先輩から教わったことを思い出しながら挑んでいきました。
情報説明のエンタメ化
まずは登山アプリYAMAPのPR漫画で、守るべきことは以下の2つ。
①「山登りっていいな!」と思える内容
②YAMAPアプリの機能を知らせる(電波がなくても地図が見れる・登山記録がシェアできる・第三者が登山者を見守れる機能)
ここでいう(バナーとかである)広告漫画の危険性としては、スペックの押し売りで逆に視聴者に嫌われてしまうこと。なので最初は「機能はそれとなく言って、山登り描写を厚くした方が良いのかな…」と思った時…
YAMAPの方が機能の一つである「見守り機能」について語ってる記事を読みました。
この記事を割愛していうと、以下の通り。
「見守り機能」は山ですれ違った人の位置情報をYAMAPのサーバーに送ることで、電波が届かない場所の位置情報もスマホだけで共有ができるという点で画期的。山岳救助にも役に立つ情報にもなる。誰しもが持っているスマートフォンさえあれば、安全登山のネットワークに加わることができる。社会的意義のある機能。
もしかしたらYAMAPが一番言いたいことはこの「見守り機能」なのかなと。
機能で言うと「電波がなくても地図が見える」に目がいきがちですが、記事の中で「オフラインでも自身の位置情報を共有する技術やツールは、すでに存在します。」と書かれており、YAMAPならではでない。
…ということで「見守り機能を描くぞー!」と思ったんですが、YAMAPさんの記事を読めばわかると思うんですが、見守り機能をちゃんと正しく説明すると長くなっちゃうんですよね…。。広告漫画として嫌われる可能性大…。
そんなときに以前とあるクリエイターさんとインフォマーシャルCM(商品の情報を詳しく紹介するCM)のお仕事をした時におっしゃってたのが、
「説明的でご都合主義なCMは面白くないけど、あえてそれをド正直にやってエンタメ茶番化すれば面白くなる。つまり、情報説明のエンタメ化」
…なんか良い言葉思い出した気がするーーーーーーーー!なので「見守り機能」を面白く説明できるフレームを思いつけたら、一歩先にいけると考えました。(よっしゃー!)
が、思いつかねーーーーーーーーーーーーーーーー!!
ってことである程度方向性が決まったとこで、一旦違うやり方でアイデアを出すことにしたのでした。
あとこれを踏まえてですが、「山に登ったら、新しい自分に出会える」路線の漫画が多くなりそうだなと予感。同じような方向が増えると自分の作品が目立たない&似た内容だと画力のあるベテラン同期が有利になる。
というわけで、自分はこの路線は描かないことをまず決めました。
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エッセイ思考が役に立った、自分の経験を思い出すこと
CM企画を考える上でよくやるのが、自分の経験を思い出すこと。自身が体験したことは説得力が増します。僕自身あまり登山経験はないのですが、中学校の林間学校で山に登った時のことを思い出しました。
山登りはやっぱきつい…、そしてその時思ったのが「ロープウェイで楽して登りたい…」でした…笑。登山の醍醐味ゼローーーーー!!…ん?醍醐味ゼロ?それって登山好きには地獄…?
過保護なお母様が可愛い娘を可愛がるがあまり、登山好きな婚約者との結婚を許さず、説得バトルでもし負けたら「今後の登山人生、すべてロープウェイよ」って言わせたら情報伝達のエンタメ化できるのでは…?
まじでこれ一気に思いつきました笑。でもここまで一気にエピソード化できたのは、マンガ専科の課題(一日1P漫画)で書いてるエッセイ漫画で思考回路が鍛えられてたのかなーと思います。
今回の記事とは直接関係ないですが、こういう感じでマンガ専科ではスキルアップする予定です↓↓ そう言う意味でエッセイ漫画で情報整理は鍛えられたかも。
あと登場人物の名前で遊んだのは、漫画「とっても!ラッキーマン」の影響ですw(不細工です代の語呂が一番好き)
そんな感じで、婚約者(のぼる)がYAMAPのスペックを説明するたびに過保護な親(いや代)が発狂するという情報伝達のエンタメフレームを考え、一気に描き上げていきました。
本当はネタ的にお屋敷内で全て終わらせようと思ったのですが、登山アプリなのでしっかり登山描写を入れるのはマストだと考え、普段描き慣れない背景をがんばって描きました…!
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最後に本当に伝えたいこと
CMでもそうですが、「結局これって何を伝えたいんだっけ?」を思い返すことが大事です。(企画性にとびすぎて忘れちゃうことがあり)
ここで最初に提示した守るべきことの2つは守れている。山登りの楽しさとYAMAPアプリのスペック。でもこのYAMAPアプリの存在意義って…。
第三者を安心させること、なのかなと。
登山は楽しいですが、他のレジャーとくらべて危険性が高い娯楽です。登山の帰りを待つ第三者(親・子供・友人)を安心させる取り組みを、YAMAPが全力でやっている。これをしっかり残したい。
当初はやられっぱなしで終わる予定の過保護な親(いや代)が救われる終わり方がベストだと考え、事故で夫を無くしたため、必要以上に娘に過保護になってしまったという設定を加えました。
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というわけで以上でした!
締切が8月中旬で、漫画を描き始めてから4ヶ月ちょっとでしたが、仕事でもマンガ専科でも習ってきたことをしっかり出せたかなと思います。これからもちょいちょい漫画のメイキングをnoteに描けたらなと。
ちなみに初noteでしたが、書き方はコルク所属作家の吉本ユータヌキさんのを参考にしました…笑。以前お見かけしたnoteの書き方をがっつり勉強させていただきました。
そんな感じでコルクラボ漫画専科の最終課題まで(10/18)しっかり描き抜けたいと思います。最後まで読んでくださりありがとうごさいました!
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