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新人オペレータさんを短期間で育成する極意とは?

今回のテーマは、「新人オペレータさんを短期間で育成する極意とは?」です。

先日もある大型のコンタクトセンターのセンター長から、「うちのセンターのオペレータさんは1年以内にどんどん辞めちゃうんです。どうしたらいいですかね?」と相談されました。

そのセンターは、覚えなければいけない業務知識が多いセンターだそうで、マルチスキルを付けさせるために入社時から結構ハードな研修を受けさせているとのお話でした。

辞めていく原因は、そこにあるのではないかとセンター長は予想されていました。

新人オペレータさんに覚えてもらう量はめちゃめちゃ多いけど、限られた期間で育成しなければならない訳です。

もし、あなたがこんな相談を受けたら、どう回答しますか?

ちょっとだけ自分の頭で考えてから、次に読み進めて頂ければと思います。

新人を短期間で育成する極意は、色々ありますが、今回は2つだけご紹介したいと思います。

1、最初にたくさん教えない

えー、覚えてもらわなきゃいけないものがたくさんあるんだから、最初にがっつり
教えるのが当たり前じゃないの?と思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、あなたも一気に詰め込み型で教えられて、覚えられます?

特に求められる業務知識量が多いセンターのSVは、

「自分は、そうやって覚えてきた。」
「自分ができるなら、みんなもできるはず。」
「やってもらわないことには何も始まらない。」

と口々に言います。

私の場合は、どっちかと言うと、歳のせいか、最近物覚えが・・・という方ですけどね^^;

覚えてもらわなきゃいけない業務知識が多いと頑張って教えなきゃという気持ちになりがちですが、
実は、誤解しています。

何を誤解しているかというと・・・

覚える量が多いと、最初にたくさん詰め込みしがちですが、それが逆効果なのに、それに気付いている人は、ほとんどいないのです。

だから、めちゃくちゃ詰め込もうとします。

例えて言うなら、お腹いっぱいの人にチャーハン大盛りを食べろ!!!と言っているようなものです。

そうこうしているうちに、「私には、こんな量覚えられないわ。」そう言って、オペレータさんは辞めていきます。

ところで、私は、数年前、あるコンタクトセンターを立ち上げる際に当時の社長から呼ばれました。

社長から言われたことは、「新センター立ち上げに関する育成計画を見せて欲しい。」でした。

当時は、社長もこんな細かい所まで気になるんだなと思いながらも、指定された期限までにこれまでの育成方法をまとめ、社長の所に持って説明に行きました。

社長:「現状、オペレータの育成にどれくらいかかっていて、センター立ち上げでどれくらいの期間をかけるつもり?」

私:「新人オペレータさんが電話を一通りの問い合わせを受けられるようになるためには、通常、2ヶ月程度ですので、新センター立ち上げ時も約2ヶ月程度要すると見ています。」

すると、社長は・・・

社長:「それは、かかり過ぎだ。半分の期間でできないのなら、その育成計画は、承認しない。」

えっ!?半分の1ヶ月。

えーっ、半分。。。

CoCoの「はんぶん不思議」(あ、古い!?)という曲が頭の中で、何回もリフレインします。
社長からオーダーされたのは、半分の期間。

しかも、そうじゃなかったら、承認しないときた。

もし、あなたなら社長からそんなことを言われたら、どうやって計画を見直しますか?

1週間くらいの短縮であれば、なんとか効率化を図ってやれそうですが、半分の期間ですと、今までの延長線上で考えても実現することはできません。

小手先の改善では、できないのです。

なので、ゼロベースで研修を組み立てることにして、育成期間を半分にすることにしました。

当時は、マルチ対応のオペレータを育成するための研修になっていましたので、
当然、最低2ヶ月分かかってしまいます。

そこで、私は、身につけるべきスキルを4つのステップ(A、B、C、D)に分けることにしました。

図2

まず、Aというステップです。Aというのは、一番簡易な問い合わせ対応です。
A→B→C→Dと進むに従い、問い合わせ内容がだんだん難しくなっていきます。

Aが対応できたら次はBの問い合わせ対応へといく訳です。
段階を踏ませることで、できるオペレータさんをどんどんスキルアップさせていきます。

まだ当時は、他拠点でも同じ問い合わせ対応をしていましたので、新センターは、まずAの問い合わせをさせ、他拠点は難しいマルチのD(A〜D全ての対応をさせますが、Aを除くBCDの対応をさせた)の対応をさせるような仕組みで新センターを徐々に自立させていったのです。

新人さんには、少しずつ教えて、覚えられるようになったら、どんどん量を増やしていく、これが新人育成の実は一番の近道なのです。

続いて、2つ目です。

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