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高校数学【確率分布・正規分布】 〈3〉 分散

 「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。
新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。
 では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。
 次は、〈分散〉です。

〈確率分布〉→〈平均値〉→〈分散〉 =V(x)

・「分散」とは事象に該当する対象の散らばり具合を表す数値です。平均値の近くに集まっているかどうかを数値化します。大きければ散らばっていて、小さければ平均値の近くにまとまっているというイメージです。
・ところが、平均との差分を2乗した値を処理するので、「大きい」、「小さい」の値の程度がわからないのです。
・どの程度を大きいと考え、どの程度が小さいと捉えるかは、その場合によるので、、、、、困りものです。(実は、数学的な意味合いはしっかりあるのだけど)
・統計では、曖昧なままで扱う数値がたくさん出てきます。「ある程度大きい数」「十分に大きい数」というのもあったりします。「分散」は、そのうちのひとつでしょう。(ベクトルの「内積」もです)

[解法1]
①例えば、下記の「確率分布」(表)では、
 V(x) ={( X[1]-m)^2+(X[2]-m)^2+(X[3]-m)^2+(X[4]-m)^2+(X[5]-m)^2}/5
で求められます。
② 『(値と平均値の差)の2乗』の平均です。
③ 覚え方は、(x-m)^2+(x-m)^2+………の平均 くらいで良いと思います。

[解法2]
④ 公式がもうひとつあって、こっちがよく出題されるし、よく使われます。
 まず、(値を2乗した数)の平均値を準備します。
 E(x^2) ={X[1]^2+X[2]^2+X[3]^2+X[4]^2+X[5]^2}/5 =(2乗の平均値)
 次に、普通の平均値
 E(x) ={X[1]+X[2]+X[3]+X[4]+X[5]}/5
 も確認します。
⑤ 分散は、(2乗の平均値)から(平均値の2乗)を引いて
 V(x) = E(x^2) - {E(x)}^2
 文章で書く方が、ややこしいので、ぜひ、式で覚えましょう。

[Method]
・(2乗の平均値)と、(平均値の2乗)が、とにかくややこしいです。
・手順を踏んで、必ず、E(x^2) を予め計算しておくことをお勧めします。
・標準偏差 σ(x) = √V(x) で求められます。この標準偏差は、この後多用される数値でもあり、統計的に重要な数値です。その前段階の数値くらいのイメージでも良いと思われます。
・このように、必要な数値を準備してから計算すること、スモールステップと呼びますが、この手順が数学ではとても大切です。あらゆる解法は、スモールステップの積み重ねです。ひとつひとつをすっきりして、脳をクリアにして、次のステップに臨むことで、数学が難しさから逃れられるかも!

「確率分布」(表)=「値と確率の表」
X | X[1]| X[2]| X[3]| X[4]| X[5]|計 
P | P[1]| P[2]| P[3]| P[4]| P[5]| 1 


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