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物静かで口下手な社長を支援する

我が社は今、従業員の方にアンケートのようなものを毎月回答してもらい、組織や自分自身の状態を数値化し職員定着率UP&組織の課題改善と言ったツールを販売する、という事も行っている。
このツールを使いながらコンサルティングを行っている、そんな感じですね。

このツールを扱い始めてから介護以外の会社様との接点が非常に増えました。
このツールに関しては導入提案の営業も私が行っています。
大手の会社もあれば中小企業もあります。

昨年、大手の営業系の会社の専務に提案の機会がありました。
ひと通り説明させていただいた後、その専務はひと言。
「そんなアンケート行って意味あるの?」

!!!

「従業員にアンケートを聞いてもしょうがない。やることはやらなきゃいかんし、やりたくない奴は別の会社にいくしかない。それだけ」

おっしゃる通りです。
貴社の考え方がそうならばそうで構いません。
提案すると
「良いツールだと思うけどねー、また導入を検討させてもらうよー」
といってさほど検討もせずに時間だけ過ぎていくという企業よりもハッキリと言ってくださるこのような会社の方が気持ちいい。
いろんな考え方があるのでその価値観を否定するのはお互い不幸だ。

そんな中、昨年末ビルメンテナンスの会社社長へこのツールを提案した。
もの静かな社長、話を聞いてもらうくらいで終わるかな、と思ったら
「是非導入させてください」
即決。
私がビックリしたくらい。

導入後、半年、毎月従業員や組織改善について定例ミーティング。
その会議には社長だけでなく、現場責任者、労務責任者も同席。
委託された場所へ派遣されていくスタッフは50名ほどいるが、社員は社長含めても10名も満たない。
その為、毎回の会議でも個別の従業員様の対応方法を私が一般論としてレクチャーする、という時間が多かった。

昨日の打ち合わせでは少し雰囲気を変える為に社長へ質問した。
「御社は理念浸透やビジョン共有といったことは社員さんとされていますか?」
少し表情が曇る社長。
「理念とかそういうことを浸透させていく企業は多いと思うけど俺はあんまりよくわからないんだよな…、押し付けになっちゃうというか…」
言葉を選びながら話す社長。
この社長は失礼ながら流暢に言葉が出てくるタイプではない。

私がビジョンの必要性を一般論で話す。
しかし社長の表情は曇ったまま。
「しみずさんの言う事は何となく分かるけど申し訳ないけど今の自分には何となくしか分からないですね」

迷いながら答える社長。
「私も含めて口下手で人間関係も上手に構築していくタイプの人間はうちの会社ほとんどいない。そんな子たちに偉そうなことを言っても正直分からないと思う、俺の説明も下手な所あるけど。でも一生懸命やってくれる子たちがいる。俺自身、本当にこういう相手の気持ちとか組織改善とか苦手。正直やり方も分からないし嫌い。でも必要なんだろうな、とどこかで思っている自分がいる。だから半年前しみずさんの提案に受け関わってもらい、1ヶ月に1回くらいはこのようなことに向き合う機会を作っているという状態ですかね、ここにいるメンバーにも話したことなかったけど」

社長の想いを初めてここまで聞いた。
物静かで口下手な社長。
「社長、それでいいんですよ、幹部の皆さんと一緒に悩めばいいんですよ」

こんな社長と出会え、一緒に取組が出来ている。
絶対にこの社長のチカラになる、さらに深まる私の気持ち。

自分の仕事の幅は確実に広がっている。

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