見出し画像

『豆乳は伝統的な健康食品ではないのですか?』というご質問について

画像1

大豆食品については体に良いのか否か賛否両論たくさんの記事が出ています。ご質問にお答えしますが、この問題について、だいぶんコンヒューズしておられるようですから、ご質問を整理しながらお答えしましょう。

先ず、豆乳は昔から摂取されていたということですが摂取方法は地域によって差がありますが、日本で日常的に摂取していたようなことはないと思います。日本に限らず中国でもそうですが、豆乳は豆腐を作る過程の産物ですから摂取していたのは豆腐で、豆乳はまれに料理に混ぜるなどの嗜好品にすぎませんでした。

日本で豆乳が日常的に摂取されるようになったのは、某メーカーが、1970年代の終わり頃に、健康食品として発売しスーパーが販売するようになってからです。それ以前は、大量生産もされてませんし、スーパーを中心にした現在のような大量小売りシステムもなかったので、一部の消費者がそれぞれの町で、豆乳を売っていた豆腐屋さんで購入していた程度です。

従って、日本人が昔から健康のために豆乳を日常的に摂取していたというのは事実ではありません。つまり、豆乳は日本人の伝統的な健康食品だったという事実はありません。

次に、豆乳が健康に悪いという論拠ですが、少なくとも当方のサイトに掲載している関連記事については、米国の科学者の主張であり、米国食品産業の実情が背景にあります。ご存知の通り、米国の白人集団による既得権は、日本の既得権などとは比べ物にならないくらいとてつもなく巨大です。その巨大勢力の影響力の大きさは、未だに米国では、GMO表示規制義務がまったくないという事実で分かるとおりです。

従って、ほぼ100%の豆乳は、遺伝子組換ラウンドアップレディー大豆が原料ですから、確実にGMO大豆の有害性があります。

又、町の豆腐屋さんが、昔ながらの製法で大豆を十分に水に浸してから磨り潰して、きれいな大量の水で煮て自然毒を含んだ灰汁を取り除きながら製造する豆腐や豆乳と、大きな工場で、水に浸して豆を柔らかくする時間を省くためにアルカリ溶液に浸し、そのまま圧力釜で煮て、自然毒を含んだ灰汁を取り除く手間を省くために様々な化学添加物を混ぜて製造するメーカーの豆腐や豆乳とは、商品名は同じでも似て非なる物です。

職人さんが、昔ながらの伝統的製法でつくる物とちがい、商品によっては、工場で量産される商品は、製造過程で多種の化学添加物が混入されることによって、大豆の栄養価は完全に失われ、それどころか、新たな生成された有毒物質やカモフラージュのために添加される不適当なサプリメントが体にとってたいへん有害だとされています。

日本中で大型スーパーが蔓延し、昔ながらの商店街のお豆腐屋さんは、年々、数が減っています。

ご質問にある伝統的な食べ物とは、昔ながらの製法で職人さんがつくっていた物のことです。スーパやコンビニで売っている豆腐や豆乳は、商品によっては、日本人が摂取していた伝統的な食品ではありません。

まとめましょう。

豆乳は日本でも昔から飲まれていた伝統的な健康食品ではないのですか?

日本では、昔といっても、江戸時代あたりから庶民も豆腐をよく摂取するようになったようですが、当時の市場状況からして、誰もが豆乳を日常的に摂取していたような事実はありません。又、工場で上記のような製法で造られる豆乳は、けっして、伝統的な健康食品ではありません。

体に悪いのなら昔の人も飲むわけないと思います。
それについてはどう思われますか?

昔の定義によりますが、豆腐が中国から日本に伝来したのは奈良時代の頃です。その時代の消費者は、豆乳など日常的に摂取する市場環境にはいませんし、豆乳などほとんどの消費者は知らなかったと思われます。江戸時代になって、豆腐の消費者が増えますが、それでも、現在とはまったくちがう食市場ですから、多くの消費者が豆乳を現代のように日常的に摂取していたという事実はまったくありません。

従って、豆腐が伝来した奈良時代以降江戸時代までの消費者のほとんどは、現代の消費者のように豆乳を日常的に摂取していません。又、江戸時代以降1970年代の終り頃まで、ほとんどの消費者は豆乳を日常的に摂取していません。
つまり、体に悪い云々の前に、大方の昔の人は豆乳を日常的に摂取していません。

ご参考になれば幸いです。

 MKC INSTITUTE of FOOD TECHNOLOGY
Copyright© 2012 - 2022 All Rights Reserved