全ては逆から考えよう 「成功はすべてコンセプトから始まる」を読んで
この本の内容を本当に短い言葉で伝えようとすると、
「コンセプト・ドリブン」な生き方をしよう
これに尽きるのではないかと思います。
本書では、「面白いが、かなり難しいこと」の実現にチャレンジする
と説明しています。(これ、序章にあたります)
まず第1章では、「実現可能性」と「コンセプト・ドリブン」思考を
「インパクト」の違いで対比しています。
「実現可能性」とは日常の思考法でほぼ回っていると説明しており、
「いま、すでにあるもの」「前例がある」こんな現状から考えてしまいがちになってしまう。
トヨタのカイゼン(在庫ゼロを目指す)
橋下徹氏(大阪都構想)
お役所がらみのベンチャー
などいろいろな具体例を交えて、違いを説明しています。
そして、個人的に思うのは、本書は、第2章と第3章が「肝」なんじゃないかと思います。
第2章 いいコンセプトを生む クリエイティブ思考の技術
この章では、具体的なコンセプト立案の具体的プロセスの説明となっています。
その方法として、「オリジナル」と「リソースフル」という概念で、
対比して内容を説明しています。
オリジナリティという幻想に警鐘を鳴らしていると言えるかもしれません。
経験値の多さ、引き出しの多さなど、まずは自分が持っている
「リソース」を増やそうよ!と。
そのうえで、リソースフル → クリエイティブ の順番が
大事と言っています。
注意したいのは、
クリエイティブとはオリジナリティではないということです。
本書でも、クリエイティブ=「既存のものの組み合わせ」により面白いものが発想できる能力と説明しています。
本書では具体的なノウハウなど詳しく説明されており、詳細は本書をお読みになって欲しいのですが、自分の印象に残った内容を1つお伝えしておきます。
◼︎視点を動かす
垂直・水平のマトリクス(本書p79)
これだけ、意識できるだけで、結構視点の幅が拡がるんじゃないでしょうか。
そして、
第3章 アイデアをお金にする ビジネスモデル発想法
ここでは、事業コンセプトの本質は継続性=サステナビリティ
であると説明しています。
そして、本書で最も大事だと思うのが、
ビジネスモデルの「三本柱発想法」です。
◼︎顧客 (誰に)
◼︎提供価値 (何を約束するか)
◼︎その根拠 (その約束が守れる理由)
すごいシンプルですよね。でもシンプルだからこそ、使えるものなんじゃないかと思います。
そして、この「三本柱発想法」では、「順番」も大事であると説いています。
「顧客」→ 「提供価値」 → 「その根拠」
この順番が大事であると。
製品開発より「顧客開発」
起業されて成功し続けている方の話を聞いたことがあるんですが、
その方も、この順番を大事にされていました。
(✖️)商品を作る → 販売する
この流れでは絶対にしない。
販売する(商品ができてなくても) → 売れたら商品を開発する
この流れが、ビジネスを継続し続けていくうえで大事な流れであると。
この考えにも通じることがあるなと思いました。
(第4章、終章もありますが詳しくは本書をご覧ください。)
ここからは個人的感想なんですが、
今までいろんな本を読んだり、
仕事をしてきた中で朧げながら考えてきたこと、
それはすべて「逆」から考えることが大事なんじゃないか。
というとことです。
例えば、投資の世界でも「右向け左」と言ったり。
「反脆弱性」という本でも一般の考えとは逆なことが語られています。
(ナシーム・ニコラス・タレブ著 ダイヤモンド社)
思いっきり簡単に説明すると、こんな内容です。
◼︎脆弱性
一般に考えられているリスク=避けるべきもの
これを続けていることで、致命的なダメージとなって返ってくる。
◼︎反脆弱性
本来は、小さなリスクを繰り返し受けることで、大当たりを引き当てることができる
どうしても安心感が欲しくて、みんなと同じことをしたがってしまう
と思うんですが、
この大衆思考・正解思考という考えから「どう抜け出すか」
これ、重要なんじゃないかと思います。
思えば、小学校時代からずっと、正解=みんなと同じ答えを目指す
この生き方に慣らされ続けているんで、抜け出すのは難しいですよね。
正解=みんなと同じことでは確実になくなっている時代、
本書を参考に「「面白いが、かなり難しいこと」の実現にチャレンジしてはいかがでしょうか。
https://amzn.asia/d/4GM6gxp