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【地域で輝く学生vol.19】園田学園女子大学 福崎町のお土産物「ガジロウフェイスパック」の開発

 園田学園女子大学と兵庫県神崎郡福崎町は、2022年4月に地域活性化及び教育活動の充実、発展に寄与することを目的とした連携協定を締結しました。今年度の取り組みは、経営学部ビジネス学科の学生によるお土産物の開発です。
 福崎町地域振興課、(株)PAGEと連携し、「町内滞在時間が短く、観光消費額が少ない」「柳田國男・民俗学と妖怪を結びつける仕掛け不足」といった福崎町の観光振興の課題に対して、学生の視点から民俗学や地域資源を軸にした福崎町のお土産の開発を行いました。

福崎町でのフィールドワーク

 2021年4月に新設した経営学部の1期生5名が、PBL型授業(課題解決型学習)の一環として、兵庫県神崎郡福崎町のお土産物開発に取り組みました。
 まず、2022年5月に福崎町地域振興課と(株)PAGEから、地域の課題や観光施策の現状、文化財ホテル「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」の取り組みの講義を受けたうえで、フィールドワークに臨みました。

「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」の見学


 6月に観光施設や柳田國男の生家などを見学しました。なかでも、妖怪ベンチや妖怪のオブジェ、池から現れる河童のキャラクター「ガジロウ」などの妖怪を活用した観光まちづくりに興味を持ちました。そこで、全国各地で展開されている妖怪を観光資源とした取り組みを調べたうえで、「福崎町民憲章」にある「民俗学のふるさと」による観光をめざすことにしました。

ガジロウ JR福崎駅前

ストーリー性を持ったお土産物の考案

 ストーリー性をもったお土産物が重要だと考え、「柳田國男とガジロウ(河童)」の物語を考えました。「人間の尻子玉をとっていたずらをするガジロウが柳田國男によって改心し、そのパワーを人間のために使うことを約束した」というストーリーです。
 このストーリーに基づき、河童のガジロウになれるフェイスパック、河童の好物きゅうりをあしらったお守り、尻子玉をイメージしたバスボムの3点を考案しました。
 ガジロウの顔を模したフェイスパックをつけることで変身し、尻子玉のパワーを得ることができ、付録のキュウリのお守りを持っている人は河童に襲われないというものです。

福崎町でのプレゼンテーション

 8月に副町長、教育長はじめ福崎町の職員の方々にお土産物の商品企画のプレゼンテーションを行いました。「学生のデザインしたパッケージにはインパクトがある」「ガジロウの顔は白ではなく、赤でもいいのではないか」「バスボムの香りは、福崎ゆかりのヤマモモが良い」「柳田國男についての一言メモやうんちくを入れては」などの意見をいただきました。

福崎町でのプレゼンテーション

ガジロウフェイスパックの完成

 プレゼンテーション終了後、ガジロウのフェイスパックの商品化を進めることになり、2023年3月に福崎町の新しいお土産物として「ガジロウフェイスパック」が完成し、販売されることが決定しました。
 学生は、商品開発を通して、フィールドワークで知った福崎町のことを基本にし、商品企画を考えることの大切さと、自分たちの提案をわかりやすく多くの人に伝えることの難しさに気づくことができました。そして、商品化をすすめていくなかで、商品が出来上がることがゴールではなく、売れ続けていくために販売層や値段の設定、PR方法などを考えていることから、学生が経営学部で学んだ知識を商品開発という場で実践し、そこから新たな学びを得ていることがわかります。

ガジロウフェイスパックのパッケージ
ガジロウフェイスパック

以上

寄稿:園田学園女子大学 社会連携推進センター