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最近聴いているアルバム2021.04


Roxy Music - Flesh + Blood (1980)

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基本的に文句のつけどころが無い完璧な作品。前作『Manifest』までと比べると、ますます毒気の抜けたスマートな作風となってきている。それでも「顔の見えないAOR」(=洗練されていった80年代バンドへの常套文句)などという批判が的を得ないのは、実際Bryan Ferryのダンディズムがいよいよ極まってきており、聴いた人は誰もがその虜になってしまうからだろう。これに代替可能なものなど何も無いのだ。


Slowdive - Just For A Day (1990)

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1stアルバムにしてドリームポップの聖典。ざらついたシンセのレイヤーが目立つ。The Cure『Disintegration』などと同じく、薄暗い大聖堂の中で悲しみに暮れ絶望する1人の人間の姿が浮かぶ。ヘッドホンで聴けば、いつだってそこにトリップできる。異形の物に美を見出す=ゴシックの真髄がここにある。時代から隔絶された名盤だ。


Pavement - Wowee Zowee (1995)

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Pavementにポップさや完成度を求める人には本作は合わないだろうが、ぶっきらぼうな中に見せるちょっとした孤独感やささいな寂しさ、そしてそこに浸る心地良さみたいなものを愛する人にとっては、最も重要なアルバムだろう。マッチョな男のカッコいいシャウトではなく、ヒョロい男の裏返った情けないシャウトにこそ心惹かれるリスナーは、いつの時代にも一定数いるのだ。14,15曲目のエモさに心躍る。


Girls - Father, Son, Holy Ghost (2011)

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とんでもない名盤。軽やかで切ない「だけ」でなく、他のアーティストなら表現に躊躇するような心の奥底のドロドロした情念、そして彼にとって人生とは何か、愛とは何か、それらをシンプルで混じり気のないバンドサウンドで見事に表し切る。そのソウルと迫力に触れてしまえば最後、この世界にどっぷり浸かるほかない。自分の中にインスピレーションが広がるタイプのアーティストにとっては、時代背景など全くもって不要なのである。


Twenty One Pilots - Trench (2018)

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シリアスなムードでもわざとらしさが無いのは歌詞と歌がしっかり地に足着いているからだし、またMutemathのPaul Meanyによるシンセサイザーの極彩色がいくら楽しく耳を刺激しようとも、彼ら固有の曇天/鉛色の核が中心でしっかり存在感を示す様は本当に素晴らしい。2010年代後半のメインストリームロックシーンに残る歴史的名盤と言っても過言ではないと思う。(mainstreamを名乗るブロガーがこのバンドを腐すのは何かの悪いジョーク? )




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