茂木建人 サクソフォンリサイタル(2019/10/20)
『茂木建人 サクソフォンリサイタル』に伺いました。(2019/10/20@アーティストサロンDolce)
サクソフォンの茂木建人(Kento Motegi)さんは桐朋学園大学・同研究科修了。第30回ロンドゥ音楽コンクール(仏)2位、第87回レオポルドベラン国際コンクール(仏)室内楽部門1位など受賞歴多数。現在、サクシデア・アルトサクソフォン奏者、桐朋学園大学嘱託演奏員、ウインドアンサンブル・グラウベン コンサートマスターなどで活躍されています。
ピアノの大嶋千暁(Chiaki Oshima)さんは東京音楽大学を経て同大学院伴奏科修了。第14回大阪国際コンクール デュオ部門1位及びジャーナリスト賞、アジア国際音楽コンクール2013 伴奏部門第2位、第9回横浜国際音楽コンクール優秀伴奏者賞などを受賞され、様々な演奏家との共演のほかオペラのコレペティトゥーレとしても数多くの公演に携わっています。
会場のアーティストサロン“dolce”は、新宿西口にある管楽器専門店「ドルチェ楽器 東京・新宿店」内にある100席程度のサロンホールで、日々管楽器奏者のコンサートが開催されています。本公演は熱心なファン、特に若い聴衆が詰めかけ満席になりました。
プログラム前半はクレストン「ラプソディー」、ハイデン「ファンタジア・コンチェルタンテ」、コルニオ「牧歌と田園の踊り」が演奏されました。クレストンはアルト・サクソフォンの美しく柔らかなレガートによりニュアンス豊かに歌いこまれ、ピアノも的確な場面描写で好サポート。ハイデンはすごい音圧のカデンツァが大迫力で、圧巻のハイトーンで締めました。コルニオは静かでゆったりした中音域で始まり徐々に緊張感を高め、途中のソロや終盤の踊りのリズムを楽しみました。
後半は無伴奏によるソレイ「ラベリントIII」からスタート。高度なテクニックを駆使したスピード感に溢れる圧巻の演奏。トリルや重音による激しい場面から一転するピアニッシモの美しさ。高いテンションで緊張感を持続した迫真の演奏でした。宮澤郁昭「水の音楽」は美しく叙情的なピアノで始まり、優しいメロディーに満たされました。2楽章ではトリルによって明るい煌めきや未来が感じられるようなストリー性の高い楽曲を堪能しました。プログラム最後はシュリード「リニュイング・ザ・ミス」。複雑なハーモニーと上下に駆け抜けるような連符など非常に難易度の高い楽曲を見事に吹き切り、満員の聴衆から大きな拍手が沸き起こりました。
アンコールにカプレ「秋の印象」がしっとりと演奏されてコンサートの幕が閉じました。
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?