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きりく・ハンドベルアンサンブル クリスマスコンサート(2019/12/17)

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『きりく・ハンドベルアンサンブル クリスマスコンサート』に伺いました。(2019/12/17@浜離宮朝日ホール)

きりく・ハンドベルアンサンブル(KIRIKU Handbell Ensemble)は、ハンドベル界のトップ奏者として世界的に活躍する大坪泰子さん主宰による少数精鋭のイングリッシュハンドベル・アンサンブルです。2004年の鮮烈なデビュー公演以来、この楽器の常識を覆す卓越したテクニックと深い音楽性で定評を得ています。アメリカや欧州での公演も多く、”世界一のハンドベルアンサンブル“として熱狂的に支持されています。幅広いジャンルを手がけながら常に進化し続け、その特異性と予想不能の演奏内容から、”異次元のハンドベル”などとも呼ばれています。

プログラムはビンゲンの「智慧の力」「ああなんという奇跡」からスタート。暗くしたステージから静謐な響きが静かに沸き起こり、神聖で敬虔で雰囲気に包まれました。

バッハの「小フーガト短調」では7名の奏者が数多くのベルを持ち替え、細かなパッセージを見事に演奏しました。複数の奏者がまるでひとつの生き物のように動くさまが圧巻です。そして驚くほどの倍音が生み出され、音響に定評のあるホールを満たしました。

ヴィヴァルディの「オルガン協奏曲」では激しく華やかな響き、シューベルトの「アヴェ・マリア」は自然な抑揚と歌い込み、テンポの緩急が見事でした。

前半最後はピアソラの「ブエノスアイレスのマリア」。美しい音が散りばめられた楽曲です。9人全員による演奏でタンゴのリズムと華やかなメロディーが見事に表現され、消え入るppがホールの空間に溶け込みました。

休憩を挟んだ後半は、一転して「クイーン・メドレー」から。ハンドベルでロックとは驚きましたが、よく知られたボヘミアン・ラプソディーなど、足踏みと手拍子を交えながらの演奏で楽しさが伝わってきました。曲想に合わせて音色と響きが大きく変化し、中間部での多彩な音色に夢のような世界を感じました。

そのあとはクリスマスの曲が続きました。キラキラしたサウンドの「ママがサンタにキッスした」、ひそやかでしみじみとした「ザ・クリスマス・ソング」、華やかなサウンドと厚い倍音が魅力的な「鐘のキャロル」、静かに歌いこまれた「樅の木」、ベルトーンが駆使され清らかなメロディーの「オ・ホーリーナイト」と続きました。

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アンコールには、パーカッションも使った陽気な「フェリス・ナヴィダ」と、「クリスマスメドレー」が演奏されました。「きよしこの夜」では聴衆が合唱で参加し、心地よい響きに包まれながら美しいコンサートは終演しました。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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