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クレームからファンに変える。ハンドメイド作家の対応の仕方。

こんにちは。
minneでハンドメイド作家をしている
デザイナーのトクダです。

ハンドメイド販売をしたいけれど、
「クレームが怖くてはじめられない」と
足踏みをしていませんか?

すっごくその気持ち、わかります!
私もハンドメイド作家として
ものを販売するはじめの一歩を
踏み出せませんでした。
「クレームがあったらどうしよう」
作品への自信のなさと
クレームへの不安です。

今回は、

・販売の不安を克服したきっかけ
・実際に体験したクレーム
・気をつけるべきクレーム対応の注意点や考え方

をお話しします。
ハンドメイド作家へ一歩踏み出せない方の
不安の解消につながると嬉しいです。

作家になるまでのクレーム経験を振り返る

私は会社員時代、一度も後輩がいたことがありません。
つまり、ずっっっと電話対応係
その結果、電話がなる前に受話器をとることが特技になっていました。
「電話の着信は2回で取りましょう」と、
教育を受けて昇華した結果です。

そのため、クレームを受けることが多い立場にいました。
私とは関係ないことを、
よくわかっていない私が対応するんです。

小さな営業所だと、
私の長い電話と声のトーンで同じ空間の仲間が察し、
静かになる…

クレーム対応をするとき、
当時の私には目標がありました。

「電話受けた子、いい子だね。
アツくなって嫌なことを言ってしまったから、謝っといてよ」

と、最終的に上司へ「お褒めの声が通る」ようにする!

これが私の評価を上げる道の一つだと思ってました。

営業職と違って頑張りが数字に出ないので、
自分で評価される環境を作るように模索していたんです。
クレーマーから好かれるまでの流れを
実体験していたことで、
ハンドメイド作家としてクレームを受けた時
「ファンに変えよう」と気持ち
を持って
対応することができています。

さて、私がminneで販売をはじめる際に
尻込みしていた理由がクレームへの不安でした。
頭ではわかっていても何が起こるかわかりません。

「お金の取引をするんでしょ?
何か思わないところで怒られてしまったらどうしよう。」

なかなか1歩が踏み出せませんでした。

それでも踏み出せたのは
「好きと思ったものを売って見たい!」という気持ち
です。
何より、
まだ起っていないクレームの不安をする時間が
もったいない
からでした。

クレームを生み出すのは自分次第

クレームはクレームだろうか?

「こうだったら人に紹介するのに。お得意様になりたかったのに。」
そんな気持ちで批判的な言葉を
クレーム」と捉えるか「ご意見」と受け取るか
自分次第だということ
です。

批判的な言葉が届いたとして、
落ち込むことはなく、
その人が本当は何を言いたいのか探ります。
探るためにも、リアクションが必要です。
私が心がけているリアクションについてまとめますね。

謝罪で解決しない

なんでもかんでも、すぐ謝りません。
不快な思いをさせてしまったことには謝罪します
謝罪しすぎると、
相手も「嫌なことをされた気持ちになってくる」ので注意です。

世の喧嘩しているカップルを例にしますね。

彼女「謝ればいいと思ってるの!?」
彼氏 ×「ごめん、、、」
                    ↓
   ◎「不快な思いをさせてごめん。
      どうして怒らせてしまったかわからないんだ。教えてくれる?」

謎だらけのクレームを詳しく把握するためにも、
お客様からお話を伺います
言いたいことを出し切ると、
お客様は冷静になります。
お客様は怖くないので、
親身にお話を聞いて共感してあげます。

【使える文面】
お買い上げいただいた商品でご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。
よろしければ詳しくお伺いさせてください。

返信はスピード勝負

気づいた時点で、深呼吸。
早々にクレームへのリアクションをしましょう。
夜でもメッセージを入れます。

お客様の予定が崩れて困らせてしまうことがあるからです。
「明後日の結婚式に購入したアクセサリーが使いたかった」
のか、
「いずれ参列する結婚式に使おうとしていた」
のか、
対応が変わってくるからです。

お客様が急いでいて困っているのか、
返金が必要なのか、
商品の交換なのか、
解決はお客様ごとに違います。

お客様の都合を把握。
お客様の求めているゴールを確認。

対応について調べることが必要であれば、
リアクションをした上で
「確認して、○日×△時までにご連絡します」と
次の連絡の約束をします。

返信があるかないかは気にせず、約束を優先します。
いつまでに連絡が来ることがわかると、
お客様も安心して待てますよね。

嫌なクレーマーを生まないコツ

はじめに、「クレーマーを生むのは自分次第」とお話ししましたが、
嫌なクレーマーを生まないコツがあります。
それは、価格が高い商品にはクレームが出にくい。
安い商品にはクレームが出やすい。
と言うルールです。
私はクレームが出にくいように、
相場より高めの層を狙って
商品の価格をつけています。

実際に運営していて、
価格が高めの商品のおかげで、
治安が良いブランドです。

どうして価格によってクレームが変わるのか、
消費者の心理があります。

高い商品を購入すると、
良いお買い物をしているはず。
私の扱い方が悪かったのかな。

お客様はこのように考えます。

逆に、安い商品を購入すると
壊れた。お店の商品が悪い。一報いれよう
クレームを生むのです。

クレームの対応で意識すること

会社員のクレーム対応も
ハンドメイド作家のクレーム対応も
意識することは同じです。

①自分ごととしてクレーム対応をする

お客様が悪い。
配送業者が悪い。
犯人を瞬時に決めてはいけません。
だから、以下のような言い回しになります。

✕私のせいではない。
   ↓
○不快な思いをさせてしまって申し訳ない

「指摘してもらわなかったら、
また同じことが起きるところだった」と
捉えるようにしています。

「自分ごと」と
言葉では言いやすいですが
実際は言ってしまいがちな対応がこちら。

「今まで、壊れて届いたという連絡はありません。」
「メンテナンスが間違っていたのではないですか?」
「勘違いではありませんか?」
最初から自分には非がないと言う態度は
火に油になってしまいます。

②お客様を否定しない

「取扱書どおりに洗濯すればこのようなトラブルは起こりませんでした」

こんな対応いかがですか?
お客様の扱いが悪かった。
取扱書を読んでいないお客様が悪い。
事実だとしても否定はしないようにしています。

私は「取扱書の記載がわかりにくくて申し訳ございません」という
視点で対応します。

大企業のパンフレットをデザインする時に
言われたことがあります。
読まれない言葉は
読まれないデザインをokした企業の責任になります。
可愛い商品写真の隅に
「※ぬいぐるみはお届けの商品に含まれません」と
雰囲気を壊す注意書きを見かけたことはありませんか?
あれ、デザイナーだって注意書きをいれたくないんですよ。
でも、企業の責任になる、と言われたら、
見やすい場所に文面を入れないわけにはいかないのです。

③事実をしっかり確認する

現実は想像の斜め上をいきます。

こんなことがありました。
「ダークネイビー」と言う色味の商品を扱っていて
「黒が届いた」とクレームが届きます。
でも、どう確認しても、ネイビーを作っている、、、はず、、、
「家族も黒いと言う」とおっしゃるのは夜遅く。

もしや?と、
「誠に失礼ながら、
照明は暖色照明をお使いになっていませんか?」
翌日、自然光のもとで確認してもらうことになりました。
幸いにも「濃いめのネイビーだった」と
納得してもらいました。
今流行りの暖色の照明は、
オレンジ色が強いので青みを消して
色を黒く見せます。
蛍光色で暮らしていると気づかない、
お客様にとっての普通があるんですよねぇ。

④ポジティブな言葉を使う

言葉選びでお客様の印象が大きくかわります。
ポジティブな言葉に言い換えながら、
お客様に伝えるよう、心がけています。

×  送料をお振込みいただかないと、商品の交換は対応できません。
  ↓
○ 送料をお振込みいただけたら、商品の交換ができます。

⑤自分の主張はしない

子供が風邪をひいて、
バタバタしていて、
慌てて謝った商品を発送してしまったこと。
お客様には関係ないのです!

⑥お客様が何を求めているのか確認する

クレームをくださるお客様は、
興奮して冷静ではありません。
お客様自身が何を求めているか理解していないことが多いです。
その場合は舵をとって
「ご返金をご希望されますか?
それとも新しい商品をお届けしますか?
その場合は□日後、〇〇できましたら、、、」
対応を選んでもらいましょう。
「聞いて欲しいだけだった」なんてこともありますよ。

⑦解決を急がない。

「すみません!返金します!」で
瞬時に解決へもっていくことが
クレーム対応のスピード勝負ではありません。

人と人、話を聞いて、聞いて聞いて、、、
気持ちを受け取った上で対応します。
「お金を返せばチャラになるとでも思っとんのか!」
と言われないようにしましょう。

私がよく使うなんかうまくいくクレーム対応の言葉

この言葉を使えば、
なんかいい感じに対応できるシリーズです。

クッション言葉
・お忙しいところ恐縮ですが…
・大変お手数をおかけしますが
・あつかましいお願いではございますが、
・ご相談させていただきたいのですが、

決め台詞
・お詫び申し上げす
・誤り(手違い)がございました。
・肝に銘じてまいります。
・勉強する点が多いと気づきました。
・お恥ずかしいかぎりです。
・勉強不足でした。
・そこまで考えが及びませんでした。
・返す言葉(お詫びの言葉も)もございません。
・ご不便をおかけしました。
・お手数をおかけしました。
・大変失礼しました。
・心苦しい限りです。

クレーム対応を時短したい

クレーム対応があると
ハンドメイド作家は手が止まってしまいます。
反省の気持ちもあるし
申し訳ない気持ちもある。
でも、時短したい。
心のダメージの他に、
お時間が取られていると思うと
クレームは欲しくないですよね。

私はクレームの対応内容をパソコンに記録するようにしています。
過去と同じような返信は参考とコピぺできるようにして
時間短縮に備えます。


売れれば売れるだけ、
クレームがあると覚悟して割り切って販売していきましょう。

クレーム対応でファンを作る

商品の不備をお客様の説明で理解ができなければ、
着払いで返送してもらう対応をとっています。

「ご協力いただけませんか?」とお願いすると
ハンドメイド作家が勉強する姿勢を
お客様は応援してくれます。


もちろん送料がかかるし赤字です。

商品を新たに発送するときは、
丁寧な手書きの手紙を同封します。

真摯な対応をしていれば、
クレームからリピーターさんに
なってくださった方もいます。

その方からのご注文は、
「やらかしてはならない」とドキドキして
対応しているんですけれどね。

やらかし話

もちろん私が原因のやらかし体験もあります。
初めて、1ヶ月に50人の方へ商品を発送した時、
大阪の佐藤さんと青森の佐藤さんへ、
商品を逆にして入れてしまった理。
多発多発。
その時はもう一度作り直して、
それぞれに発送しました。
お客様に他のお客様へ
送ってもらうようなことは絶対してはなりません。
他人に個人情報を知られてしまったお客様の気持ちが、
より不快になってしまうからです。

このやらかし月間を乗り越えて、
発送時の十分すぎるほどの確認をするようになり
管理体制も完璧。
翌年の繁忙期では、1ヶ月に300人の方へ発送した時も、
発送ミスは1件まで抑えられました。
(ミスしているんかーい!)
このミスは、「発送先住所とは別の住所へ発送してください」と、後々メッセージをいただいたお客様でした。
オーダー品が重なり、時差があってのメッセージ、、、
気づかなかったなぁ。
イレギュラーのお客様には、
パソコンに付箋貼って対処していきたいな。
私の課題です。

対応方法がわからない時の判断基準

想像したことのないクレームはやってきます。
同じようなクレームもありません。
(あったら改善しましょう)
次から次へと新しい壁にぶつかって
「どう対処しよう!?」と迷った時。
返金?電話する?返送してもらう?送料は?
そんな時は、
あなたの好きなサービス抜群のブランドを
思い出してください。

あのブランドだったらどう対応するだろう。
想像して、考えて、
最高のサービスを目指しましょう。
ちなみに、私が想像するのはappleさんとカルティエさんです。

おわりに

作家活動をしていて、
繁忙期にはトラブルが入ることは
自然なことです。

クレームなのか、ご意見なのか、
判断しましょう。

外部からの指摘がないと、
一人で制作しているハンドメイド作家は
管理体制をバージョンアップされません。

お客様の指摘のおかげで管理体制を見直したり、
二度とミスらないという気持ちになる。
だって、時間が無駄なんですもの。

まだ起こっていないクレームを恐れずに
好きなことにチャレンジして欲しいです。
誰かの背中を押せる記事になったら嬉しいです。

もしクレーム対応が必要になった時は、
このノートで復習してくださいね。
またね!


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