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わたしの向きあい方

息子はよく泣く赤ちゃんだった。電球が割れてしまうんじゃないかと思うくらい大きな声で。いまだ息子より大きな泣き声の赤ちゃんに会ったことはない。

まだ言葉が話せないせいで自分の思い通りに事が運ばず、癇癪をおこし、訴えるように大きな大きな声で泣いた。こちらの声も遮られ、耳が痛くなるほどの大きな泣き声は、少しでさえ放っておくこともできないくらいのものだった。とっても意志の強い泣き方だった。

そんな乳児期を過ごしたからか、言葉が話せるようになって、要求を自分から伝えられるようになった魔の2歳は、全然「魔」に感じられなかったし、何かを要求してきた時はすぐ向き合うことが私も自然とできていた。

例えば、スーパーの入口によくあるガチャガチャ。懲りもせずに毎回引っかかってくれる。こちらは早く買い物を済ませたいし、ガチャガチャのおもちゃが本当に必要なものでもないことは明白。

「ダメダメ」「無理無理」「また今度ね〜」

こんな感じで子どもの要求を一蹴したいのは山々だが、それだと子どもが納得しないのは分かっていたし、ヘタすれば「泣きわめき作戦」に出られ、周りの目を気にしなければならないという面倒なミッションになってしまう。

そこで私がよくしていたのが「エア・ガチャガチャ」。

「よ〜し!どれにしようか〜?なんでも選んでいいよ〜」と財布からお金を出して、ガチャガチャに投入!のフリ。
ガチャガチャと回して、すっごくレアものが出てきた!フリ。
ラッキー!!!と喜ぶ!フリ?
お父さんにゲットしたよー!って言おうね、のフリ??
やっているうちに、どこから「フリ」なのか分からなくなってくる。

特に幼児期の子どもがダダをこねたり、ワガママを言ったり、なにか要求してくるということは、その要求を遂行してほしい以前に「ねぇねぇ、こっち見てよ。話を聞いてよ。」と自分の相手をしてほしい、向き合ってほしいという願いの表れなのではないかと思う。

小さな子どもだからといって、うまく言いくるめたり、ごまかしたりしてはいけない。その経験は子どもに何らかの形で蓄積されていくと思う。願いを全部聞き入れることはできないけれど、まずは誠実に向き合うことが大切なんだと思う。

それに、ごまかしてスルーすると、余計厄介なことになるのは、経験済みなんです。笑

(芹川)

#育児

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