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言葉をアップデートさせる

令和三年、未だ立ちはだかる「結婚している他者のパートナーを何と呼ぶか」問題。
みなさんはどうやって対応していますか?

男性であれば「ご主人」「旦那さん」、女性であれば「奥さん」と呼ぶのが丁寧な呼び方、というのが“一般的”な考え方です。実際にこの呼称を使用している人でも、特に意味はなく「それが丁寧な言葉遣いとされているから」という理由で使っている人が多いでしょう。

一方で、この呼称はかつての家父長制の名残を感じさせるようで抵抗感がある、という声もたくさん上がるようになってきました。
わたし自身も、なにか新しい呼び名を定着させたいと考える一人です。悲しいかな、なんの上下関係も感じさせず、シンプルにパートナーであることを表現できる丁寧語をまだ見つけられていないのですが…
夫と一緒にデパートに行くと、高確率で「奥様」と呼ばれます。江戸っ子になりきって「手前は…」と返答したくなるのをぐっと堪えながら、どう対応すべきなのかを模索する日々です。

(余談ですが、指輪を買いに行った際は「男性様」「女性様」と呼ばれました。指輪を買うカップルに様々な関係性があることを配慮してのレギュレーションなのかと推察しましたが、平易な呼び方でいいなと思いました。同性カップルの場合はどうしているのか気になりましたが…)


学生時代、「将来パートナーができた場合は“連れ合い”と呼びなさい」と口酸っぱく言う先生がいました。当時は反抗期真っただ中で、「連れ合い」という言葉が古臭いように感じて抵抗感を覚えていましたが、今になってその先生が伝えたかったことがようやく分かった気がします。
「お連れ合いは…」と自然に使いこなせるようになるには少し時間がかかりそうですが、慣れてしまえば使い勝手のいい言葉かもしれません。

また、韓国語を勉強している知人が「韓国では“家にいる人”」という言い方をする、と教えてくれました。日本語にするなら「おうちの方」という言い方がいいでしょうか。
結婚の在り方も多様な現代には、これくらい平たい言い方もしっくりくるような気がします。

作家のアルテイシアさんは敢えてフランクに「ワイフは元気?」といった感じで話すようにしているそうです。相手との関係性によってはこちらも使いやすい言葉だと思います。


先日、三省堂の国語辞典が改訂された際に、性別や性的役割分担の記述を全面的に見直したという話題がありました(https://mainichi-kotoba.jp/blog-20201121)。
例えば、「恋愛」という単語の解説について、「特定の異性に対して~」という表現を「特定の相手に対して~」とする。
「相合傘」は「一本の傘を相愛の男女が一緒に差す」から、「一本の傘を相愛の二人が一緒に差す」と修正する…といった具合です。


環境は常に変わっていきます(というよりも、特に最近では「無かったことにされてきた」ことが少しずつ可視化されている、と言った方が正確かもしれません)。
その変化に伴い、時代にそぐわなくなってきた言葉を見直し、アップデートしていくことは何ら不思議なことではありません。

なにか言葉に違和感を覚えた時に、「これまでもこうだったから」「大多数はこれで納得しているから」とその違和感を飲み込んでしまうことはよくあります。しかし、言わないだけで同じことを感じている人は他にもたくさんいるかもしれません。
小さなことでも違和感を見過ごさないことが、未来への積み重ねになると信じています。


10年後には全く新しい呼び名がスタンダードになっているかもしれません。
その言葉は誰のことも切り捨てない、シンプルなものであってほしいと思います。


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