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第54話 攻撃者が標的とするアプリケーションの共通点

CIS Controls 16ではアプリケーションのセキュリティについて考察する。

認証情報を持たないアプリケーションの欠陥は、攻撃手段として選ばれています。しかし、今日のアプリケーションは、非常に複雑で多様、かつダイナミックな環境で開発、運用、保守されています。アプリケーションは、ウェブ、モバイル、クラウドなどの複数のプラットフォームで実行され、アプリケーションのアーキテクチャは、従来のクライアントサーバーやデータベース・ウェブサーバー構造よりも複雑になっています。

CIS Controls 16

少ない開発で大きな効果があげられる標的アプリ

攻撃者の立場では、出来るだけ効率良く情報窃取を行いたいと考える。脆弱性を見つけてマルウェアコード(スクリプト)を組み合わせるという手間暇に合う対象がの杣しい。

それは出来るだけ多くのユーザが使っているグローバルなアプリケーションやWebアプリケーションである。

ユーザ数が多いほど効率が良い

グローバルなアプリケーションとは、MicrosoftのOffice製品などが筆頭とあげられるだろう。特に世界中のビジネスマンが利用している。非常に効率が良い標的アプリと言える。

Office製品と並ぶ標的はブラウザアプリだ。少し前まではビジネス用途のブラウザはInternetExploreであった。現在はChromeが最も標的とされるブラウザだ。

Offic製品やブラウザのセキュリティ対策は「セキュリティパッチを最新にすること」に尽きる。Office製品を経由したマルウェア感染は、VBAマクロからPowerShellなどのスクリプトを経由するため、Office製品のアプリのパッチだけでは不十分で、WindowsOSのセキュリティパッチの更新も必要となる。

Chromeブラウザもシェアの拡大と共に、深刻な脆弱性のセキュリティパッチのリリースの頻度が高まって来ている。世界中の攻撃者が標的をIEからChromeに切り替えた証拠であろう。

共通の脆弱性が残っているWebアプリ

もう1つの標的アプリはWebアプリである。

Webアプリは各社がオリジナルで開発したものも多いが、攻撃者が標的とする脆弱性は世界共通なものであるため、攻撃者にとっては攻撃効率が良い。

Webアプリの対策としては、下記3項目が有効である。

・セキュリティパッチの適用(OS、ミドルウェア、Webサーバ等)
・セキュアな設計(IPA発行「安全なウェブサイトの作り方」参照等)
・定期的な脆弱性診断

本対策については以下のサイトを参照にされたい。

https://www.ipa.go.jp/files/000044465.pdf

まとめ

攻撃者が標的に使うアプリは以下の2つを注意する必要がある。

・グローバルなアプリ(Office製品とブラウザ)とWebアプリ。

・いずれもセキュリティパッチ更新が最も重要。

・特に、Webアプリはセキュア設計と定期的な脆弱性診断も重要。

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